~11月11日から15日にかけて富山市で開催~

 厚生労働省が加盟する「医薬品査察協定及び医薬品査察協同スキーム」※1(PIC/S:Pharmaceutical Inspection Convention and Pharmaceutical Inspection Co-operation Scheme)の総会とセミナーが、11月11日(月)から15日(金)にかけて富山市で開催されました。PIC/Sの総会とセミナーが日本で開催されたのは、これが初めてとなります※2
 11日と12日に行われた総会では、2020~2021年のPIC/S議長にアイルランド医療製品規制庁のAnne Hayes氏が選任されたほか、データの信頼性確保や製造設備共用のリスク評価・管理に関するガイダンスの検討状況などについて報告されました。
 13日から3日間にわたって行われたセミナーでは、国内外から約150人の医薬品GMP※3査察担当者が参加して、無菌医薬品の品質保証※4をテーマにビデオ演習などのワークショップが行われ、参加国・地域のGMP査察能力の向上につながると好評を博しました。
 来年のPIC/Sの総会とセミナーは、11月にバンコク(タイ)で開催される予定です。
 
 
※1 「医薬品査察協定及び医薬品査察協同スキーム」(PIC/S)とは
1970年に締結された医薬品査察協定を母体として、1995年からは協定締約国以外の国・地域の医薬品査察当局も参加して、医薬品GMPの指針を作成し、国際整合性を図りながら、当局間の相互査察が進むよう活動を続けている団体。(参考:https://www.picscheme.org/index.php
 現在、世界49カ国・地域から52の医薬品査察当局が加盟し、医薬品GMP分野における国際標準となる枠組みとなっています。厚生労働省は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)および各都道府県とともに、平成26年7月から加盟しています。

※2 日本がPIC/S加盟して以降の総会・セミナーの開催地
平成26年10月 パリ(フランス)
平成27年10月 ヌサ・ドゥア(インドネシア)
平成28年7月 マンチェスター(英国)
平成29年9月 台北(台湾)
平成30年9月 シカゴ(米国)
令和元年11月 富山(日本)

※3 GMPとは、Good Manufacturing Practiceの略で、医薬品の製造所における製造管理および品質管理のことです。

※4 無菌医薬品の品質保証に関しては、PIC/S、欧州医薬品庁(EMA)および世界保健機構(WHO)の合同でガイドライン改訂を進めており、厚生労働省では、医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究事業により、産学連携してガイドライン改訂に参画してきました。