令和元年11月21日、安倍総理は、都内で開催された第59回商工会全国大会に出席しました。

 総理は、挨拶で次のように述べました。

「本日は、第59回商工会全国大会が、このように盛大に開催されますことを、心よりお喜び申し上げます。
 総理大臣として、私がこの全国大会に参加させていただくのも、今回で3回目となります。おそらく歴代トップではないかと思い、実は調べてみたんです。そうしましたら、残念ながら佐藤榮作総理は、なんと、4回参加しておられたそうであります。
 佐藤総理といえば、連続して7年8か月もの長きにわたって、政権を担いました。その意味で、長期政権の秘訣(ひけつ)とは何か、ずばりそれは、商工会の皆さんを大切にすることなんだろうと、このように思うわけであります。
 なお、一点だけ補足させていただきますと、私は、この春、通常総会のパーティーにも参加させていただきましたが、実は、こちらに、現職の総理大臣が参加するのは、史上初めてだったということでございます。これを含めますと、私も4回になるという点は、別に佐藤総理と競っているわけではございませんが、念のため補足させていただきたいと思います。
 全国津々浦々、地方経済を支えているのは、正に全国80万者の商工会会員の皆様です。
 それぞれの地域で頑張っておられる、中小・小規模事業者を、全力で応援していく。これは、安倍内閣の経済政策のど真ん中、確固たる基本方針であります。
 その思いの下に、本日もやってまいりました。こうして、全国の商工会会員を代表する皆様に、御挨拶させていただく機会をいただいたこと、本当にうれしく思います。
 また、森会長におかれては、全国津々浦々を精力的に駆け回り、日々、被災地を始め中小・小規模事業者の現場の声を政府に届けていただいておりますこと、改めて感謝申し上げたいと思います。
 まず、この夏以降に相次いだ台風や豪雨等の災害により、亡くなられた方々に、改めて哀悼の意を表すとともに、全ての被災者の皆様に、心からお見舞いを申し上げたいと思います。
 被災地では、多くの中小・小規模事業者の皆さんが、店舗や工場、機械設備が浸水により、大きな被害を受けました。自宅も被災し、再建への意欲すら失いかねない厳しい状況の中で、明日への希望を持って、事業再建に臨んでいくことが必要です。
 このため、先般、生活と生業(なりわい)の再建に向けた対策パッケージを取りまとめ、これを直ちに実行するため、まず第1弾として、1,300億円を超える予備費の使用を閣議決定しました。
 グループ補助金や持続化補助金などにより、きめ細かく、徹底的な寄り添い型支援を行っていきます。商工会の皆さんのお力もお借りしながら、地域経済を支える中小・小規模事業者の皆さんの復旧・復興を、全力で応援してまいります。
 さて、年が明ければ、2020年。半世紀ぶりとなる、オリンピック・パラリンピックが、いよいよ、我が国にやってまいります。先般の祝賀御列の儀には、本当にたくさんの皆さんが集まりましたが、本年は、御代替わりによって、令和の時代がスタートいたしました。
 新しい時代に向けた躍動感があふれる今こそ、未来を見据えた大改革を進めるべきときであります。
 そうした思いの下に、今年の通常総会に参加させていただいた際に、皆様の前で、個人保証の慣行を次の世代には引き継いではならない、令和の時代で必ずや断ち切るべく、大胆な政策パッケージを実施していくとお約束しました。
 このお約束を、いよいよ実行に移してまいります。私たちはお約束したことは必ず実行していきます。
 まず、先代の経営者と後継者から個人保証を取る、いわゆる二重取りを原則として禁止する、経営者保証ガイドラインの特則を、年内に策定します。
 商工中金では、年明け早々から、年間約3万件、2兆円の新規融資について、個人保証なしの融資を原則とする運用を開始します。
 信用保証協会では、個人保証なしで後継者の皆さんの融資を保証する新制度が、来年度から、皆さん、スタートします。経営の磨き上げ支援も行い、経営者保証ガイドラインに沿って専門家の確認を得た後継者の方々には、保証料もゼロにする、大胆な仕組みです。
 一度失敗すると、全てを失う。再チャレンジを困難にしている個人保証偏重の慣行を断ち切るために、やれることは全てやる覚悟で取り組んでいきます。
 さらには、下請け取引の更なる適正化、持続化補助金などを活用した生産性向上への支援。安倍内閣は、前例のないチャレンジによって、全国各地の中小・小規模事業者の皆さんを、全力で応援してまいります。
 そして、そのためには、何といっても、全国1,660に及ぶ商工会の皆様の協力が不可欠であります。商工会80万者の会員の皆様と政府が、がっちりとスクラムを組んで、正にワンチームとなって、共に、新しい令和の時代を切り拓(ひら)いてまいりましょう。本日は、皆様、御盛会おめでとうございました。ありがとうございました。」

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