日時 令和元年9月20日(金曜日)11時16分~11時32分 於:本省会見室
主な質疑事項
  • 豚コレラに対する今後の対応について
  • 日米貿易交渉について
  • 諫早湾干拓地への大臣の出張について

記者

 豚コレラについてなんですけれども、豚へのワクチン接種の検討状況について、まず教えてください。

大臣

 皆様方には御承知いただいているとおりですね、先週の土曜日から連日、対策本部を開きまして、昨日もやりましたし、その過程におきましてですね、今回はいわゆる消費・安全局が担当部局ですけれども、生産局、それから畜産部、そういったところだけではなくてですね、次官と相談の上、全省をあげて議論をしようということで、例えば水産庁長官とか、林野庁長官とかですね、すべての幹部の方々と議論を重ねて、決して私がですね、「こうだ」ということで押し付けたわけではなくてですね、様々な意見を出し合った上でですね、皆様方にお話ができるような段階に近づきつつあるというところだと御理解いただければと思います。その間には多くの都道府県の方々や、獣医の方々や、団体の方々、生産者の方々、たくさんの方々も大臣室にお越しいただき、意見を聞かせていただきました。ですから今の段階ではですね、今日も私の出身党である自民党ですね、それから公明党さんも、それから共産党さんも大臣室をおたずねいただいて、党としての要請文を私に手渡したいという御要望をいただいております。今日も複数の知事、それから市長さん、お越しになります。そういうことでありますから、多分ですね、15時手前ぐらいに、対策本部をもう一回開いて、そこで最終的なとりまとめを行った上で、大変記者の皆様方には御苦労をかけますが、もう一度会見を開かせていただいて、その時にはですね、皆様方の御質問に対しましても丁寧にお答えしたいと思っておりますので、よろしくお願いします。

記者

 現段階ではワクチン接種の方針等については、まだ。

大臣

 そのことについては後ほどお答えさせていただきます。先ほど申し上げましたように、省内で皆で議論をして、力を合わせてこの苦しい状況をなんとか打破しようとやってきたわけですから、本部を開いてですね、じゃあこれでいこうと、みんなこれでいいね、じゃあこれで発表しようというところにはまだ至っていないということであります。

記者

 正式な発表はいつ頃、夕方頃ですか。

大臣

 今、申し上げたようにですね、最後の会議が15時ぐらい、いろんな日程でずれるかもしれませんが、それが終了次第ですね、またこの場で会見をさせていただければ、御議論いただければと思っております。

記者

 豚コレラの関係で1点だけ。今回の一連の問題をめぐっては、そもそも家畜伝染病予防法に野生動物の移動に関する規定がないであったり、あるいはワクチンについても予防的なものなのか、それともまん延防止のためなのか、そういったことで国と地方の役割分担みたいなものが違うという、いろいろな問題が今、法律上あぶりだされている現状ではないかと思っております。この法律の問題について大臣の見解とですね、それからアフリカ豚コレラ等の問題がある中で、必要とあれば臨時国会、通常国会、そういった法改正の方向性についてどう考えておられるのかお伺いできればと思います。

大臣

 できれば後ほどお答えさせていただきたいと思います。その上で、今、申し上げられることはですね、確かに我々も予想していなかった事態に直面している。しかし、その事態のもとで1年以上が経過し、13万頭以上の貴重な命をですね、食に供することなく、殺処分してしまった、このことについては、農林水産省として、大いに責任を感じております。それに至った経緯の中でですね、法的に見直さなくてはならない点もあることも重々承知をしております。防疫指針しかり、それからですね、衛生管理基準しかり、あらゆるものをですね、もう一度検討したいと思っておりますが、これは農林水産省とかですね、私だけでできるものではなく、外部有識者の方々の御意見等も、それから学識を持った方、現場で働いている方々、そういった方々の御意見を十分承ったうえで、聞かなければなりませんので、皆様方にしてみたら、動きが遅いとか、御批判もあろうかと思いますが、一度直せばそれはまた、次の世代にキャリーオーバーしていくこともありますから、そこはしっかり議論を尽してやりたい。

報道官

 ほかにありませんでしょうか。

記者

 自民党や公明党、あるいは都道府県知事の方々が要請に来られていますが、基本的にこれはワクチン接種の要請に再度お越しになるという理解でよろしいでしょうか。

大臣

 それは私はもう行政の中に入った人間でありますので、どのような内容の要請をいただくかは、要請文をみなければわからないと、そういうことでございます。

記者

 最終的にワクチンを打つということであれば大臣の決断だと思うんですれども、そういった要請を踏まえた上で、要望を受け止めた上で。

大臣

 後ほどですね、まとめてお答えさせていただきたいと思うんですが、最終的にワクチン接種命令をするのは私ではありません。これは自治事務で、都道府県知事の権限のもとにおいて、行われることでありますから、そういう体制を整えるためにですね、これまで省内で議論を尽してきたというところまででございます。今の段階では。

記者

 大臣として決断することがあるとすれば、指針の改定であるとか、そういう今後の方針を示される。

大臣

 それを15時過ぎに言いますと。先ほども何度も言いましたように、もちろん、こっちに行こうということは私がリーダーシップをとらなければいけない話ですね。それは固い決意を持っていますよ。しかし、今回はですね、役所の諸君も言ってくれましたけれども、これまでいろんな課題を農林水産省は乗り越えてきたけれども、例えば一つの課題に対して、全職員が考えようというようなことはあまり経験がないんです。ですから皆さん方がカメラを回される第一特別会議室は、あそこは局長級の人たちが座られる部屋で、これまでの対策本部ではですね、後ろの補助椅子に座っている職員とか、ほんと私から見ると一番後ろに座っている若い職員とか、そういう諸君もですね、自分が言いたいことがあれば手を上げて言ってくれと、意見を言ってもらった上で今議論を重ねてますから、最終的には、農林水産省で、みんなこれでいこうというところに至るまではですね、私としては確定的なことは言いたくないし、言えないということです。

記者

 同じ豚コレラのワクチンについての質問なんですけれども、15時に会見を開くというのは、どういう方針が決まったとしても必ず開くと決めているということですか。

大臣

 決めています。15時かはわかりませんけれども、必ずやります。

記者

 ワクチンを打たないのに会見をするというようなことはあるんでしょうか。

大臣

 それは、もうちょっと辛抱してください。あと3時間半くらいですから。

記者

 それは、もったいぶるというか、言えない理由はどういうことでしょうか。

大臣

 大臣になったからといってですね、俺の言うことを聞けということではないんですよ。やはり、私よりも深い知見を持った諸君が農林水産省にはいますしね、それから学識経験者の方々もいますし、そしてこれまで努力をしてこられた吉川大臣の御意見も当然聞かなければなりませんし、それは大人としてやらなければいけない手順はちゃんと踏まないと、私は組織の中の人間ですから。じれったいと思われるかもしれませんが、そこは、勘弁してください。お願いします。

記者

 これまで大臣、会見では、ワクチンについて、しかるべき時に自身が決断されるというふうに仰っていたかと思うんですけど、先ほど質問もあったように、結局ワクチンを打つのは、都道府県知事の自治事務ということになると思うんですが、そのあたりは、どういうふうに整合性をとって説明されるんでしょうか。

大臣

 私が農林水産省の中にあってですね、制度、体制を整えなければ、知事がどんなにやりたいと、行いたいと言ってもできないわけですから、ですから知事の決断の前にですね、決断という言葉を使ったことが適当かどうかは若干悩みますが、私がすべきことはあるということであります。

記者

 それを整えていかれると。

大臣

 はい、そうです。

記者

 先ほど13万頭以上殺処分した責任を感じていると仰いましたが、これまでの農林水産省の対処にどんな点、まずかった点、課題があったというふうに考えていらっしゃいますでしょうか。

大臣

 私はその時、その時で最善の策を講じてこられたと思っています。私が1年前にですね、この職についていたとしても、やはり今の防疫指針に則って、そして、飼養衛生管理基準の徹底というものでですね、封じ込めを願ったと思います。そして防護柵の策定につきましてはですね、今話が進んできておりますし、前やってきていたことがまずかったという認識は少なくとも持ってはいません。しかし、13万頭以上の大切な命がですね、使命を全うすることができなかった、それは人間というものはなんと罪深いなと、申し訳ないと謙虚な気持ちで私が田舎に帰ったら、口蹄疫の碑に、時々寄ってですね、手を合わせるのと同じことだと理解していただければと思います。

記者

 諫早湾干拓事業のことなんですけれども、今週の閣議後会見でできれば今週中にも現地入りしたいと仰っていたんですけれども、現地入りの見通しはいかがでしょうか。

大臣

 これはですね、先方さん本当はですね、なるべく早くで来週中にお邪魔をしたいというふうに考えておりますんで、先方様にお話をさせていただいております。まず台風と豚コレラでなかなか役所を離れなれない、福島にもまだいけておりません。今日、官邸で福島の会議がありましたんで、非常に肩身の狭い思いを実は今日してきたばっかりです。ですから諫早にも早く行きたいんですけれども、来週もですね、まだ確定とは言えませんが、日米の話もですね、大きく動く可能性もこれありということであれば、農林水産大臣としてですね、その週に東京を離れることが適切であるかどうかは次官を含めてですね、相談しておきます。私の気持ちとしてはですね、できれば、休みの日でもだめなのかと思います。なかなか思うようにいかないのが現実ですみません。

記者

 三重県の鈴木英敬知事が、今朝の会見で農水省は豚コレラワクチンの地方からの要望を1か月以上前にアンケートをとったのに、都道府県になんのフィードバックもないと、これまでもそのアンケートの取り方でもあくまで各県のなかで封じ込められるのかどうかというような、本当に我が事と考えているのかと、国は我が事と考えていないじゃないかと、地方の発生県の中には国に対するかなり不信感もあります。この間、国と発生県とのコミュニケーションのあり方についてこれでよかったのかと、また、地方に対してはどのようなメッセージを送れるとお考えでしょうか。

大臣

 私はこの職についてまだ10日あまりでございまして、吉川大臣は私が尊敬する大先輩で、吉川大臣がですね、本当に胃に穴があくような思いをして苦しんでおられた姿を同じ自民党所属の、国会議員として、私は見てきましたので、そういう御批判は吉川大臣と共に私は分かち合いたいと思います。ですから、今後、そのような御批判を浴びることのないようにですね、本当に反省をして、襟を正して、これからまた何が起こるかわかりませんから、無いことを祈っておりますけれども、対応をしていきたい。答えになっておりませんけれども。そういう気持ちであります。

記者

 日米貿易交渉の報道で、牛肉輸入について低関税枠をTPPの枠を設けるという報道がありますけれども、従来のTPPの枠内に収まるということからちょっと変わってくるのかなと思うんですけれども、どうなんでしょうか。

大臣

 内容についてですね、非常に今、センシティブなタイミングです。私の認識としてはですね、今私に入っている情報が、そのまま最終的な合意内容になるとは思っておりません。アメリカが相手ですから。ですから今、皆さん方が持っている情報がですね、そのままそうなるとは思いませんし、今、私がそのことについて、予断を持って発言することがもしかしたら現場で交渉する職員に影響を与えるかもしれません。ですから地元の新聞がですね、特に宮崎は和牛の生産県だから、お聞きになりたい気持ちはよくわかりますが、申し訳ないんですが、もうちょっと時間が経ってからまた同じ質問をしていただければ。日本のためにお答えしないと今の段階ではですね、御理解いただければと思います。

報道官

 ほかよろしいでしょうか。以上で終了します。ありがとうございました。

大臣

 ありがとうございました。

以上