2019年9月27日(金曜日)
10時33分~10時46分
於:記者会見室

質疑応答

日米貿易協定交渉

Q: 幹事社から3問お願いしたいと思います。
一つ目は、日米の貿易協定が首脳間で合意されまして、日本車に対する追加関税も当面回避できる見通しとなりました。一方、米国は来年にも残された非関税障壁、投資サービス分野などについて、第2弾の交渉を求める構えも執っています。
今回の合意の評価と次の交渉に至った場合、どのような課題があるのか、お聞かせください。

A: まず、1問目でございます。
米国の時間の25日に開催されました日米首脳会談におきまして、両首脳が日米貿易協定及び日米デジタル貿易協定について、最終合意に達したことを確認をいたしたようであります。
協定そのものにつきまして、今後法的な法制局の審査を経て、その後国会での御承認をいただくように努めまいるわけでございます。そして、その後協定の発効ということになるわけでございますが、こうした中で日米の貿易協定というものは、世界のGDPの約3割を占める日米両国の2国間の貿易を、強力かつ安定的に互恵的な形で拡大をするものであります。保護主義的な、グローバルサプライチェーンをゆがめるような措置を、幅広く排除した点、大きな意義があったと思います。また、我が国の産業界にとっても、日米の貿易を安定的に発展させる上で評価を頂くものというふうに理解をしております。
また、日米デジタル貿易協定は、この分野での高い水準のルールを示すものでありまして、日米両国が引き続きデジタル貿易に関する世界的に指導的な役割を果たしていくというふうに捉えております。
最後になりますが、次の段階の交渉のお尋ねがございましたが、まずは協定発効後に申し上げたとおり、日米間で協議を進めることになるわけです。あくまでも相手がある話でありますし、今から予断はできないわけでございますが、日米双方の利益となるよう、また利益にかなうよう、交渉の対象分野も含めて、一定期間の中でしっかりと議論していきたい、こういうふうに思っています。
以上です。

台風15号による停電

Q: 二つ目のということなのですが、千葉県での停電が長期化しまして、東京電力が公表した「おおむね復旧」という目安の27日になりました。現状をどのように評価されますか。

A: 当初、台風の直後に東京電力管内で90万軒以上の停電が発生し、千葉県内でおおむね60万戸ということでありました。
お話があった9月13日に27日までおおむねというようなお話を東京電力が申し上げたわけであります。当時、そのときは約20万軒停電がまだ残っておりましたが、その後、今日までにおおむね復旧ということを今、報告を受けておりますが、正確には今日の夕方東京電力から発表があるものというふうに捉えております。
大規模な倒木ですとか、土砂崩れによって、復旧困難な箇所がいまだにございます。具体的には、高圧線の部分で23カ所、125軒、ポータブル電気ですとか電源車でそこはしっかり対応させていただいております。また、個別に御連絡いただいたりした中で、プッシュ型でのそういう対応をさせていただいております。
それから、高圧線が徐々に復旧になりまして、今度は低圧線、あるいは引込線ということになるわけですが、引込線の損傷が極めて甚大なものが今まだ残っておりまして、25日の朝までおおむね4,151軒の住民の皆様から要請、問い合わせがあったのですが、実際に現場に行きまして工事が必要なものは約600軒、そしてそれが昨日現在34軒、そして高圧線の工事復旧に伴って、低圧線の方に新たにまた要請があったのが37軒、合わせまして今日現在で71軒、そこはプッシュ型の対応でしっかりと発電機や、あるいは電気自動車などを使って充電をして、生活に支障がないように今、している状況でございます。

関西電力経営陣の資金受領

Q: 最後の質問になりますが、関西電力の八木会長ら関西の関係者6人が原発立地地域の福井県高浜町の関係者から1億8,000万円の資金を受け取っていたことが国税庁の調査で判明したと報じられています。
大臣の耳に入っているのか、受け止めと、仮に事実と確認された場合、経済産業省として何か御対応を検討されていますか。

A: 深夜(注1)から今朝に掛けて報道を見て、これがもし報道のとおり事実だとすれば、極めて言語道断の状況にあると思っております。極めてゆゆしき事態にあろうかと思います。
電力事業というのは、御案内のとおり、公益事業を担う、そういう極めて国民の生活に重要な事業であって、その電力会社のトップの問題であることが一つ、二つ目は関電という、いわば原子力の立地地域を抱えている会社であって、そういう意味では社会的責任がある企業の問題であること、そして今申し上げたとり、原子力の立地地域の信頼に関わる、こういうことを考えますと、極めて重要な事案であるというふうに捉えております。
早速、今朝事務方に関電を呼び出して、連絡を取って、しっかり事情聴取をするということを指示をいたしました。これは午前中に行われるものと思っております。
その上で、これは本当に事実ということが確認されたならば、まず事実関係を徹底解明いたしまして、経産省として厳正に処する、そういう考えを大臣として今持っています。

ジャパンディスプレイ

Q: ジャパンディスプレイについてなのですけれども、支援する予定だった中国系ファンドの嘉実が見送りを通知しまして、再建策が不透明化する可能性がありますけれども、INCJは既に多額の支援をしておりますけれども、政府の支援の余地については。

A: 昨日JDIが、中国のファンドが出資予定であったものが離脱をするということを通知を受けたということで、夕刻に開示いたしました。そのことは報告を受けて聞いております。実際問題、あくまでも相手とのさまざまな調整もこれから行われるやに聞いておりますので、まずは今、その状況を見守っていきたいということでございます。今の時点ではそういうことでございます。

キャッシュレス・消費者還元事業

Q: 来週からキャッシュレスのポイント還元がいよいよ始まりますけれども、今の段階で景気対策としての手応えといいますか、どういうふうに感じておられるのかということと、キャッシュレス化自体を進めていく意義を改めて教えてください。

A: まず、1点目のポイント還元事業につきまして、御案内のとおり現在加盟申請が73万件来ております。このうち10月1日から実際にスタートする加盟店が約50万件でございます。実際問題、この50万件からスタートして73万件申請をし、いざ始まると、これは段階的な見立てで申し上げますと、逆に申請者が増えてくるのではないか、それに対して経済産業省としてしっかりと加盟店を増やす、そうした審査や、あるいは調整や対応を図っていくということが一つであります。
そして、決済事業者も当初何件かなと思いましたら、約1,000社に及ぼうとしております。そして、その、いわゆるポイント事業によって、消費の落ち込みにならないように、消費税が上がって、それが人生100年時代の年金、医療、介護、子育て、福祉、こういったものに社会保障の財源として消費税が投じられ、そういう前提の中で、日本の経済、あるいは消費の落ち込みがないように、しっかり経済産業省としてしていく、これが省としての使命だと思っております。
それから、キャッシュレスという概念につきましては、アジアを見ましても中国が約70%、韓国が96%、アメリカも約50%、その他先進国を中心に、かなりのウエイトでキャッシュレスというものが進んでいます。
私もカフェなんかで300円ぐらい持ってコーヒーを買おうとすると、3人ぐらいの御高齢者の方がピッピッとプリペイドでコーヒーを買っている。そういう姿を見て、地域社会の中でもキャッシュレスというものが進んでいるのだなと、ましてや5%還元(注2)、いわゆる軽減税率、飲み物とか食べ物、生活必需品に関して8%で据え置くわけですが、そこにも5%の還元がされるということと、プレミアム商品券、またちょっと話が逸脱しますが、これも0、1、2歳のお子さんのいらっしゃる家庭や年金暮らしの低所得の方々に対してプレミアム商品券が、例えば2万円現金で払えば2万5,000円のお買物ができる、そういうことの総体的な、キャッシュレスと対策によって、景気の落ち込み、あるいは消費の落ち込みにならないように、経産省としては、そうした消費税対策をやっていく。そして、それがキャッシュレスという時代の要請に応えていく。
ましてや来年は2020オリンピックで、インバウンドが4,000万人を超える、あるいは4,500万人になる。こういう時代において、一歩でも外国の方がキャッシュレスの時代に来て、あら、日本でまだ使えないじゃないかということがないように、対策を講じていきたいと思っております。
以上です。

(注1)実際の発言は「昨日の夕方から今朝に掛けて」でしたが、実際には「深夜から今朝に掛けて」ですので、上記のとおり修正しました。

(注2)実際の発言は「5ポイント還元」でしたが、実際には「5%還元」ですので、上記のとおり修正しました。

以 上

最終更新日:2019年9月30日