冒頭発言

茂木大臣の国連総会出席

【茂木外務大臣】9月22日(日曜日)から27日(金曜日)までニューヨークを訪問し,国連総会の機会に行われます安保理改革に関するG4外相会合,G7外相会合,開発のための革新的資金調達リーディング・グループ会合など,様々な国際会議に出席いたします。
 G20大阪サミットやTICAD7の成果も踏まえ,国際社会が直面するグローバルな課題に対する日本の考え方を,積極的に発信したいと思っております。
 また,この機会に,各国外相と積極的に会談し,しっかりと信頼関係を構築し,北朝鮮問題や中東情勢等,国際社会が抱える課題について,突っ込んだ意見交換を行いたいと思っております。

国連総会時における外相会談の予定

【毎日新聞 秋山記者】今のご発言に絡んでですけれども,今のところ,外相会談を想定されている相手国があれば教えていただけますか。それについてどういったことを話し合いたいか,お願いします。

【茂木外務大臣】今,全体的に調整中でありますが,米国,ロシア,イラン,インドを含む複数国との間で調整中ということになります。当然,米国との関係で言いますと日米同盟の深化,こういった話が出てまいります。ロシアとの関係では,日露の今後の関係であったり,共同プロジェクトの進展等の問題,イランにつきましては,当然中東情勢の話をさせていただくことになるかと思っております。そして,インドにつきましては,安保理改革に関するG4の外相会合等々の問題も,話すことになるのではないかと思います。

ラヴロフ外相との初会談

【産経新聞 力武記者】今もお話がありましたけれども,今,調整されている日露のラヴロフ外相との会談では,今回ラヴロフ外相と初顔合わせになると思いますが,平和条約交渉をめぐっては今のところ双方の基本的な立場の隔たりが大きい中で,この隔たりをどのようにして埋めていかれるか,そのお考えについてお聞かせいただけますでしょうか。

【茂木外務大臣】いずれにしても最初に会うわけですから,お互いがどんな考え方を持っているか,こういったことについて,率直に胸襟を開いて意見交換をするということになってくると思っています。初めて会うのですから,内容であったり,そこでどういう結論というか,議論になるかというのは,率直に言ってやってみなければ分かりません。

本日の日韓局長級協議

【NHK 渡辺記者】今日,今朝から,日本側の滝崎アジア大洋州局長と韓国の太平洋局長との協議が行われていますけれども,午前中の協議が終わったようなのですが,その中身について何か大臣のほうにご報告が入っているのか,あるいはまだ入っていないとしても,こうした協議にどういった期待をされているのか,そのへんを含めて大臣のお考えを聞きたいと思います。

【茂木外務大臣】まだ入っていません。午後に終わってからになると思いますが,聞くことになると思っています。韓国との間に問題を抱えているところでありまして,日本としては韓国が,今,国際法に違反している,こういった状態を一刻も早く是正してほしい,引き続き強く求めていきたいと思っておりますが,いずれにしても外務大臣同士,そして外交当局間の意思疎通,これは継続していく。この一環として,今日は局長級の協議が開かれています。

【NHK 渡辺記者】今の関連です。そうしますと,こうした担当の局長同士のこういった協議に対しては,大臣としてはどういった成果というか,期待していることとか。あとはニューヨークでの国連総会に向けて,日韓の外相会談もここで調整されているのかとか,その辺も含めて,どういうふうに日韓関係をこれをきっかけにもっていきたいのかというところもお願いします。

【茂木外務大臣】質問がすごく難しいのですけれども。例えば局長級でやる協議について,どういう成果を期待するか。例えば局長級をやる前に,私(大臣)と局長の間で入念に打ち合わせをして,じゃあこういう議論をしてこういう成果を出そうという会議は,ほとんど少ないと思います。ですから,私(大臣)に,局長協議でどういう成果を期待しているか,それはまさに局長に聞いていただいたほうがいいのではないか,そんなふうに思います。
 それから康京和(カン・ギョンファ)長官との会談については,現時点では決まってはおりません。

韓国のGSOMIAの破棄決定について

【共同通信 福田記者】韓国の関連でお伺いします。GSOMIAの破棄決定について米国は失望を表明していますが,ニューヨークでの日米の間の会談では,このGSOMIAの破棄決定について議題にあがる可能性はあるとお考えですか。

【茂木外務大臣】分かりませんが,先日のポンペオ長官との電話会談におきましても,今,北朝鮮情勢を含め,日米韓の連携といったものが重要な時に,安全保障関係の情報の共有等が損なわれる,こういったことがあってはならないという意識では,ポンペオ長官との間では完全に一致をいたしております。

【共同通信 福田記者】改めて,今回,確認する可能性は。

【茂木外務大臣】ちょっと,会談,どれくらいの時間になるかとか,それによってもいろんなテーマがありますから,その問題が出てくるかどうか,どういう優先順位でやるかとか出てきますので,今の段階で日米の外相会談,やると思いますけれど,いつやるか,今,日程を調整しているだけなので,あとはそれぞれが取れるスロットといいますか,それによってテーマも絞られてきますから,どこまでのことをやるかというのはやってみないと分かりません。

サウジアラビア石油施設に対する攻撃/日韓請求権協定

【インディペンデント ウェブ ジャーナル 濵本記者】二点,お伺いします。サウジアラビアの石油施設攻撃に関してですが,米国とサウジアラビアは証拠を明示しないまま,イラン犯行説を主張しています。サウジは日本の最大の石油輸入先ですが,日本はイランと独自の外交関係を築いています。今後,米国がイラン敵視を強めた場合,日本はどういう立場をとっていくのでしょうか。
 あともう一点。安倍政権は現在,韓国の徴用工裁判の判決に対し,1965年の日韓請求権協定で解決済みとの立場をとっておられます。しかし,1991年に外務省が国会で,個人の請求権自体は消滅することはないと,国際人権規約に基づいて答弁しています。これは安倍政権になって解釈を変えたということでしょうか。その場合,国内法より上位にある国際条約に反することになりますが,その点はどうお考えでしょうか。

【茂木外務大臣】まず,後者の方から申し上げますと,99年の国会答弁,それは国会答弁の前半の部分を言っているわけでありまして,仮にそうであるにしても,それは救済されない権利である,こういった明確な答弁をしている,このように考えておりますので,ご指摘は違っていると,こんなふうに思っております。
 それから,中東の問題でありますが,中東の平和と安定は国際社会全体の平和と安定にとって極めて重要でありまして,日本政府はサウジアラビアの石油施設に対する攻撃を強く非難をいたしております。私(大臣)も早速,外相談話を出させていただきました。本事案をめぐります動向を含め,引き続き,中東情勢,注視をしているところでありまして,我が国は引き続き,関係国と連携しつつ,中東地域の緊張緩和及び情勢の安定化に向けて外交努力を継続していく考えであります。答弁,よく読んだ方がいいよ。

国連総会時における日韓外相会談の予定

【東亜日報 キム記者】先ほど,韓国の康京和長官との会談が決まっていないとおっしゃったんですけれども,調整中ですか,あるいは想定されていないんですか。

【茂木外務大臣】決まってないということです。

国連総会時における日イラン外相会談

【共同通信 丹羽記者】先ほど,国連総会に合わせて,イランのザリーフ外相とも会談するとおっしゃったと思うんですけれども,具体的にどういったことを話し合って,今,この米・イランとの対立が深まっている中で,日本としてどういったメッセージを出したいというふうにお考えでしょうか。

【茂木外務大臣】中東情勢,そして,緊張が高まっている地域の情勢について,緊張の緩和及び情勢の安定化に向けた話し合いをしていくということになりますが,外交交渉ですから,相手もあることです。どういう話をするか,それは場合によっては今週から来週までこの状況が動くかもしれません。そういったことを踏まえながら会談に臨みますし,会談を行いましたら,どういう会談を行ったか,内容についてはご説明させていただきます。