冒頭発言

(1)河野大臣の東方経済フォーラム出席

【河野外務大臣】明日9月4日から6日にかけまして,東方経済フォーラムに出席する総理に同行して,ロシア・ウラジオストクを訪問する予定です。

ホルムズ海峡をめぐる対応

【NHK 高島記者】ホルムズ海峡をめぐる政府の対応について,いろいろな案が検討されていると思うんですが,今月の国連総会での各国の判断を見て最終決定をするというふうな見方について,大臣,どのように考えますでしょうか。

【河野外務大臣】ホルムズ海峡は,我が国のエネルギー安全保障にとってきわめて重要な場所ですので,しっかりと状況を見極めながら,我が国として必要な対応をしっかりとるべく検討しているところです。時期その他,予断を持ってお答えするのは差し控えたいと思います。

日韓関係

【時事通信 越後記者】日韓関係について伺います。現在ですね,文在寅(ムン・ジェイン)大統領の側近の曺国(チョ・グク)氏について,身内の疑惑が相次いで,法務大臣の就任に対して反発が強まっている状況にありますけれども,こうした状況から目をそらすために,日本に対する反日的な政策を強めるのではないかという見方があるのですけれども,こういった韓国国内政局の日韓関係への影響を,どのようにご覧になっていますでしょうか。

【河野外務大臣】韓国政府がそのようなことをするとは思っておりません。

日本人名のローマ字表記

【読売新聞 森藤記者】日本人名のローマ字表記の関係でお伺いしたいのですけれども,河野外務大臣,5月の記者会見の際に,各国の主要な報道機関に姓・名の順で表記するように要請したいとおっしゃいました。その後の検討状況について教えていただければと思います。

【河野外務大臣】いま政府内で,対応ぶりを含め検討しているところです。

河野大臣の今後の外交方針

【毎日新聞 秋山記者】抽象的な質問で申し訳ないのですが,大臣,ご就任以来すでにのべ122か国訪問されたということで,外務大臣として久しぶりであったり,初めて行かれた国も多数あると思いますが,今後の外交ではどういったところを,それをベースに掘り下げていきたいとお考えでしょうか。

【河野外務大臣】二国間の関係ももちろん重要だと思いますが,国際場裡を見れば,例えば国連の安保理改革という視点から言えば,やはり全ての加盟国が,意思決定に参画することができるわけであります。そういう中でやはりアフリカは54というきわめて大きなブロックでございますので,アフリカと国際条理に関する意思疎通をするというのは非常に大事なことだと思っております。
 また,太平洋の島嶼国,あるいはカリブといったところも,そういう意味で非常に大きな数になるわけでありますから,なかなか経済的な視点からいうと,これまで訪問ができていない,日本の外務大臣がなかなか訪問ができていない地域であっても,やはりこれからの国際場裡というところを考えると,決しておろそかにはできないところだと思っております。
 また,気候変動外交ということを考えると,この島嶼国というのは最初に影響を受けるところであります。防災,あるいは気候変動というところに力を注いできた日本としては,こうした国々としっかりと意思疎通をしていくところが大事になってくると思っております。
 初めて行く,あるいは何年ぶりに行くということだけでなく,例えばASEAN各国とはやはり相当頻繁にお互いの訪問をして,日頃から意思疎通をしていくということが大事だと思っておりますし,また,インドと「2プラス2」をやろうというような話をしているように,「2プラス2」という枠組で,バイの会談をやっていく国もだんだん増えてきたというのも事実だろうと思います。
 そういう中で,これからの日本外交を考えると,外務大臣がしっかりと相手国に足を運ぶ,あるいは様々な国際会議に外務大臣が出席をして日本としての主張をするというのが,これまで以上に大事になってくると思っております。
 残念ながら,来年度の概算要求に閣僚専用機が盛り込めておりませんが,チャーター機に関しては少し時間数を増やして要求をさせていただいておりますので,外務大臣として効率的な出張を,これから先,日本政府として考えていかなければならないと思っておりますし,また,これまでの経験から言うと,外務大臣の出張を受け入れる公館の負担軽減ということを,やはりもう少しやっていかないと,今までと違って,これから外務大臣の出張が増えるのであるならば,やはり公館の負担がそんなに重くなくとも出張がきちんとできる,そういう仕組を考えていかなければいけないと思っているところでございます。

日露関係

【NHK 渡辺記者】冒頭,大臣,ご発言がございましたけれども,ウラジオストクに行かれるということですが,河野大臣とロシアのラヴロフ外相がそれぞれ交渉担当者と,平和条約のですね,なっておりますけれども,現状,大臣からご覧になって,平和条約の交渉というのはどういう状況にあるのか。去年の11月に比べて,いまどういう状況になっているのか,今回首脳会談ということで,外相会談はないとは思いますが,今後の日露の関係,それこそ,私も河野一郎さんのときに,かなり,56年のときに大きな役割を果たされたという,思い入れもあると思いますけれども。今後,どうやってこの状況を具体的に進めていきたいと考えていらっしゃるのか。共同経済活動のほうも,徐々に準備が始まっているようですけれども,そういったことを俯瞰して,今後の日露関係について,今回ウラジオストクでどういう成果を出したいと考えてらっしゃるのかも含めて,お願いします。

【河野外務大臣】首脳が平和条約交渉を加速化させようということで合意をしておりますので,それに則ってしっかりと交渉を進めていきたいと思います。

金杉アジア大洋州局長の外務審議官就任

【朝日新聞 楢崎記者】本日,金杉アジア太平洋州局長が外務審議官に昇任することが決まりましたけれども,その狙いについてお聞かせください。

【河野外務大臣】外務省の人事,適材適所でやっております。新しい部署でもしっかりやっていただきたいと思います。