2019年9月6日

9月5日、タイにおいて、ASEAN+3及び東アジアサミット(EAS)のエネルギー大臣会合が開催されました。両会合の成果は、「共同声明」としてとりまとめられました。また、同時にタイ、フィリピンのエネルギー大臣と会談等を行いました。

1.ASEAN+3及び東アジアサミットエネルギー大臣会合

両会合は、エネルギー需要が増大するアジアにおいて、安定的なエネルギー供給及びエネルギーセキュリティ・気候変動対策を強化することを目的として、各国のエネルギー担当大臣が政策協調や国際協力に向けた議論を行う場です。

ASEAN+3エネルギー大臣会合には、ASEAN10ヶ国に加え、日、中、韓のエネルギー担当閣僚等が参加し、日本からは磯﨑 仁彦 経済産業副大臣が参加しました。また、EASエネルギー大臣会合では、さらに、豪、ニュージーランド、ロシア、米国が加わりました。
今回の会合のポイントは以下の通りです。

  1. 水素社会実現と運輸部門の脱炭素化、カーボンリサイクルに係る取組の紹介
    今回の会合では、日本が主導する、水素社会と運輸部門における脱炭素化実現に向けた協力等に対し各大臣より感謝の意が示されました。
    また、エネルギーアクセスと地球温暖化対策の両立のため、CO2を資源としてとらえ、これを再利用し、CCUS/カーボンリサイクルに対する投資促進を行なっていくことが、各大臣より歓迎されました。

  2. 分散型エネルギーイニシアティブに係る取組の紹介
    また、日本はアジアのエネルギー供給を改善するため、ガスコジェネレーションや再生可能エネルギー、スマートグリッドの普及を目指し、2015年10月のエネルギー大臣会合(マレーシア)にて日本から「分散型エネルギーイニシアティブ」を提唱しており、この継続的な取組に対し各大臣より感謝の意が示されました。

  3. の画像

    Cleaner Energy Future Initiative for ASEAN(CEFIA)の立ち上げ
    さらに、日本は今回会合において、ASEAN域内の各国やASEAN全体で、ビジネス主導で低炭素技術が普及していくための環境整備を進めていく観点から、ASEAN+3の枠組みの下で、新規イニシアティブとしてCEFIA(セフィア: Cleaner Energy Future Initiative for ASEAN)の立ち上げを提案しており、これが各大臣より歓迎されました。

  4. 地域におけるクリーンコール技術開発や、天然ガス活用の重要性の共有
    また、会合では、ファイナンスや人材育成の重要性にも言及しつつ、地域のエネルギーセキュリティ確保及び低炭素への転換のためのクリーンコール技術の重要性や天然ガス活用に向けた協力の必要性の認識が共有されました。加えて、日米が協力して行うLNGバリューチェーンに関する人材育成が、各大臣より歓迎されました。米からは日米戦略エネルギーパートナーシップ(JUSEP)における日米の取り組みに関し紹介があり、シンガポール、フィリピンをはじめとする各国より日本のアジアでのイニシアティブに対する感謝の意が示されました。

  5. 日本で開催する秋のエネルギー3国際会議
    なお、9月末に我が国で開催を予定している水素閣僚会議、カーボンリサイクル産学官国際会議、LNG産消会議に関しても、各大臣より歓迎されました。

上記以外でも、我が国が実施している、省エネルギー、再生可能エネルギー、石油備蓄、原子力安全の分野での人材育成などの協力事業が紹介され、参加国から歓迎されました。

  • ASEAN+3エネルギー大臣会合の画像ASEAN+3エネルギー大臣会合
  • 東アジアサミット(EAS)エネルギー大臣会合の画像東アジアサミット(EAS)エネルギー大臣会合

2.エネルギー担当大臣等とのバイ会談

今回の会合で議長国を務めたタイのソンティラット・ソンティジラウォン エネルギー大臣やフィリピンのアルフォンソ・クシ エネルギー大臣と会談を行いました。

タイ及びフィリピンにおける電力、天然ガス、省エネルギー等の分野での協力や連携の確認を行いました。

  • タイ・ソンティラット大臣との会談の画像タイ・ソンティラット大臣との会談
  • フィリピン・クシ大臣との会談の画像フィリピン・クシ大臣との会談

3.ASEANエネルギーアワード授与式への出席

ASEANにおけるエネルギー分野の効率向上や石炭技術の発展などに貢献した方々を表彰するASEANエネルギーアワードの授賞式に出席し、ASEAN省エネベストプラクティス賞の贈呈者として、受賞者にトロフィーを授与しました。

  • 磯﨑副大臣とタイ・ソンティラット大臣、アワード受賞者との画像磯﨑副大臣とタイ・ソンティラット大臣、アワード受賞者と

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資源エネルギー庁 長官官房 国際課 海外エネルギーインフラ室長 小山
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