令和元年11月15日
水産庁

水産庁は、令和元年度の我が国周辺水域の主要な水産資源について評価結果を公表します。

1.我が国周辺水域の水産資源の調査・評価について

水産庁では、水産資源の適切な保存及び管理に資するため、国立研究開発法人水産研究・教育機構を代表とする共同実施機関(※1)への事業委託により、毎年、我が国周辺水域の主要な水産資源について資源調査・評価を行い、結果を公表しています。
資源評価の対象魚種・系群(※2)は、TAC(漁獲可能量)制度の対象魚種であるマイワシ、マアジ、マサバ及びゴマサバ等を含む50魚種87系群です。このうち、新たな資源管理の実施に向け、優先的に検討を開始するマサバ2系群、ゴマサバ2系群、スケトウダラ日本海北部系群・太平洋系群及びホッケ道北系群については、これらの資源についてのみ提示している資源管理目標(※3)や漁獲シナリオ(※4)の案等を別途公表(※5)しています。
今回は、残りの48魚種(※6)80系群のうち、資源評価を行った46魚種77系群について、資源水準や動向(※7)等の評価結果を公表します。
スルメイカ2系群とブリについては、資源評価を行った後、令和2年1月に評価結果を公表する予定です。

※1 共同実施機関:水産研究・教育機構、都道府県水産試験研究機関、一般社団法人漁業情報サービスセンター、公益財団法人海洋生物環境研究所
※2 系群:一つの魚種の中で、産卵場、産卵期、回遊経路などの生活史が同じ集団
※3 資源管理目標:改正漁業法に規定されている、最大持続生産量(現在の環境下において持続的に採捕可能な最大の漁獲量)を達成する資源水準の値である目標管理基準値や、これを下回った場合にはMSY水準まで回復させる計画を定めることとする資源水準の値である限界管理基準値等
※4 漁獲シナリオ:目標に達するまでの年数や達成確率を勘案しながら漁獲圧や漁獲量等を定めるもの
※5 公表先:http://www.fra.affrc.go.jp/shigen_hyoka/SCmeeting/2019-1/
※6 48魚種:50魚種からマサバとゴマサバを除いた48魚種。スケトウダラについては、日本海北部系群と太平洋系群以外に根室海峡とオホーツク海南部が存在し、ホッケについては道北系群以外に根室海峡・道東・日高・胆振と道南系群が存在するため、46魚種とはならない。
※7 資源水準と動向:資源水準は、過去20年以上にわたる資源量や漁獲量等の推移から「高位・中位・低位」の3段階で区分。資源動向は、過去5年間の資源量や漁獲量等の推移から「増加・横ばい・減少」の3段階で区分

2.資源評価結果の概要

資源評価を行った77系群の資源水準は、高位が18系群、中位が25系群、低位が34系群でした(図1)。このうち、TAC魚種については、高位が1系群、中位が7系群、低位が3系群でした。
また、資源評価対象魚種のうち、我が国の漁業や国民生活上重要である主要魚種(※8)については、高位が8系群、中位が13系群、低位が9系群でした(図2)。
我が国周辺水域の水産資源は、資源水準が高位又は中位水準にあるものが約半数を占めているものの、残りの約半数は依然として低位にとどまっています。
なお、系群ごとの評価結果の概要については、別途公表しています(「3.公表先」を参照)。

※8 主要魚種:スケトウダラ、マアジ、マイワシ、ズワイガニ、マダラ、ウルメイワシ、カタクチイワシ、ベニズワイガニ、ホッケ、マダイ、トラフグ
これらの魚種は、次のいずれかに該当。
 (1)TAC魚種
 (2)漁獲量が1万トン以上で生産額が100億円以上の魚種
 (3)生産額が10億円以上で国の資源管理指針に記載されている魚種

 図1 我が国周辺水域の水産資源に関する資源水準の状況及び推移(46魚種77系群)

1911図1円グラフ
1911図1推移グラフ
※ 年度によって資源評価対象系群は異なる。

図2 我が国周辺水域の水産資源に関する資源水準の状況及び推移(主要11魚種30系群)

1911図2円グラフ
1911図2推移グラフ※ 年度によって資源評価対象系群は異なる。

3.公表先

系群ごとの資源評価の概要については、以下のURLで公表しています。
http://abchan.fra.go.jp/index1.html

<添付資料>
令和元年度我が国周辺水域の資源評価一覧(PDF : 72KB)

お問合せ先

増殖推進部漁場資源課

担当者:船本、冨澤
代表:03-3502-8111(内線6800)
ダイヤルイン:03-6744-2377
FAX番号:03-3592-0759