1. 1 本30日(現地時間同日), ジブチ共和国の首都ジブチ市において,我が方米谷光司駐ジブチ大使と先方マハムッド・アリ・ユスフ・ジブチ共和国外務・国際協力大臣(H.E. Mr. Mahmoud Ali Youssouf, Minister for Foreign Affairs and International Cooperation of the Republic of Djibouti)との間で,供与限度額を40億8,100万円とする無償資金協力「タジュラ湾海上輸送能力強化計画」に関する書簡の交換が行われました。

    2 ジブチは,国内地域の開発促進や格差是正のための国内輸送網強化を重要戦略として物流網整備を進めており,特に北部のタジュラ市及びオボック市は人口増が予想される中,これらの都市と首都ジブチ市を結ぶ海上輸送需要の拡大が見込まれています。他方で,同都市間で運航されているフェリーは現時点で既に乗船率が高く,定員超過の場合もあることから,今後の需要増加への対応が課題となっています。また,強い季節風(ハムシン)が吹き,波の高い7月から9月は安全への配慮から現行のフェリーの欠航を余儀なくされることも多く,季節風が吹く時期においても安全に航行できる大型フェリーの整備や大型フェリーが接岸できるような港の整備が急務となっています。

    3 この協力は,タジュラ市及びジブチ市間の海上輸送能力向上のため,季節風が吹く時期においても運航可能な大型フェリーの整備及び港湾施設の整備を行うことにより,ジブチの持続可能な発展のための経済社会基盤整備に寄与するものです。この協力を通じて,2024年(事業完成3年後)には,タジュラ市・ジブチ市間の定期運行による年間輸送乗客数が47,193人から104,000人に増加し,年間欠航回数が71回から10回に減少することが見込まれます。

    4 我が国は,2019年8月に開催した第7回アフリカ開発会議(TICAD7)において,「質の高いインフラ投資に関するG20原則」を踏まえた質の高いインフラ投資の推進を表明(PDF)別ウィンドウで開くしており,この協力は同表明を具体化するとともに,域内の連結性向上を通じて自由で開かれたインド太平洋の実現に寄与するものです。

    [参考]ジブチ共和国基礎データ
     ジブチ共和国の面積は約23,200平方キロメートル(四国の約1.3倍),人口は約96万人(2017年,世界銀行),一人当たり国民総所得(GNI)は約1,880米ドル(2017年,世界銀行)。