2019年10月31日

経済産業省では、平成26年4月の消費税率引上げを踏まえ、転嫁状況を定期的にモニタリングするため、転嫁状況に関する事業者へのアンケート調査(モニタリング調査)を平成26年4月から実施しています。
今般、令和元年「9月調査」の調査結果を取りまとめましたので公表します。
調査結果は、「全て転嫁できている」と回答した事業者が、事業者間取引では86.9%、消費者向け取引では76.6%、「全く転嫁できていない」と回答した事業者が、事業者間取引では2.3%、消費者向け取引では3.6%となっています。
引き続き、転嫁状況の監視・取締りなどを通じ、転嫁拒否行為の未然防止を図るとともに、違反行為に対しては厳格に対処していきます。

調査の結果概要

  • 転嫁状況について、事業者間取引では86.9%、消費者向け取引では76.6%の事業者が「全て転嫁できている」と回答し、前回比でそれぞれ+0.3ポイント、-0.2ポイントでした。「全く転嫁できていない」と答えた事業者は、事業者間取引では2.3%、消費者向け取引では3.6%で、前回比でそれぞれ-0.2ポイント、-0.4ポイントでした。

  • 事業者間取引における転嫁できた理由としては、58.0%の事業者が「以前より消費税の転嫁への理解が定着しているため」と回答しました。次いで、「消費税転嫁対策特別措置法により消費税転嫁拒否行為が禁止されているため」が30.7%、「本体価格と消費税額を分けることにより、交渉しやすくなったため」が23.8%でした。

  • 事業者間取引における転嫁できていない理由としては、42.4%の事業者が「自社商品等の競争が激しく、価格を引上げると他社に取引を奪われてしまうおそれがあるため」と回答しました。次いで、「取引先の業界の景気が悪く、消費税分の値上げを受け入れる余裕がないと考えられるため」が25.8%、「自社が下請事業者であるなど、取引先との力関係で立場が弱かったため」が20.8%でした。

  • 実際に転嫁拒否行為を受けたと回答した299社の事業者のうち、「価格の交渉時に、消費税率引上げ分の全部又は一部を上乗せしないとされた」と回答した事業者が最も多く40.5%、次いで、「本体価格での交渉に応じてもらえなかった」が32.8%でした。

  • 消費者向け取引における転嫁できた理由としては、67.6%の事業者が「消費者において消費税率引上げの意義等に対する理解が浸透しているため」と回答しました。次いで、「本体価格と消費税額を分けて記載することにより値上げへの反発が和らいだため」が27.1%でした。

※本調査は、総務省「平成28年経済センサス」における、従業員規模分布や業種分布に基づいて抽出された事業者を対象に、書面にてアンケート調査を実施するもの。(調査委託先:株式会社東京商工リサーチ)

関連資料

担当

中小企業庁 事業環境部 消費税転嫁対策室長 仁科
担当者:塚本

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03-3501-1502(直通)
03-3501-6899(FAX)

経済産業政策局 競争環境整備室長 桝口
担当者:萩谷

電話:03-3501-1511(内線2625~7)
03-3501-1550(直通)
03-3501-6046(FAX)