田中復興大臣定例閣議後会見録(令和元年11月8日(金)9:30~9:44 於)復興庁会見室)

1.発言要旨
 皆さん、おはようございます。
 まず、1点目であります。昨日の復興推進委員会において、「復興・創生期間」後の復興の基本方針の骨子案をお示しいたしました。骨子案では、期間後も対応が必要な事業、財源・法制度等の復興を支える仕組み、組織等について、考え方をお示ししております。各委員からさまざまな御意見もいただきましたので、よく検討いたしまして、次回の推進委員会において、基本方針の案を示してまいりたいと思っております。年内に政府として「基本方針」が決定できますよう、引き続き取り組んでまいりたいと思います。
 2点目であります。台風19号を初めとする一連の豪雨等被災に関し、本日の閣議で「被災者の生活と生業(なりわい)の再建に向けた対策パッケージ」に係る予備費使用が決定されました。復興庁においても、今回の被災によって東日本大震災からの復旧・復興の進捗に、できる限り支障を来さないよう、対策パッケージを執行する関係省庁と密に連携してまいりたいと思います。
 3点目であります。本日8日、「生活再建支援拠点ブロック会議東日本Aブロック」を開催いたします。私も出席させていただきます。生活再建支援拠点は、福島県の委託を受けて全国に26か所設置してあります。福島県外に避難された方々への相談対応などを行っております。本日の会議では、主に関東圏で支援を行う10拠点の皆様と現在の取組状況や課題などについて意見交換を行わせていただく予定であります。現場の声を伺って、今後の復興行政の推進に資する意見交換ができることを期待しておるところでございます。
 4点目であります。11日(月)に、宮城県の多賀城市、利府町、松島町、山元町を訪問させていただき、就任の挨拶をするとともに、各市町の課題等についてお伺いする予定であります。
 5点目は、「風評払拭イニシアティブ for 2020」の一環として、10日から16日にかけて、中国本土のプレス関係者12名及び香港の記者2名を招聘し、被災地等を訪問取材していただく予定であります。訪問中、福島県農業総合センターや福島県水産海洋研究センター等を訪問していただいて、被災地の復興した姿や、食品の安全性、特に実際に食べていただくなどして、取材していただきたいと思っております。訪問の詳細は、事務方にお尋ねいただきたいと思います。
 本件取材が、中国の皆さんに被災地の現状及び被災地産品の安全性を「知ってもらい」、被災地に「来てもらう」一助になることを期待しておるところでございます。招聘期間中には、菅家副大臣に参加者に会っていただく予定としているほか、機会が許せば、私自らも参加者にお会いできればと考えておるところでございます。
 また、私も昨日はクマール駐日インド大使にお会いし、復興しつつある被災地の状況や、被災地産農産品の安全性についてお伝えをいたしました。本日は、ケネディ・ジャワン駐日マレーシア大使とお目にかかる予定であります。このように、国内外の風評の払拭に向けた情報発信に、あらゆる機会を捉え、私自身が先頭に立って、引き続き全力で取り組んでまいりたいと思っておるところでございます。
 以上でございます。

2.質疑応答
(問)昨日示されました復興基本方針の骨子案全体について、大臣の所見を伺いたいです。
(答)骨子案のポイントということでありますけれども、まず地震・津波地域と原子力被災地域の復興・創生期間後の医療機関や方向性についてが、まず第1であります。財源、法制度の復興を支える仕組み、これが2つ目のポイントだと思います。3つ目が、組織のあり方について骨格となる考え方をお示しできるよう努めたというところでございます。いずれにしても、被災地、被災自治体の御要望等を踏まえてお話をさせていただいたところでございます。この骨子に係るさまざまな意見について検討し、年末の基本方針の策定に向けて取り組んでまいりたいと思っております。
(問)津波被災地の復興事業を5年で完了を目指すということが明記されていますけれども、これに関して、岩手・宮城両県知事から強い懸念が示されていますが、大臣はどのようにお考えになりますか。
(答)特に、宮城県知事からは、昨日もお話がございました。私のほうも、一つ一つの案件はいろいろとあると思いますので、丁寧にそれの案件について対処していくこと、このような思いでございます。この5年ということと、一つ一つの案件に丁寧に対処していくということは、双方の考え方で対応できると、このように思っておるところでございます。
(問)となると、事業ごとにする柔軟な対応も、その5年後以降というのはあり得るというお考えですか。
(答)今の時点で、そのようなことを申し上げるということは、なかなか難しいところもございますけれども、やはり場合によっては、昨日、知事さんもおっしゃっていたんですけれども、何かそういうケースがあった場合は、やはり丁寧に状況を把握して対応するということが求められることだと思っております。
(問)関連ですけれども、基本方針の中に、帰還困難区域について段階的に解除するというような方向が打ち出されました。昨日、帰還困難区域を抱える6町村が要望に来ました。復興・創生期間内に、解除の方針やら除染の方針を示すというような内容でしたけれども、今回の復興の基本方針に、その辺まで触れるお考えはあるんでしょうか。もっと踏み込んで書く予定はありますか。
(答)帰還困難区域の皆さんにきちっと対応していくということは、我が国の方針でございますので、これはもう揺るがないものだと思っております。そういう中で、今後いろんな議論があることだと思いますけれども、私たちもその考え方にのっとって、対応していくことが必要だというふうに思っております。いずれにしても、年内にいろんな形で取りまとめてまいりたいと思っております。
(問)年内にまとめる基本方針に、もう少し強く書きぶりを変えていくということなんですか。
(答)今、そのことについてこの場でまだ申し上げる立場というか、状況ではございませんけれども、いろいろと全てのことを勘案しながら、対応していかなければならないだろうなと、このように思っております。
(問)同じく骨子案のことについてなんですけれども、復興庁の設置期限を10年間延長、福島に対応するというのも10年、当面10年というような書き方をされていると思うんですが、こちらのほうの10年ということに対して、大臣の所見を伺いたいと思います。
(答)復興の中において、原発の事故によって起きた地域の復興の諸策というのが、今始まっておるわけでございまして、10年というのは、当然その時期になって、そういうことがどういう状況かというのは、5年ごとに今後またいろんな状況を見直したり、確認をしたり、いろんな御意見を聞きながらということでございまして、とりあえずその10年ということではありますけれども、5年ごとの刻みを大切にして、状況の把握を十分してまいりたいと、このように思っております。
(問)福島の復興は10年というより、もっと長い期間がかかると思うんですけれども、まずこの10年間で取り組んでいくことは何ですか。
(答)10年間については、当然のことながら、もう中長期的な取り組みということで、こういう10年ということになっておるわけでございます。今申し上げましたように、5年後に見直すということを、区切りを設けるということで対応してまいります。また、当面10年間、本格的な復興再生に向けた取り組みを行うことといたしましたけれども、復興・創生期間の終了から5年後に復興事業全体のあり方について見直すということで、今お話を申し上げましたけれども、そういうことを我々は非常に重要に考えてまいりたいと思っております。今の時点では、そういうお話を申し上げて説明とさせていただきたいと思います。
(問)5年を一つの区切りとして復興・創生期間後はやっていくということなんですけれども、震災以降5年区切りで、これまで集中復興だとか復興・創生というような、ある意味スローガン的な形で政府は対応してきました。大臣としては、次の5年の区切りというのは、どういった期間というふうに位置づけられておりますでしょうか。
(答)地震・津波地域については、この5年間に総仕上げという状況を目指していくということであります。福島の原発事故の地域については、この次の5年間で中長期的といいつつも、相当見通しが立つ段階を迎えていくんではないかなと、このようにも思っておるわけでございますが、今の時点で思うことと、その5年先のことが一致するかどうかというのは、まだ今の時点では申し上げても、なかなか難しいということでございます。きちっとした目的を持って、全ての復興庁の仕事をやっていかなければならない。また、地元の皆さんの御意向をしっかり受けとめながら、また被災者の皆様方のお気持ちに沿ってやっていくということが、私どもの一番の務めでございまして、この状況も含めて、5年の節目というものを大切に考えていきたいと、このように思っておるわけでございます。

(以  上)