令和元年11月29日、安倍総理は、総理大臣官邸で日仏クラブによる表敬を受けました。

 総理は、挨拶で次のように述べました。

「日仏クラブの皆様の訪日を歓迎いたします。日仏クラブは、両国の特別なパートナーシップの重要な懸け橋であります。
 今回の日仏クラブの日本開催に当たり、共同議長を務められた魚谷資生堂CEO、そしてアッシェンブロワ・ヴァレオ社CEOを始め、全ての関係者の皆様に敬意を表したいと思います。日本とフランスは、自由、民主主義、人権、そして法の支配といった、普遍的価値を共有する特別なパートナーであります。
 本年は、日本はG20(金融・世界経済に関する首脳会合)の議長国、そしてフランスはG7の議長国として、世界が直面する様々な課題への取組について、共にリードしてまいりました。そして、世界の平和と繁栄のために、緊密に連携してまいりました。
 そして、G20大阪サミットの直前には、マクロン大統領に、日本を公式訪問していただきました。その際、東京で会談を行いまして、両国の新たな地平を開く、今後5年間を見据えた日仏協力のロードマップを発表したところであります。
 このロードマップを道しるべに、日仏は、イノベーションやデジタル分野を始め、両国間の多様な経済的パートナーシップをますます発展させていく考えであります。同時に、安全保障、そして防衛装備品の分野での、協力も進展しています。また、日仏は、お互いに太平洋国家でありまして、この海洋をめぐる問題についても、協力を深めていきたいと思います。
 2月に発効いたしました日EU(欧州連合)・EPA(経済連携協定)は、両国の経済関係を確実に、また、貿易関係を強化しています。今回の議論を踏まえまして、AI技術等の促進や、先ほどお話がでましたSDGs(持続可能な開発目標)への貢献を始め、両国の経済関係の輝かしい未来へ向けて、日仏クラブの皆様に、今後とも御尽力いただくことを期待しています。
 先ほど、アッシェンブロワ議長からも御指摘があったように、日仏の企業同士、あるいは日仏には、様々な共通点があるということを再認識したところであります。例えば、日仏両国は料理をただの食事から芸術まで高めたという感性も共通しているのではないかと思います。それと同様に、企業はただ、利益を追求する存在ではなくて、SDGsの様々な目標を追求する存在であり、そして、地域社会にも大きな責任を持っているという共通点があるということを、今日再認識したところであります。
 日仏クラブの皆様が、こうした共通点を基盤とし、両国関係のますますの発展、そして、様々な国際社会の課題に、共に取り組んで行く上において、大きな役割を果たしていただくことを期待しております。」

関連動画

動画の再生はこちら(政府インターネットTV)