農林水産省
農林水産省は、東京都中央卸売市場に出荷される野菜の生育状況及び価格見通し(令和元年11月)について、主産地等から聞き取りを行いましたので、その結果を公表します。
1.概要
近年、天候不順により野菜の価格変動が大きくなっている中で、野菜の生育状況や価格の見通しを情報発信するため、平成23年より、主産地、卸売会社、中間事業者等から聞き取りを行い、その結果を農林水産省ホームページに掲載しています。
今般、令和元年11月の野菜の生育状況及び価格見通しの聞き取り結果を次のとおり公表します。
なお、聞き取りを行った14品目の野菜の生育状況は、東京都中央卸売市場外において流通するものについても、同様の傾向です。
また、これまでの公表資料は、次のURLページで公開しております。
http://www.maff.go.jp/j/seisan/ryutu/yasai_zyukyu/
2.現在の生育状況
(総論)
主産地等への聞き取りの結果、台風等の大雨や強風による被害が、11月の出荷数量や価格に大きな影響を与えることはないと見込んでいますが、引き続き、産地の状況や価格動向に注視してまいります。
品目 | 現在の生育状況 |
根菜類 (だいこん及びにんじん) |
だいこんは、千葉県において、台風第15号の大雨や強風等による被害が発生したが、播き直しを行い、生育が良好。神奈川県において、生育は平年並み。 にんじんは、生育期間の気温が平年を上回って推移したことから、生育が良好。なお、千葉県において、台風第15号の大雨や強風等による被害が発生し、時期的に播き直しができなかったが、被害を受けなかった物の生育が良好であるため、全体として収量の減少は見込まれない。 |
葉茎菜類 (はくさい、キャベツ等) |
はくさいは、生育期間の気温が平年を上回って推移したため、生育が前進傾向。一部産地では、台風第19号等の大雨による被害が発生。 キャベツは、平年並みだが、一部産地では、適度な降雨等に伴い生育が前進傾向。 ほうれんそうは、10月中旬以降の気温低下や多雨に伴い生育が遅延。 ねぎ及びレタスは、概ね平年並み。 |
果菜類 (きゅうり、なす等) |
概ね平年並み。 |
土物類 (ばれいしょ、さといも 及びたまねぎ) |
ばれいしょ及びたまねぎは、概ね収穫が終了。 さといもは、概ね平年並みであるが、一部において、台風第15号の大雨や強風等による影響に伴い生育不良が発生。 |
3.今後の生育、出荷及び価格見通し
(各論)
品目 | 主産地 ( )書きは平成30年 11月の入荷 シェア |
今後の生育及び出荷見通し | 価格見通し (平年(直近5か年 平均)比) |
|
11月前半 | 11月後半 | |||
だいこん |
千葉(59%) 神奈川(15%) |
・ 台風第15号の大雨や強風等による被害に伴い播き直しを行った千葉県において、生育は良好で、出荷数量の減少は見込まれなく、また、後続の産地である神奈川県において、生育は平年並みであるため、11月の出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。 |
平年並み で推移 |
平年並み で推移 |
にんじん | 千葉(53%) 北海道(23%) |
・ 主産地において、生育期間の気温が平年を上回って推移したことから、生育が良好であるため、11月の出荷数量は平年をやや上回り、価格は平年を下回る見込み。 ・ なお、後続の産地である千葉県において、台風第15号の大雨や強風等による被害が発生し、時期的に播き直しができなかったが、被害を受けなかった物の生育が良好であるため、出荷数量の減少は見込まれない。 |
安値水準 で推移 |
安値水準 で推移 |
はくさい | 茨城(79%) |
・ 茨城県において、一部産地では台風第19号等の大雨による被害が発生したものの、県内全体では、生育期間の気温が平年を上回って推移したことから、生育が前進しているため、11月前半の出荷数量は平年をやや上回り、価格は平年を下回る見込み。 ・ 今後、天候が平年並みに推移すれば、生育も平年並みとなり、11月後半の出荷数量、価格ともに平年並みに戻る見込み。 |
安値水準 で推移 |
平年並み に戻る |
キャベツ |
千葉(43%) 茨城(22%) 愛知(14%) |
・ 主産地において、生育は平年並みであるものの、一部産地では、生育が前進していることから、11月前半の出荷数量は平年をやや上回り、価格は平年を下回る見込み。 ・ 今後、天候が平年並みに推移すれば、生育も平年並みとなり、11月後半の出荷数量、価格ともに平年並みに戻る見込み。 |
安値水準 で推移 |
平年並み に戻る |
ほうれんそう |
群馬(44%) 茨城(19%) |
・ 主産地において、10月中旬以降の気温低下や多雨に伴い生育が遅延しているが、今後、天候が平年並みに推移すれば、生育の回復が見込まれるため、11月の出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。 |
平年並み で推移 |
平年並み で推移 |
ねぎ |
秋田(16%) 青森(12%) |
・ 主産地において、生育が概ね平年並みであるため、11月の出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。 |
平年並み で推移 |
平年並み で推移 |
レタス | 茨城(62%) |
・ 主産地において、生育が概ね平年並みであるため、11月の出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。 |
平年並み で推移 |
平年並み で推移 |
きゅうり |
埼玉(25%) 群馬(22%) 宮崎(18%) |
・ 主産地において、生育が概ね平年並みであるため、11月の出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。 | 平年並み で推移 |
平年並み で推移 |
なす | 高知(55%) 福岡(12%) |
・ 主産地において、生育が平年並みであるため、11月の出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。 |
平年並み で推移 |
平年並み で推移 |
トマト |
熊本(31%) 千葉(18%) 愛知(13%) |
・ 千葉県の一部産地において、台風第15号によるハウス損壊等の被害があり、出荷数量の減少が見込まれるものの、後続の産地である熊本県及び愛知県において、生育が概ね平年並みであり、徐々に出荷数量の増加が見込まれるため、11月の出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。 |
平年並み で推移 |
平年並み で推移 |
ピーマン |
茨城(51%) 宮崎(18%) |
・ 主産地において、生育が概ね平年並みであるため、11月の出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。 |
平年並み で推移 |
平年並み で推移 |
ばれいしょ | 北海道(97%) |
・ 11月の出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。 |
平年並み で推移 |
平年並み で推移 |
さといも | 埼玉(65%) 千葉(10%) |
・ 主産地において、一部で生育不良が発生しているものの、生育が概ね平年並みであるため、11月の出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。 |
平年並み で推移 |
平年並み で推移 |
たまねぎ | 北海道(94%) |
・ 11月の出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。 |
平年並み で推移 |
平年並み で推移 |
注:「平年並み」とは、平年との比率が80%以上、120%未満であることを示している。
<添付資料>
東京都中央卸売市場における指定野菜の価格の平年比(PDF : 51KB)
お問合せ先
生産局園芸作物課
担当者:朝倉、中村、熊谷
代表:03-3502-8111(内線4822)
ダイヤルイン:03-3502-5961
FAX番号:03-3502-0889