令和元年9月13日(金)

 本日の閣議においては,法務省案件はありませんでした。
 私から2点,申し上げます。
 まずは,台風15号についてですが,千葉県を中心に,大変甚大な被害が出ています。お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りするとともに,千葉県内を中心にいまだ大規模な停電と断水が続いている状況であるということで,被災された皆様に心からお見舞い申し上げたいと思います。
 早速,法務省の関係する官署におきまして,被害状況の把握を指示しました。一部の官署におきましては,施設の損壊,停電,情報網の障害などが生じたほか,敷地外への倒木や,破損した屋根が敷地外に飛散するといった事案が生じていますが,おおむね業務の継続には大きな影響・支障は生じていません。
 具体例を申し上げますと,千葉刑務所では,一時的な停電はありましたが,現在は通常の電力が通っているという報告を受けています。市原刑務所の停電はなお続行中ですが,非常電源にて対応しているということです。
 1点御紹介したいのは,八街市にある八街少年院におきましては,地元自治体と連携した上で,被災された住民の皆様に対して,給水及び充電等の支援を行っています。引き続きこれからも,地方自治体と連携して,被災された方々に対して,法務省として,様々な施設・官署を有していますので,お役に立つことができればと考えています。
 もう1点は,今日の閣議において,法務副大臣として義家弘介さん,法務大臣政務官として宮﨑政久さんの人事が閣議決定されました。
 お二人とも,私は個人的に以前から,自民党の衆議院議員として,よく人となり,そして政治家としての能力についても存じ上げています。
 義家副大臣は,文部科学副大臣,文部科学大臣政務官として御活躍されまして,教育の分野に特に専門的な経験そして知見,国会議員になられる前からも,いわゆる「ヤンキー先生」としていろいろな発信をしていらっしゃいますので,是非,法務行政について,また新しい観点から風を吹き込んでいただいて,御専門について活かしていただきたいと期待しています。
 宮﨑政久法務大臣政務官,沖縄の御出身ということで,私も以前からよく存じ上げています。弁護士という御経験もありますし,様々な党内の取りまとめ,司法制度改革,法曹養成制度,いろいろな御意見が党内にもあるということは昨日の会見でも申し上げましたが,そういった様々な意見を,大変粘り強く集約して調整されたという印象を強く抱いていまして,宮﨑政務官をお迎えすることができることを,私自身,大変心強く感じています。
 三人力を合わせて,「三本の矢」ではありませんが,法務行政が直面する様々な課題に,一丸となって取り組んでまいりたいと考えています。

再犯防止に関する質疑について

【記者】
 大臣は,就任時記者会見において,「更生保護を考える議員の会」の幹事長としての知見等を活用し,再犯防止を更に充実させていきたいと述べられていましたが,今後,具体的にどのような考えで臨んでいくのかお聞かせください。

【大臣】
 私は,今回,入閣いたされた田中和德代議士が会長を務め,その下で,「更生保護を考える議員の会」の幹事長として,一緒に再犯防止を更に前進させるということで取り組んでまいりました。
 いくつかこれまでの議員連盟の活動の実績ということで御紹介させていただきますと,平成28年に成立いたしました再犯防止推進法,これは議員立法ということでありまして,議連の活動,様々な働き掛け,そういったものが実を結んだものだと考えています。
 その上で,今,推進計画をしっかりと実施しています。昨年度から,地域再犯防止推進モデル事業,これは広島県を含む36の地方公共団体に委託して,様々な社会復帰支援,各種事業を実施していますが,中でも一番重要なものは,一つは就労,働き場所の確保を支援するということ,そして,住居の確保,そしてまた,保健医療・福祉サービスの利用促進,学校等と連携した就学の支援,こういったことも大切だと思っています。
 近年,一般刑法犯の認知件数が激減しています。議員連盟として,先ほど申しました議員立法を含め,いろいろな活動を行ってきたことが,微力ですけれども,効果が表れつつあるのではないかと受け止めていますし,また同時に,認知件数が減る中で,検挙者に占める再犯者の割合が48.7パーセントという大変高い数字が続いていますので,再犯あるいはそれ以降の累犯,こういうものを減らすことができるように,今回こうやって法務大臣として政府に入りましたので,今後はこれまで以上にしっかり取り組んでまいりたいと考えています。
 ですから,特に注力していきたいのは,就労確保,住居の確保,そして就学の支援ということです。

新内閣における役割等に関する質疑について

【記者】
 先日,内閣改造が行われまして,新内閣が発足しましたが,大臣が名付けるとしたら,この度の内閣を何内閣と命名されるのか,またその内閣でどのような役割を果たしていきたいとお考えなのかをお聞かせください。

【大臣】
 命名は,急に言われてまだ考えていませんので,良い名前を考えてみたいと思います。内閣における役割ということでは,就任以来会見などで申し上げているとおり,国民の皆様の安心と安全,これを全力で守り抜く,それが法務省の存在する意義だと考えていますので,しっかりとその責任を果たしていきたいと思います。法務省といいますと,一般の方にはあまり,率直に言って,どういう仕事,役割を行っているかについて,御存じない方も私は多いのではないかと思っていますが,昨日申しましたように,もっともっと国民の皆様から親しまれる,そして温かい,そういった法務行政を職員の方と一緒になって一生懸命取り組んでいきたいと考えています。
 併せて,これまで外交関係の仕事をしてまいりましたので,司法外交,例えば,途上国の法制度整備支援,これをずいぶん前からこの役所も取り組んでいますが,対象とする国について,相手国の受入れや調整というのはもちろん重要ですが,政府全体,内閣全体の戦略的な見地というものもこれから考えていくべきではないかと考えています。
 それから,来年4月の京都における国際連合の大きな会議がございます。これについてもしっかりと成功させることができるよう,万全の対策を執っていかなければならない,そう思いますし,昨日申し上げましたが,G7の法務大臣・司法大臣会議というものが,2009年が最後の開催だったということで,それから10年が過ぎ去りました。是非,法の支配,自由・平等,公正・公平,そして人権の尊重という,我々自由主義陣営の国家群が等しく共有しているこういった普遍的な価値を閣僚が集まってしっかりと話をし,そして共通認識を持ち,また,世界に向かって発信をしていくということは大変重要なことだと考えていますので,今後の研究課題の一つとして取り組んでいきたいと存じます。聞きますと,日米の法務・司法大臣,長官の会議体というものが常設としては今ないということですので,そういったことを作ることもこれから取り組んでまいりたいと思っています。
 内閣のネーミングについては,次回の会見ではもう遅いと思いますが,頑張って考えたいと思います。

台風被害に関する質疑について

【記者】
 冒頭お話のあった台風被害の関係なのですが,もしお分かりであれば,市原刑務所のように現在も停電が続行している官署が他にもあるのかということと,もう1点,八街少年院の取組,今後も継続,あるいは,必要であれば新しくするお考えなどがあればお願いします。

【大臣】
 御承知のとおり,法務省が抱えている官署というのは,数がたくさんありますので,その一つ一つの状況を役所において把握をしていますが,停電について,他にどこか止まっているかということについては,後ほど役所の担当者にお尋ねをいただきたいと思います。
 二つ目の御質問は,先ほども言いましたが,国民の皆様に親しまれる法務省ということもこれから目指していかなければなりません。私自身,昨年,西日本豪雨災害,広島県は最も多くの犠牲者を生んでしまいました。5年前,8月20日では77名が犠牲になられました。あの方々は全て私の選挙区にお住まいの方々でしたので,この災害対応というのは私自身大変重要であると考えています。今回こうして法務省に入ることができましたので,法務省が持っている能力,そして資源というものをこういった危機のときにしっかりと活用していくという発想,視点,観点を,これまで以上に作り上げていくことができるように,しっかりとこれから指示をしていきたいと考えています。

(以上)