英国のEU離脱

【NHK 山本記者】英国のEU離脱に関して伺います。昨日,EUと英国が,英国の離脱をめぐる協議で合意をしました。今後は英国議会で承認されるかが焦点となってきますけれども,大臣のこれに関する受け止めと,今後の展開に期待されることがあればお願いします。

【茂木外務大臣】日本政府としては,英国のEU離脱について,合意なき離脱の回避を含めて,日系企業の経済活動や世界経済の影響が最小限となるよう,英EU,双方に繰り返し要請をし,大きな関心を持って注視をしてきたところでありまして,今回,英EU当局間で合意された新たな合意案が欧州理事会で承認された,このことをまず歓迎したいと思っております。
 新たな合意案につきましては,今後,英国そしてEU,双方の議会で承認されると,必要な国内手続を経る必要もあるとは承知をしておりまして,引き続き関連動向を注視していくとともに,日系企業等に対します情報提供を含め,必要な対応を行っていきたいと思っております。

日韓関係(李洛淵(イ・ナギョン)首相の訪日)

【朝日新聞 楢崎記者】日韓関係について伺いたいんですが,即位礼正殿の儀に合わせて訪日する韓国の李洛淵首相が,朝日新聞などの取材に,安倍首相との会談で親書を持参する可能性に言及されました。悪化した日韓関係を打開したい思いがあるようなんですけれども,受け止めをお願いします。

【茂木外務大臣】李洛淵首相が来日をされる,こういう予定でありますが,日程であったりとかその他のことは調整中,このように承知をいたしております。

ワシントンD. C. 近郊に慰安婦像が設置される報道

【朝日新聞 楢崎記者】話は変わるのですが,韓国系の米国人らで作る市民団体が,現地時間の昨日,ワシントン近郊の私有地に慰安婦像を,慰安婦を象徴する少女像を設置するというようなことを発表しているんですけれども,ご所感をお願いします。

【茂木外務大臣】そのような像が仮に設置することになりましたら,我が国の立場やこれまでの取組と相容れない,極めて残念なことだと考えております。いずれにせよ政府としては,慰安婦問題についての政府の考え方やこれまでの取組を,様々な形で国際社会に対して説明してきており,そうした努力を引き続き行っていきたいと考えております。

外交青書の外国語版

【共同通信 高尾記者】昨日,外交青書の2019のうち,外交青書のフランス語版とスペイン語版が外務省のホームページで掲載されました。英語以外の翻訳は初めてということなんですけれども,どういう狙いがあるのか教えていただきたいのと,また,英語,フランス語,スペイン語以外の言語についても,翻訳版の掲載は検討されるお考えはあるのでしょうか。あわせてお聞かせください。

【茂木外務大臣】国際社会に対して,日本の外交姿勢であったりとか取組を幅広く発信をしていく,こういう意味からできるだけ多くの言語での発信を行っていく,こういったことは重要でありまして,一般的に様々なものでも,英語,その後,フランス語,スペイン語と,これは多いんではないかなと思っております。じゃあ,どこまでの言語をやっていくかというと,世界には膨大な数の言語があるわけでありまして,それは費用対効果といいますか,そういった中で考えていきたいと思いますが,より多くの言語で,日本の様々な取組について紹介できるのは良いことだと思っています。

森外務審議官のイラン訪問

【朝日新聞 竹下記者】イランの関係でお尋ねします。森外務審議官がテヘランを訪問しまして,アラグチ次官やザリーフ外相と面会されたということなんですけれど,11月上旬のイランの核合意破りの期限を控えたタイミングですけれども,このタイミングで森外審をイランに派遣した狙いと,また,協議の成果についてお伺いします。

【茂木外務大臣】森外審,イランにおきましてザリーフ外相への表敬,そしてアラグチ外務次官との会談を行いまして,先月の国連総会の際のイランとの首脳会談,そして外相会談のフォローアップを行うとともに,地域の緊張緩和と情勢の安定化に向けた意見交換,これを行ってきたところであります。やりとりの詳細につきましては,相手側との関係もありますので,これ以上は控えさせていただきたいと思います。

ローマ法王の訪日

【朝日新聞 楢崎記者】ローマ法王の来日について伺います。11月下旬に法王が来日されますけれども,政府として今回の訪日に期待されるのはどのようなことでしょうか。

【茂木外務大臣】11月23日から26日まで,ローマ法王・フランシスコ台下が,安倍総理及び日本カトリック司教協議会の招請によりまして訪日し,東京,長崎,広島を訪問する予定であります。ローマ法王の訪日,1981年のヨハネ・パウロ2世の訪日以来2回目ということで,ほぼ30年ぶりということになるわけでありますが,今回の法王の訪日を機に,日本とバチカン双方が更に理解を深め,二国間関係を一層強化することを期待いたしております。
 更に,国際平和を希求するローマ法王が被爆地であります長崎と広島を訪問するということは,国際社会に被爆の実相に関する正確な情報発信を行う上で重要な機会だと,このようにとらえております。