2019年10月17日

我が国の石油化学産業をとりまく情勢が変化する中、国内外の石油化学製品の需給動向に関して的確な調査・分析を行い、企業経営や政策等の検討につなげていくため、このたび世界の石油化学製品の今後の需給動向に関する研究会において、エチレン系・プロピレン系誘導品及び芳香族製品等の石油化学製品について、2010年~2017年までの世界の需給動向及び、2018年~2023年までの世界の需給(需要、生産能力、生産量)予測を取りまとめました。

1.世界全体の石油化学製品需要の実績(2017年)及び見通し(2018年~2023年)

  1. 2017年の世界のエチレン系誘導品の需要実績(エチレン換算)は、原油や石油製品の価格が変動している状況の中、前年比5.4%と堅調に推移し、149.7百万トンとなりました。

  2. 2018年~2023年の需要見通し(エチレン換算)は、2023年には世界全体の需要量が182.5百万トン(2017年比で32.8百万トン増)に達し、2018年~2023年の需要の年平均成長率は3.2%となる見通しです。

2.地域別の特徴

  1. アジアの石油化学製品需要(エチレン換算)は、2018~2023年の年平均成長率は4.0%でアジア全体としての需要拡大傾向は継続し、世界の総需要に占める割合は、2018年から50%を超え、2023年には51.9%に達すると予測されます。

  2. 米国経済は先行き不透明感はあるものの個人消費の伸びを中心に好調を維持しており、大規模インフラ投資を受けた石油化学産業は需給とともに、足下は好調を維持している状況です。エチレン換算需要の2018~2023年の年平均成長率は1.8%となり、2010年~2017年までの年平均成長率2.3%から減少する見込みです。

  3. 中東諸国の石油化学産業は、川下展開による内需の取り込み、グローバル化、製品高付加価値化へ向かう動きが加速しています。世界の石油化学製品の供給基地としての位置づけは変わらず、石油化学製品需要の2018~2023年の年平均成長率は、エチレン換算需要は3.9%となる見通しです。

(注)ただし、調査結果は、研究会開催時点及び各種統計の発表時点の情報をもとに分析したものであり、その後の政情変化等により予測が異なる場合があります。

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