2019年11月15日

資源エネルギー庁は、各種エネルギー関係統計等を基に、平成30年度の総合エネルギー統計速報を作成し、エネルギー需給実績として取りまとめました。

1.エネルギー需給実績(速報)のポイント

(1)需要動向

○最終エネルギー消費は前年度比2.9%減。うち石油は同4.1%減、電力と石炭は同2.0%減、都市ガスは同1.7%減、熱は同1.1%減であった。

○家庭部門は、暖冬の影響から、厳冬であった2017年度に比べて大幅に減少。企業・事業所他部門は、経済活動が緩やかに拡大したが、鉄鋼やエチレンの生産量の減少や省エネの進展等により減少。

  • 最終消費を部門別に見ると、企業・事業所他が同2.3%減(うち製造業は同2.4%減)、運輸が1.2%減、家庭が同7.8%減と、主要全部門で減少。
  • 電力消費は、家庭は同4.6%減、企業・事業所他は同1.0%減。

 (2)供給動向

○一次エネルギー国内供給は、前年度比1.9%減。化石燃料は5年連続で減少する一方、再エネ及び原子力などの非化石燃料は6年連続で増加。

  • 一次供給のシェアは、発電で再エネ普及と原発再稼働が進み、再エネ(未活用エネ含む)と原子力は各前年度比0.6%p増、1.4%p増。一方、石油は最終消費、天然ガスは発電用を中心に減少し、各同1.4%p減、同0.6%p減。石炭は、量は減少もシェアは横ばい。

○発電電力量は前年度比1.3%減(1兆471億kWh)。非化石電源の割合は23.1%(前年度比4.0%ポイント増)。

  • 発電電力量の構成は、再エネが16.9%(前年度比0.9%p増)、原子力が6.2%(同3.1%p増)、火力が76.9%(同4.0%p減)。

○エネルギー自給率は、前年度比2.3%p増の11.8%(IEAベース)。

(3)CO₂排出動向

○エネルギー起源CO₂排出量は、前年度比4.5%減と5年連続減少し10.6億トンで、2013年度比14.2%減。

○電力のCO₂原単位は、前年度比4.8%改善し、0.49kg-CO₂/kWh。

  • CO2は東日本大震災後の原発稼働停止等の影響で2013年度まで4年連続で増加したが、その後の需要減、再エネ普及や原発再稼働による電力低炭素化等により、減少傾向。
  • 部門別では、企業・事業所他が前年度比4.2%減、家庭が同11.1%減、運輸が同1.4%減。

(注)本資料においてエネルギー量は、エネルギー単位(ジュール)を使用。原油換算klに換算する場合は、本資料に掲載されているPJ(ペタジュール:10の15乗ジュール)の数字に 0.0258 を乗じると原油換算百万klとなります。(原油換算:原油1リットル = 9,250kcal = 38.7MJ。1MJ = 0.0258リットル。)

2.統計表のHP掲載

資源エネルギー庁のホームページに「平成30年度(2018年度)総合エネルギー統計速報」(Excel形式)を掲載しますのでご参照ください。
 

担当

資源エネルギー庁 長官官房総務課戦略企画室長 田中
担当者:高橋、北村、石田

電話:03-3501-1511(内線4477)
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