(令和元年9月10日(火)11:15 ~ 11:30 省内会見室)

【広報室】

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。私から、冒頭一点申し上げたいと思います。日、若手チームから緊急提言を受け取りました。厚生労働事務次官をヘッドとする「厚生労働省改革実行チーム」で、「できることはすぐに取り組む」という姿勢で対応していくよう、申し上げました。「できることはすぐに取り組む」の実例として、具体的に見直しを行いましたので、紹介します。まず、1点目は、冷房運転の柔軟化です。9月5日から、職員が自席で自ら計測した温度が28℃を超えている場合に、局の窓口職員を通じて会計課に申告すれば、会計課で確認をした後、冷房温度を下げる等の対応を行うこととしました。2点目は、廊下照明の改善です。9月4日から、暗い廊下を明るくするため、蛍光灯の間引きを緩和して、4本に1本の点灯を4本に3本の点灯に変更しました。また、生産性向上に資する取組として、民間企業では既に取り組まれていますが、立って打ち合わせができるテーブルを導入し、ミーティングの短縮を図るとともに、オンラインによる議員レクの実証実験を7月から開始し、これまで計7回実施しました。今後も、国民の期待に応えられる厚生労働行政を展開していくために必要な業務改善を、一つひとつ着実に進めていきたいと思います。私からは、以上です。

質疑

記者:
明日、内閣改造を迎えますが、これまでの任期を振り返り、明日の内閣改造を控えての今の大臣の思いを伺いたいと思います。
大臣:
厚生労働行政は、ミクロの国民生活、そして、マクロの社会・経済の両方の視点に広くかかわるという意味で、最も重要な行政分野であると思っています。着任時の会見で「重責に身が引き締まる思いだ」と答えましたが、それは着任時だけではなく、毎日、そのような気持で緊張感を持って職務にまい進してきたつもりです。すべて言い尽くすことはできませんが、「2040年を展望した社会保障・働き方改革」はもちろんのこと、障害者雇用や統計問題など、長い過去を背負っている懸案事項もあったし、児童虐待や就職氷河期世代をはじめとする社会・経済の諸問題も多くありました。また、そうした課題に対処する中で、厚生労働省の改革、例えば、厚生労働省のガバナンスの強化、業務量に見合った組織定員の確保、若手職員の声を積極的に取り入れた職場の環境の改善など、厚生労働省自身の改革にも取り組んできました。そのような中で、常に意識していたのは、「本質は何か」を考えることであります。やはり、政策を作る場合には、あるいは、問題を解決する場合には、この問題の本質は何かというのが、私は大事だと思っています。自分自身にも常に問いかけていたし、職員の皆さまとも常にそのことを意識して議論しながら、一つひとつの課題に向き合い、将来への道筋をつけることが出来たのではないかと考えています。区切りということでこの1年を振り返れば、こうしたことではないかと思います。社会保障は「成長と分配の好循環」、この構造のど真ん中にあります。そして、働き方改革は一億総活躍社会の基盤であります。誰もが安心して活躍できる社会の構築に向けて、不断の取組が必要だと考えています。同時に、厚生労働省が「新しく、大きく変わっていく」ための厚生労働省改革も進めていくことが必要だと考えています。
記者:
関連しまして、今、社会保障のお話が大臣の方からもありましたが、社会保障についても色々と取り組んでこられたかと思います。これまでの取組に加えて今後の社会保障の改革というのはどうあるべきというふうに大臣としてお考えかをお願いします。
大臣:
まず、「2040年を展望した社会保障・働き方改革」というのは、我々これからの社会保障のあり方ということで、明確にビジョンを打ち出しています。そして、社会保障改革は、やはり医療・介護・年金トータルで関わっていきますから、全体を見据えた改革が必要だと思います。やはり、まずは、社会保障改革の絵姿、これは2040の展望ですでに我々打ち出しましたが、その絵姿をより具体的な予算、具体的な政策に反映していきますが、要は、全体を大きくとらえて、そして、社会保障改革を進めていく、負担と給付の問題も、分配の絵姿を示しながら必要な負担と給付の問題にも取り組んでいくということだと思います。
記者:
シベリア抑留の遺骨の取り違えの関係なのですが、先月8日の閣議後会見で一か月を目処に確認検証作業の進め方を整理するとおっしゃっていました。一か月が経ちましたが現在の状況を教えてください。
大臣:
先月8日に、私から事務方に対し、事実関係を十分に確認して、相手国と共通認識を持った段階で公表すること、一か月を目途に確認・検証作業の進め方について整理することという指示を行いました。現在事務方において鋭意作業中であります。まとまった時点で、速やかに公表することとしたいと思います。
記者:
関連で、現時点で目処は立っているのでしょうか。
大臣:
先月8日に発表して一か月を目処にということですから、一か月を目処の範囲内で速やかに公表したいと思います。
記者:
ハンセン病家族訴訟についてお尋ねいたします。5日に議懇の原告団との面談の場が開かれましたが、その場で原告団が現在、厚労省とも折衝作業、補償の枠組みについて、まだ水準には至っていないと。場合によっては決裂の恐れもあるという指摘があったのですが、そういったご意見を含めての今後の最終解決に向けた展望をお聞かせください。
大臣:
原告団・弁護団からの要請によって、弁護団と厚生労働省事務方との間で、先行してご家族に対する補償についての実務者協議が行われています。補償の範囲や金額について何か決まった内容があるわけではなく、精力的に議論が行われているものと聞いています。先方からの希望によって、協議経過も含め非公表で実施することを前提に協議を行っており、現時点でこれ以上のコメントは差し控えたいと思います。
記者:
そういった非公表というのはよく分かるのですが、差別や偏見といった課題に対して厚生労働省として今後どういうふうに取り組んでいくべきかを教えてください。
大臣:
偏見差別の解消については、先日の面会において、解消策の実施等に関する継続的協議の場の設置についてご要請があったことを踏まえ、文部科学省や法務省との間で連絡会議を開催するなど準備を進めてきているところです。先週、原告団と弁護団の方々と文部科学大臣・法務大臣との面会が行われ、改めて、協議の場を持って欲しい旨のお話があったと聞いています。今後、関係省庁と連携しながら、協議の進め方について、原告団・弁護団と具体的な調整を進めていきたいと思います。いずれにしても、家族の皆様に寄り添った支援を進めることが基本的な姿勢でありますから、前段の話も含めて、厚生労働大臣として、この問題の解決に全力で取り組んでいきたいと思います。
記者:
冒頭発言の関係なのですが、若手の緊急提言が結構反響があって、改めて提出されたことの意義というのを所感としてあれば教えてください。
大臣:
私は厚生労働省改革を進めるにあたって、若手の意見を是非聞きたいと申し上げてきました。そして、若手のみなさんが精力的に厚生労働省がどうあるべきかということを含めて、厚生労働省改革についての提言をまとめていただきました。やはり厚生労働省改革というものは一部のトップが考えるということでもないし、これはやはり全省庁を上げて取り組むべき課題ですから、私は若手の提言は非常に有意義な提言をまとめていただいたと思います。この若手の提言を真摯に受け止めて、そして以前も申し上げましたが、この若手の提言も単なる提言に終わらせることなく、これは生きた提言にしなければいけない。そして、具体的に厚生労働省改革を進める中でも、この若手も組み込んで改革を進めていきたいと思います。特に若手の提言は、色々な改革の提案、改善の提案、そして色々な思いがありましたが、やはり私はこの令和の時代のど真ん中にあるのが厚生労働行政だと思いますし、その意味では若手のみなさんが厚生労働行政に意欲と情熱を持って、そして使命感を持って取り組んでいるそういう姿勢が随所に表れていた提言ですから、大変力強く思いました。
 

(了)