令和元年10月31日
林野庁

令和元年10月17日にラオスとの間で、二国間クレジット制度(JCM)の下でREDD+を実施するためのルールが採択されました。我が国が採択するのは今回で2例目となります(1例目は昨年5月にカンボジアとの間で採択)。今後、JCM-REDD+を通じて、日・ラオス間の森林保全の推進による温室効果ガスの排出削減に一層貢献していきます。

1.JCM-REDD+の概要

「地球温暖化対策計画」(平成28年5月閣議決定)では、国際協力を通じた海外における温室効果ガスの削減方策として、二国間クレジット制度(JCM)の推進とともに、途上国における森林減少・劣化等に由来する排出の削減等(REDD+)の推進を明記しています。
林野庁では、JCMの下でのREDD+(以下「JCM-REDD+」という)を、関係省庁や(国研)森林研究・整備機構等と連携し支援してきました。
我が国民間セクターはJCM-REDD+に取り組むことにより、途上国の森林減少・劣化の抑制等に貢献できるのみならず、その貢献や取組により削減された温室効果ガスの量に基づき、クレジットの発行を受けることができます。

(参考)二国間クレジット制度とは
二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism:JCM)は、途上国への温室効果ガス削減技術、製品、システム、サービス、インフラ等の普及や対策を通じ、実現した温室効果ガス排出削減・吸収への我が国の貢献を定量的に評価するとともに、我が国の削減目標の達成に活用するものです。JCMの実施に係るルールや実施方法の策定、プロジェクト登録の決定、クレジットの発行等は、両国政府の代表者により構成された合同委員会において行われます。

(参考)REDD+とは
REDD+とは、途上国における森林減少・森林劣化からの排出の削減、および森林保全、持続可能な森林経営、森林炭素蓄積の強化の役割 (Reducing emissions from deforestation and forest degradation and the role of conservation, sustainable management of forests and enhancement of forest carbon stocks in developing countries) の略称です。途上国において森林減少や森林劣化の抑制等の活動を行い、それにより温室効果ガスの排出量を削減あるいは吸収量を増加させることに対して、その実績に応じて経済的なインセンティブが得られる仕組みとして理解されています。

2.ラオスとの実施ルールの合意

JCMパートナー国(2019年現在17ヵ国)のひとつであるラオスとは、我が国民間セクターがJCM-REDD+に取り組む上で必要な実施ルールについて、今年2月に両国の担当官による合同作業会合(ラオスで開催)における協議の上取りまとめました。
これら経緯をうけて、令和元年10月17日(木曜日)に、日・ラオスJCM合同委員会において、同実施ルールが採択されました。今後は、本実施ルールに基づきREDD+に関するプロジェクトの実施が可能となります。

3.合意の概要

今回採択されたJCM-REDD+の実施ルールは、プロジェクトの実施に必要な手続きや、JCM-REDD+の取組によって達成した排出削減量の算定方法などについて定めています。我が国民間セクターがラオスにてJCM-REDD+の取組を実施する際には、このルールに基づいて、プロジェクトの登録手続きや排出削減量の算定・報告を行うことになります。

原文は以下のURLを御覧ください。
https://www.jcm.go.jp/la-jp/information/349

お問合せ先

森林整備部計画課海外林業協力室

担当者:塚田、神山
代表:03-3502-8111(内線6146)
ダイヤルイン:03-3591-8449
FAX番号:03-3593-9565