1. 1 10月17日(現地時間同日),グレナダの首都セントジョージズにおいて,我が方平山達夫駐グレナダ大使(トリニダード・トバゴにて兼轄)と,先方ピーター・デービッド外務・労働大臣(The Honourable Peter David, Minister of Foreign Affairs and Labour)との間で,2億円を供与額とするグレナダの水産業発展のための無償資金協力(経済社会開発計画)に関する書簡の交換が行われました。

    2 グレナダは小島嶼開発途上国(SIDS)であり,経済は観光業及び伝統的産品であるナツメグ,カカオ等主体の農業に依存しており,小島嶼国であるが故の自然災害や気候変動などの外的要因に影響されやすい脆弱性への対応が大きな課題となっています。現在同国政府は,「国家農業計画(2015-30)」を策定し,経済成長,雇用創出,貧困削減及び農水産業の振興を目標に,水産業の振興を含む経済の多角化に取り組んでいます。近年では,政府等の漁業訓練の成果により,漁獲量及び輸出量が増加傾向にありますが,生産拠点となる水産施設において製氷機や加工機材等が老朽化しており,その更新が必要とされています。

    3 この協力は,我が国で製造された水産関連機材(製氷機設備,魚類裁割機等)を供与することにより,同国水産業の持続的な発展を図り,もって社会の安定化を通じた同国の経済社会開発に寄与するものです。この協力により,同国水産業従事者約1万1,000人(労働人口の約18%)が裨益し,同国水産業の振興が後押しされることが期待されます。

    4 また,我が国は,2014年に安倍晋三内閣総理大臣が日・カリコム首脳会合で表明した「日本の対カリコム政策(PDF)別ウィンドウで開く」の第一の柱として「小島嶼国特有の脆弱性克服を含む持続的な発展に向けた協力」を着実に実施しています。その一環であるこの協力により,経済社会開発を支援することのみならず,供与される日本製の機材・製品等に対する認知度の向上を図り,継続的な需要を創出し,日本企業の海外展開に貢献することも期待されます。

    [参考]グレナダ基礎データ
     グレナダは,面積約340平方キロメートル(五島列島の福江島とほぼ同じ)。人口約11.1万人(2018年,世界銀行)。1人当たり国民総所得(GNI)は9,780米ドル(2018年,世界銀行)。