香港情勢

【テレビ東京 坂井田記者】香港情勢について伺います。今月1日に18歳の高校生が撃たれて,一時的に重態となりました。大臣は先般の会見で,関係者間の平和的な話合いを通じて事態が収拾されて,香港の安定が保たれることを強く期待しているとおっしゃっていましたが,更に強い自制をもとめていくお考えはないのでしょうか。

【茂木外務大臣】昨今の香港情勢については,デモ隊と警察との衝突によりまして,ご指摘の件も含めて多数の負傷者が出ていることは,たいへん憂慮しているところでございます。本件をめぐっては,自制と平和的な話合いを通じた解決を関係者に強く求めるとともに,事態が早期に収拾され,香港の安定が保たれることを強く期待をいたしております。先般の日中首脳会談においても,安倍総理大臣から引き続き一国二制度の下,自由で開かれた香港が繁栄していくことの重要性を指摘したところでありまして,引き続き高い関心を持って情勢を注視していきたい,こんなふうに考えております。

日露関係(共同経済活動)

【産経新聞 力武記者】日露関係でお聞きします。来週,共同経済活動のパイロット事業として観光ツアーが始まりますが,2016年からの協議を経ての事業実現となりますけれども,今後の平和条約交渉の進展に向けて期待されるところがあれば,お聞かせいただけますでしょうか。

【茂木外務大臣】共同経済活動,10月から始まるパイロット・プロジェクト,若干私(大臣),レビューはしたいなと思っています,個人的に。もう少しレビューはしたいなと思っていますが,こういったものを通じて両国間の交流がさらに深まって,また信頼関係が醸成される,こういったことは我が国にとって,今後領土問題を解決し平和条約を締結していく,こういう基本方針に沿ったものだと思っております。

米朝協議

【NHK 高島記者】米朝協議について伺います。現状職員などを派遣されて。

【茂木外務大臣】ちょっとごめんなさい,聞こえなかった。

【NHK 高島記者】米朝協議,実務協議についてお伺いしますが,現状,職員などを派遣されて情報されて,職員を派遣されて情報収集するお考えはありませんか。そして今後の結果の情報収集をどのような方法でやりたいとお考えですか。

【茂木外務大臣】日本としては,朝鮮半島の非核化実現に向けまして米朝プロセスを後押ししていく考えでありまして,今般の米朝実務者協議について注視をいたしております。この問題,日米間でこれまでも緊密に連携をしてきておりますが,今次の協議に当たってもしっかりと意思疎通を図っていく考えであります。

米国が沖縄に新型中距離弾道ミサイルを配備する計画

【インディペンデント・ウェブ・ジャーナル 平井記者】昨日,米国が沖縄に新型中距離弾道ミサイルを配備する計画があるというような報道がございました。それがもし核弾頭も搭載できるものであるならば,非核三原則,日米安保条約にも抵触する可能性がある重大な装備の変更になるのではないかとも思われるのですが,外務省としては,そのような事実があるかどうかを承知していらっしゃるのでしょうか。
 それからまた,それが事実であるならば,米国の対中国,対ロシア戦略の新たな戦略と思われるのですが,外務大臣としてはそのことに関してどのように考えていらっしゃるのでしょうか。

【茂木外務大臣】そのような事実はありません。

RCEP協議

【中国青年報 張記者】RCEPの協議の進捗状況について,現時点ではなかなか集大成の成果が見えないようですけれども,その要因はいかがでしょうか。そして年内には日本側がリーダーシップを発揮し,どのように交渉を前進させていくのでしょうか。
 2点目,EU離脱の課題を受けて,英国側もCPTTPに参加したいという報道もございましたが,日本側としては,将来CPTTPの拡大についての基本的な立場,あるいは方針はいかがしょうか。以上2点,お差し支えのないところをお聞かせください。

【茂木外務大臣】RCEPについては,年内の妥結に向けて,物品貿易・サービス貿易・投資に係わる市場アクセス交渉及び各分野のテキスト交渉が,いま精力的に行われていると承知をいたしております。我が国は安倍総理ご自身も含めて,関係各国に対して協力を呼びかけ,RCEP交渉をリードしているところでありまして。我が国としてはTPP11や日EU・EPAで妥結した経験を生かしながら,質の高い協定の年内妥結を目指して,引き続きイニシアチブを発揮していく考えであります。
 ご案内のとおり,RCEPの場合,16か国が参加をする。そしておそらくTPP11と比べても,発展の度合いであったりとか,市場開放,さらには国内の制度に違いがある国,これをまとめていくということで様々な課題というのがあるわけですが,一定の進展を見ているな,こんなふうに思っているところであります。
 私(大臣)も先日,国連総会の際のインドとの外相会談におきましては,このRCEPについてインドも含めてそれぞれの国が柔軟性を発揮する,こういったことがきわめて重要である,こういうお話をさせていただいたところであります。
 それからTPP11,これは世界的に保護主義が台頭する中で,自由で公正な21世紀型の新しいルールを確立するとともに,このTPP11によりまして,人口5億人,GDP10兆ドルの巨大な一つの経済圏,これが誕生するわけであります。このハイスタンダードでそしてバランスのとれた21世紀型の新たな共通ルールを世界に広めていく。このことがTPP参加国の共通の思い,認識であるわけでありまして,我が国としては,TPPが定めるハイスタンダード,これを満たす意思,意欲がある国,これについてはいかなる国,地域についても,TPP11への参加を歓迎する。英国についても同じ考え方であります。

中東情勢

【パンオリエント誌 アズハリ記者】
(以下は英語にて発言)

 イラン及び湾岸地域の状況について伺います。総理や大臣ご自身の発言から,日本は現在,サウジアラムコの石油施設に対する攻撃は,イエメンの反政府勢力であるホーシー派だけが行ったのではなく,他にも攻撃者がいる可能性があると考えているものと承知しますが,このことはこの問題に関する日本の立場を変えうると考えます。この点について,詳細にお話しいただけますでしょうか。また,日本が緩和しようとしている,イラン,米国,サウジアラビアの間の緊張状態に関して,現在の中東情勢をどのように見ていらっしゃるでしょうか。

【茂木外務大臣】ホーシー派の能力に鑑みれば,本件攻撃がホーシー派によってなし得るものと考えることは困難であると,そのように思っておりますが,本件事案の評価については,情報収集・分析も含めて進めているところであります。この個別の今回の攻撃の問題と日本が中東情勢の安定化に向けて取り組む,中東地域の緊張緩和,情勢の安定化に向けて取り組む姿勢には,この件によって全く変わるということではないと思っております。
 今回の事案を受けてもそうでありますが,中東情勢の安定化というのは石油の安定供給の観点からも重要であります。そして,日本は米国と同盟関係にあると。そしてまた,中東地域とは長い間,友好関係にある。こういった日本ならではの立場,こういったものを考えながら日本として取り得る対応,そしてまた,外交努力,こういったものを続けていきたいと思っています。

北朝鮮の弾道ミサイル

【朝日新聞 太田記者】北朝鮮の弾道ミサイルの話なんですけれども,国連安全保障理事会で,イギリス,フランス,ドイツが協議を要請したんですけれども,これについての受け止めを教えてください。

【茂木外務大臣】2日のですね,北朝鮮によリます弾道ミサイルの発射,これは関連する安保理決議に違反するものでありまして,まず極めて遺憾であると,北朝鮮に対しては,厳重に抗議をして強く非難をしたところであります。
 外務省としては発射直後から,米国及び韓国と緊密な連携を確認し,情報の収集・分析に全力をあげております。さらに,国連安保理理事国であります,英仏独と緊密に連携して対応している,こういう情勢でありまして,我が国としては,北朝鮮,半島の非核化に向けて,日米,日米韓で緊密に連携し,更には中露を始めとする国際社会と協力をしていきたいと,こんなふうに思っております。

米国の新たな地上発射型中距離ミサイル

【インディペンデント・ウェブ・ジャーナル 山内記者】先ほどの中距離弾道ミサイルの話なんですけれども,琉球新報の取材によりますと,ロシア大統領府関係者が米政府関係者に伝えられたと言っております。もし,今後,そのような協議が日本政府にあった場合に国民に,広く,知らせることが責務と考えますが,いかがお考えでしょうか。

【茂木外務大臣】米国が開発する新たな地上発射型中距離ミサイルは,核弾頭ではなく,あくまでも,通常弾頭想定する旨,これは既に発表しているところだと思っております。