2019年10月23日

経済産業省は、各地域の経済動向を把握するために、各地方経済産業局が四半期ごとに行っている地域経済産業調査の結果を取りまとめました。
【今回の調査結果のポイント】
全体の景況判断は、前期から据え置き、「一部に弱い動きがみられるものの、緩やかに改善している」としました。
地域別の景況判断は、中国で下方修正し、その他の地域は据え置きました。

1.地域経済産業調査について

各地方経済産業局が管内の企業等に対して、業況、生産、設備投資などの地域ごとの経済動向を把握するために四半期ごとにヒアリング調査等を実施し、その結果を集約・分析しているものです。

  • 調査期間:8月28日~9月27日

  • 調査対象企業数:764社

2.全体総括

一部に弱い動きがみられるものの、緩やかに改善している(→)
生産は、輸送機械が底堅く推移していますが、他方で、海外経済減速の影響等により、電子部品・デバイスはスマートフォン等で一部底入れ感もみられるものの本格的な需要回復には未だ至らず、生産用機械は工作機械等で弱含みとなっています。設備投資は、生産能力増強や人材不足解消のための省人化投資等で増加傾向が続いています。雇用は、有効求人倍率が高水準で推移しています。個人消費は、天候不順の影響等により、一部に弱い動きがみられるものの、高額品は引き続き好調です。

3.各地域の概要

【北海道】 緩やかに持ち直している(→)
生産は、パルプ・紙・紙加工品の生産体制の見直し等により、弱い動きとなっています。個人消費は、一進一退となっています。観光は、日韓関係の影響によるインバウンドの減少等、一部に弱い動きとなっています。

【東北】 一部に持ち直しの動きがみられるものの、足踏み状態となっている(→)
生産は、電子部品・デバイスが弱含んでいるものの、輸送機械、生産用機械が底堅く、全体としては一進一退となっています。個人消費は、自動車や高額品に動きがみられましたが、全体としては足踏み状態となっています。

【関東】 緩やかに改善している(→)
生産は、引き続き国際情勢の影響等から電子部品・デバイスや工作機械を中心にこのところ弱含んでいます。雇用情勢は着実に改善する一方で、人手不足が継続しています。個人消費は、業態間の差異を伴いつつも緩やかに持ち直しています。

【東海】 改善している(→)
生産は、電子部品・デバイスは低水準となっているものの、主力の輸送機械が高水準で推移しています。個人消費は、コンビニエンスストア、ドラッグストアなどが堅調であることから、緩やかに持ち直しています。

【北陸】 一部に弱い動きがみられるものの、改善している(→)
生産は、電子部品・デバイスで弱い動きがみられるものの、化学や生産用機械を中心に高水準で推移しています。個人消費は、スーパー、ドラッグストアなど新店効果もあって良い動きがみられ、持ち直しています。

【近畿】 緩やかに改善している(→)
生産は、緩やかな持ちの直しの動きに一服感がみられます。個人消費は、インバウンドが好調を維持し、国内も高額品が堅調で、緩やかに改善しています。

【中国】 持ち直しの動きに足踏み感がみられる(↘)
生産は、自動車の輸出減や電子部品・デバイスの一部に需要減がみられ、足踏みをしています。個人消費は、天候不順などの影響もあり、持ち直しの動きに足踏み感がみられます。

【四国】 持ち直しの動きに足踏み感がみられる(→)
生産は、電気機械等で一部に弱い動きがみられるなど弱含みで推移しています。個人消費は、持ち直しの動きとなっています。

【九州】 横ばいとなっている(→)
生産は、スマートフォン用半導体が増加する一方で、汎用・生産用・業務用機械や素材関連等の一部で弱含んでいます。個人消費は、天候要因で苦戦しつつも、全体としては横ばいとなっています。

【沖縄】 改善が続いている(→)
雇用情勢は有効求人倍率が安定的に推移し、個人消費は百貨店・スーパー、ドラッグストアが堅調であり、改善が続いています。
※前回調査時の景況判断と比較して、上方に変更の場合は「↗」、変更がない場合は「→」、下方に変更の場合は「↘」としています。

関連資料

担当

地域経済産業グループ
地域経済産業調査室長 関口
担当者:福島、美留町

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