1. 1 9月30日(ジュネーブ現地時間同日),世界貿易機関(WTO)紛争解決手続に基づき我が国が韓国に対して申立てを行っていた紛争案件「韓国による日本製空気圧伝送用バルブに対するダンピング防止措置」に関して,WTOは,紛争解決機関(DSB)会合を開催し,同会合において,上級委員会報告書及び上級委員会によって一部訂正されたパネル報告書が採択されました。

    2 これにより,韓国のダンピング防止課税措置がWTO協定に非整合的であるとして措置の是正を勧告する判断が確定しました。我が国は,韓国に対し,改めてWTO協定に非整合的な措置の誠実かつ速やかな是正を求めていきます。

    [参考]
    (1)韓国は,日本製空気圧伝送用バルブのダンピングによって韓国の国内産業が実質的な損害を受けているとして,平成27年8月から,これに対するダンピング防止課税を開始(当該日から当初5年間)。同課税に係る措置がWTO協定上の義務に違反しているおそれがあるため,平成28年3月,我が国から韓国に対しWTO紛争解決手続に基づく協議を要請,同年4月,協議を実施。

    (2)平成28年6月,我が国は,WTOにパネル設置要請を行い,翌7月にパネル設置。平成30年4月12日,パネル報告書公表。同報告書は,我が国の主張を認め,韓国のダンピング防止課税措置は,WTO協定に非整合的であるとし,措置の是正を勧告。

    (3)パネルでは一部論点について我が国の主張が認められなかったことから,平成30年5月,我が国は上級委員会に上訴を申し立て。同年6月,韓国も上訴。令和元年9月10日,上級委員会報告書公表。同報告書は,パネル報告書に引き続き我が国の主張を認め,韓国のダンピング防止課税措置は,WTO協定に非整合的であるとし,措置の是正を勧告。

    (4)WTO紛争解決機関(DSB)の会合において上級委員会報告書が採択されると,DSBの勧告として確定(上級委員会報告書に関する更なる申立てはできない。)。