1. 1 コンゴ民主共和国東部におけるエボラ出血熱の流行に対し,同国政府からの要請を受けて8月24日に活動を開始した国際緊急援助隊・感染症対策チーム二次隊は,現地での任務を本6日に終了し,9月8日に帰国する予定です。

    2 このチームは,一次隊の活動を引き継ぎ,コンゴ民主共和国の首都キンシャサとチョポ州都キサンガニ市において同国政府や国際機関等と協力し,エボラ出血熱サーベイランス,検疫,診断能力,感染管理の強化のために以下の支援を実施しました。

    (1)キンシャサ

    • 検疫官及び空港職員に対するサーベイランス,検疫,診断能力の強化のための研修。

    (2)チョポ州キサンガニ

    • 検疫官,医療従事者及び公衆衛生担当者を対象にして,エボラ出血熱サーベイランス体制,安全な診療,検疫体制の強化のために,感染症の個人用防護具等の着脱方法や非接触型体温計の使用方法,手指衛生の徹底等についての研修を実施。
    • 流行地域との往来の多いマドゥラの検疫ポイントを移設・拡充し,手洗い器具,テント,机,椅子等機材を供与する支援を実施。

    3 このチームの行った支援に対しては,コンゴ民主共和国政府からも謝意が表明されています。

    [参考1]
     2018年8月,コンゴ民主共和国保健省及びWHOは,同国北キブ州において,同国10回目のエボラ出血熱の発生を発表。2019年7月17日(現地時間),WHOは,同国北キブ州の州都ゴマでのエボラ出血熱の発生が確認されたことを受けて,緊急委員会を開催し,今時流行を「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」に該当する旨宣言した。WHOによると,8月27日時点での症例数は2,997件,その内死亡数は1,998名。

    [参考2]
     国際緊急援助隊・感染症対策チームは,外務省員,感染症専門家,JICA職員等で構成される。

    [参考3]
    (1)感染症対策チームの派遣による人的貢献に加え,7月29日,我が国政府は,コンゴ民主共和国東部におけるエボラ出血熱流行に対して,国際協力機構(JICA)を通じて緊急援助物資(感染症の個人用防護具等)を供与することを決定した。9月2日,コンゴ民主共和国側からカンバ・ロジェ大統領特別顧問らが,日本側から軽部洋駐コンゴ民主共和国日本国大使,柴田和直JICAコンゴ民主共和国事務所所長が出席し,同物資の引渡式が執り行われた。

    (2)8月22日,我が国政府は,コンゴ民主共和国政府に対して,5億5,000万円の緊急無償資金協力を実施することを決定した