1. 1 本18日(現地時間同日),スリランカ民主社会主義共和国のコロンボ市において,我が方杉山明駐スリランカ大使と先方ムハンマド・ナシリ・ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国連機関(UN Women)アジア太平洋地域事務所長(Mr. Mohammad Naciri, Regional Director, Regional Office for Asia and the Pacific of UN Women)との間で,供与額2.18億円の無償資金協力「スリランカにおける女性・平和・安全保障アジェンダ実施計画(G7女性・平和・安全保障パートナーシップ・イニシアティブ)(UN連携/UN Women実施)」に関する書簡の交換が行われました。

    2 スリランカでは,2009年に国内紛争が終結した後,国民和解に向けた取組が進められていますが,民族及び宗教の違い等に起因して調整は難航しています。このような状況の中,ジェンダーに基づく暴力からの保護等に係る女性への支援が十分に行われてきませんでした。また,紛争後の和平合意の過程で女性支援のニーズが軽視され,女性の貧困化が進み,脆弱性の高い状態が継続しています。スリランカの包摂的な成長及び平和定着のため,これらの状況の改善が必要とされています。

    3 この協力では,研修や対話の実施により,スリランカ国民約6,000人に対して女性の地位に係る理解を改善するとともに,モデル地域での職業訓練の実施によりスリランカ人女性約500人の起業・就業を支援する他,女性のエンパワーメントに係るスリランカ政府の政策立案能力の強化等を実施します。この協力により,スリランカにおける女性のエンパワーメントの実現に寄与することが期待されます。

    4 我が国は,G7女性・平和・安全保障パートナーシップ・イニシアティブの下でスリランカをパートナー国としており,この協力は同イニシアティブの一環として実施するものです。

    [参考1]スリランカ民主社会主義共和国基礎データ
     スリランカ民主社会主義共和国は,面積6.6万平方キロメートル(日本の約6分の1の大きさ),人口約2,167万人(2018年,世界銀行),1人当たり国民総所得(GNI)は4,060ドル(2018年,世界銀行)。

    [参考2]G7女性・平和・安全保障イニシアティブ(PDF)別ウィンドウで開く

    (1)G7外相会合において立ち上げることとなった,平和・安全保障分野におけるジェンダー平等及び女性のエンパワーメント(女性・平和・安全保障アジェンダ)の推進をG7以外の国において加速させるイニシアティブ。

    (2)G7各国が,支援を必要とする脆弱国・紛争被災国を「パートナー国」に選び,当該国の「リード国」として支援に取り組んでいくとされる。日本は,スリランカをパートナー国としている。