田中復興大臣就任記者会見録(令和元年9月11日(水)22:32~22:46 於)復興庁会見室)

1.発言要旨
 こんばんは。お疲れさまでございます。
 改めまして、このたび復興大臣及び福島原発事故再生総括担当大臣を命ぜられました、衆議院議員の田中和德でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 先ほど、官邸での記者会見において申し上げたとおり、今後、復興大臣として、一刻も早い被災地の復興のために、被災地の声を伺いながら全力で取り組んでまいりたいと思います。
 明日、12日木曜日に福島県庁、宮城県庁を訪問し、内堀知事、村井知事に就任御挨拶をさせていただく予定です。
 また、13日金曜日には岩手県庁を訪問し、達増知事への就任挨拶を行う予定でございます。
 現場主義ということで、地元の皆様方の御意向に沿って一生懸命努力をして、復旧・復興をなし遂げてまいりたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 きょう、総理が内閣の姿勢として、全大臣が復興大臣になった気持ちを持って事に当たれということを、一番最初の項目としてお話になられました。まさしく身の引き締まる思いであると同時に、この責任の重さを痛感したところでございます。一生懸命精励してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

2.質疑応答
(問)明日、早速、被災地を訪問され、福島県知事、宮城県知事とお会いしてお話を伺うとのことですが、福島に関しては、原子力災害の事故の影響が続いており、宮城、岩手と比べて復興の難しさがあると思います。明日、内堀知事との意見交換の中では、どのようなところを重点的に意見をお伺いしたいとお考えでいらっしゃいますか。
(答)知事とお目にかかる時点で一番私の心にあることは、改めて、知事がどのようなお気持ちで今、復興に当たっておられるかということをまずお伺いしたいと思います。
 政治家でありますので、私と同様の立場でもございますので、その都度、その都度、時の流れとともに、よかったことも含めて、深刻なこともたくさんあるのではないかと思っております。
 まさしく現場に近いお立場で毎日御苦労いただいている知事のことを聞いて、今までの復興庁が聞いたことというよりも、私が大臣になって初めて伺うことでございますので、真剣に一つ一つ耳を傾けて、いろいろと教えていただければと思っております。
 また、そのことについても、誠心誠意対応してまいりたいと思っています。
(問)冒頭に御発言があったとおり、総理の全大臣が復興大臣のつもりでというお話の御紹介がありました。また、本日環境大臣になられた小泉大臣も、意識は復興大臣だというお話をされていました。
 一方で、被災地からは、復興庁の継続とともに復興大臣に対する期待が高いと思うのですが、ほかの閣僚、あるいは内閣全体としてそういう意識がある中で、田中大臣が復興大臣として、どうその存在感を発揮されていきたいか、お考えをお聞かせください。
(答)ありがとうございます。この東日本大震災というのは、先ほど申し上げましたように、間もなく10年近くを迎えてくるわけでございまして、課題も相当浮き彫りになってきているわけでございます。そのことに対して、やはりきちんと対応していかなければ、地元の皆さんの信頼を得て、地方と国が一体となって対応できるということにはならないと思いますので、いずれにしても各省庁、対応が幾つも分かれます。環境省もそうでしょうし、経済産業省もそうでしょうし、場合によっては農林水産省のこともございますし、全体的には総務省のこともあります。そういう各省庁のリーダーシップを、やはり復興大臣がとらなければならないということが一番だと思います。
 もう一つは、生活を守る、発展させることができなければ、どんなすばらしい郷土であっても未来がないわけですから、やはり風評被害などのことについても、真剣な取り組みをして、でき得れば、ただ国内にいて大使館にお願いするや、外国の記者の方に御説明するだけではなくて、日程等いろいろな条件が整えば、地元の皆様と一緒に、他の国々の方々にも、本当にこちらが足を運んで、風評被害の誤解などをきちんと説明をして解いていき、東北のそれぞれの地域の活性化に努力をしていきたいと思っております。
(問)官邸のほうでの記者会見でも、ほかの大臣のところで出てきたのですが、昨日、前環境大臣が東京電力福島第一原発で増え続けた汚染水浄化後の処理水について、海洋放出するしかないというような趣旨の発言をされました。これに対しての復興大臣の見解をお伺いできますか。
(答)ALPS小委員会で丁寧に扱っていかなければいけないだろうと思いますし、地域の皆様にとってみれば、一番心配をされる一つの大きなことでもありますので、私たちはこの後、小委員会の会議の内容をきちんと見ながら、いろいろと対応してくことができればと思っております。
(問)大臣のこれまでの東北の被災地とのかかわりについてお伺いしたいのですが、震災の発生後、大臣はどのような形で過去に東北とかかわりになられて、その御経験をどのように生かして復興の総仕上げに向かって対応していくおつもりでしょうか。
(答)平成23年3月11日、お互いに忘れられない大変な日でございましたが、ちょうど私たちは野党だったのです。そして、この大災害が起こったということを受けて、私たち与党側も、特に自民党がシャドーキャビネットを組んだわけです。そのときの環境担当大臣が私でございます。
 そして、その後、環境委員会の野党筆頭理事ということになりましたので、当然、私の立場からも、あるいは委員会の立場からも現地に行き、自治体の皆さんに、特に自治体の長の方々の苦衷もお聞きしたり、また、実際に1件ずつ除染の現場もお伺いしたり、いろいろな作業をしました。
 また、実際に原発事故があったあの中にも、実は、案内をしていただける範囲とはいいながら、何度かお伺いした経緯がございます。
 私たちも、それを受けて原子力規制委員会の議員立法を新しくつくろうということになりました。当時、与党のほうからは環境省の所管の組織にすべきという御意見もあったのですが、我々与党側、特に自民党のほうは、完全に独立性を持った、政府とは切り離した組織にすべきだという立てつけの法律案をつくり、案を示したところ、自民党、公明党の与党側はもちろんですが、野党のほうも御了解をいただき、国会の衆・参では私が中心になって答弁をさせていただき、あの法律をつくらせていただいた経過がございます。
 図らずも、田中さんとは当時テレビなどで1時間ぐらいの対談を行った経過がございまして、その後委員長になられると思っていなかったのですが、厳し目のお話をされたことを今でも記憶にとどめておるところでございます。
 比較的、その後、環境副大臣に政府の与党の中で就任をいたしましたので、環境副大臣としてもいろいろと現地に何度も出向いた経過があります。私も、復興大臣にこうして御縁があったというのも、何かお導きがあったのかとも思っているわけでありまして、かかわり合いが比較的あるほうでございます。
(問)先ほどの官邸の記者会見でも、特に重視したいものとして、自主避難の関係のフォローをされるということをおっしゃいました。福島のみならず、特に津波の被災地のほうでは具体的にどのような点を重視して対応されていきたいか、課題としては何でしょうか。
(答)津波被災地は、本当に尊い人命がたくさん失われた、あるいは行方不明者の方がまだいらっしゃるような状況が続いているわけでございます。一方において、公共的な設備である道路や鉄道など寸断され、大分復旧・復興もしましたが、それでも以前の姿とは違うわけです。
 また、一方、トレイルの整備などもいたしまして、公園を整備して観光地としての位置づけも高めるということや、また、災害、特に津波は今、世界的な用語にもなり、津波の日まで国際機関で定められるようなことになったわけでございます。津波の恐ろしさ、自然災害の恐ろしさを外国からも来ていただいて見ていただけるような、また、当然、国内でもそういう視察もしていただけるような、また、そういうことで地域の活性化も図れるといいなという思いもございます。とにかく、地域といっても相当長い距離ですから、地元に行って、少しずつ違ういろいろな思いを持っていらっしゃいますので、承りながら、地元の自治体の方とも協力して対応していきたいと思います。
 とにかく、少しでも以前の活力を取り戻すということと、これはなかなか理想のような話ですが、以前よりもさらに活力が生まれるような、生活ができやすいような、すばらしい地域をつくるために何か努力ができればと思っております。

(問)先ほど、自主避難の方のフォローの話が出たのですが、地元の川崎などに自主避難されている方もいらっしゃるかと思います。これまでの活動の中で、自主避難の方と接触したり、お話を聞かれたりということはあったのでしょうか。
(答)もちろん、当時は学校に、被災された所に行って、お一人お一人話を聞いたりさせていただきました。ありとあらゆることについて、私たちも限られた時間の中ですが、本当に大変な思いを聞きました。
 当時、まだ事故が起こったばかりのときだったものですから、気仙沼やあのあたりは、本当に臭気で大変でございました。いずれにしても、被災された方たち、また、御葬儀をどうした、棺が足りなかったなども含めて対応してまいりました。
 避難されている方に対しては、生活の再建や安定に向けた相談・対応や交流会などの取り組みを、これからもきめ細かくやっていきたいなと思っております。
 被災者の方々の声に耳を傾けるというか、そういう気持ちを持って対応していきたいと思っております。
 これがスタートでございますので、どうぞよろしくお願いいたします。

(以  上)