令和元年12月10日
水産庁

本日、「水産新技術の現場実装推進プログラム」について、首相官邸で開催された「農林水産業・地域の活力創造本部」において農林水産大臣から報告され、了承されました。

1.背景と目的

近年、水産分野でICTやAI、ロボット技術等の先端技術の導入が始まっており、操業の効率化や漁獲物の高付加価値化により、生産性を向上させるとともに、担い手確保にも貢献することが期待されます。さらに、漁業就業者が減少していく中で、地域の水産業を新規就業者等に継承していくため、このような先端技術の導入は喫緊の課題となっています。
また、ICT技術を活用して、これまで得られなかった漁業活動や漁場環境の情報を収集することにより、適切な資源評価や管理が促進されます。
本プログラムは、漁業者や企業、研究機関、行政などの関係者が、共通認識を持って連携しながら、水産現場への新技術の実装を加速化することを目的として策定しました。

2.内容のポイント

本プログラムは以下の項目で構成されています。

(1)水産業の将来像

新技術の導入によって生産性の向上を図ることにより、実現することが期待される水産業の姿を、6つの漁業や養殖業等の別※に作成し、新技術の導入による省エネや省人省力化等の効果を示しています。
※6漁業種類43事例[(ア)沿岸漁業、(イ)養殖業、(ウ)定置網漁業、(エ)沖合漁業、(オ)遠洋漁業、(カ)加工流通]
例:沿岸漁業の将来像
7日先までの漁場を予測し、漁場へ直行することにより、無駄な航行を削減
→出漁時間を約1割削減

(2)水産業の各技術のロードマップ

技術開発の現状や課題を技術毎※に整理し、普及に向けた見通し等を示しています。
※9分類34項目[(ア)漁場予測等システム、(イ)センシング技術、(ウ)ロボット・機器関連技術、(エ)ドローン関連技術、(オ)リスク管理技術、(カ)省エネルギー技術、(キ)漁船管理・漁船安全、(ク)市場管理システム、(ケ)その他]
例:入網把握システム
定置網に入網した魚類を遠隔地で把握し、無駄な作業を無くすシステムを開発

(3)技術実装の推進方策

新技術を漁業等の現場に実装するために推進すべき施策や取組を5つの方策※に整理して示しています。
※(ア)水産新技術を知る、(イ)水産新技術を試す、(ウ)水産新技術を導入する、(エ)水産新技術の実践環境を整備する、(オ)水産新技術を発展させる

(参考)

農林水産業・地域の活力創造本部(首相官邸ホームページ)

<添付資料>
水産新技術の現場実装推進プログラム(PDF : 2,377KB)

お問合せ先

増殖推進部研究指導課
担当者:宇津、國政
代表:03-3502-8111(内線6784)
ダイヤルイン:03-6744-2031