途上国におけるユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)ファイナンス(注)については、国際社会でその重要性が強く認識されています。本年6 月28-29 日に開催されたG20 大阪サミットに合わせて、同28 日にG20 の財務大臣及び保健大臣はUHC ファイナンスに関する合同セッションを開催し、「途上国におけるUHC ファイナンス強化の重要性に関するG20 共通理解」(共通理解文書)を取りまとめました。G20 大阪サミットにおいても、この共通理解が確認されています。さらに、UHC ファイナンスの重要性は、本年9 月23 日に開催された国連UHC ハイレベル会合においても再確認されました。

(注)UHC ファイナンスとは、全ての人が適切な健康増進、予防、治療、機能回復に関するサービスを、支払い可能な費用で受けられる状態であるUHC(ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ)を実現するための保健財政のことを指します。

 G20 の共通理解文書では、とりわけ、財務大臣と保健大臣の協力が重要である旨が指摘されています。このモメンタムを維持する観点から、アジア開発銀行(ADB)、世界保健機関(WHO)、日本政府は、2020 年5 月3 日、韓国・仁川での第53 回ADB 年次総会が開催される機会に、閣僚級シンポジウムを共催することとしました。

 このシンポジウムでは、アジア・太平洋地域の財務大臣と保健大臣が、この地域においてUHC をどのようにして強化し、いかに財務・保健両大臣間の一層の協力を促していくのかについて議論する予定です。本シンポジウムを通じ、国際機関や市民社会の代表といった様々な関係者が、この地域でのUHC 促進の経験を共有する機会になることが期待されます。

【参考】
G20 財務大臣・保健大臣合同セッションの共通理解文書(「途上国におけるユニバーサル・ヘルス・カバレッジファイナンス強化の重要性に関するG20 共通理解(仮訳)」)
https://g20-meeting2019.mhlw.go.jp/health/jp/file/annex3.pdf

財務省プレスリリース
https://www.mof.go.jp/international_policy/mdbs/adb/20191018.html

アジア開発銀行プレスリリース(英語)
https://www.adb.org/news/adb-who-japan-plan-joint-finance-and-health-ministers-symposium-universal-health-coverage