(令和元年8月30日(金)16:53 ~ 17:05 省内会見室)

【広報室】

会見の詳細

閣議等について

大臣:
まず、九州北部地域の大雨による被害の状況についてであります。九州北部地域の大雨による被害の状況については、公表のとおりですが、被害の大きかった医療機関の状況や厚生労働省の対応についてご報告いたします。佐賀県大町町の順天堂病院については、周囲の冠水が残存している状況ですが、消防や自衛隊の協力を得て必要な物資や職員の搬送を行い機能の維持が図られています。現在、厚生労働省職員を現地に派遣し、医療機関等の状況把握に努めています。自治体との連携を密にして、復旧支援と被害の拡大防止に取り組んでまいります。また、早期の断水解消や水が引いた後の衛生対策などについても、関係機関等と連携して、しっかりと対応してまいります。次に、令和2年度の予算概算要求、税制改正要望、機構・定員要求の取りまとめについてであります。本日、令和2年度の予算概算要求、税制改正要望、機構・定員要求を取りまとめ、当局に提出をいたしました。今回の予算等は、本年5月に「2040年を展望した社会保障・働き方改革本部」で取りまとめた各施策を具体化したものです。年末に向け、厳しい折衝が予想されますが、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。私からは、以上です。

質疑

記者:
財政検証のオプション試算で受給開始年齢の延長などについて、いずれも給付水準の改善に効果があると示されましたが、来年の通常国会での法改正について、オプション試算で示された項目はどの程度反映させて臨むのか、現時点での大臣のお考えをお聞かせください。
大臣:
今回の財政検証の結果では、現行制度でも、経済成長率と労働参加が進むケースでは、引き続き所得代替率50%以上を確保できることが確認されました。また、被用者保険の更なる適用拡大、就労期間・加入期間の延長、繰下げ受給の選択といったオプション試算でも、これらの制度改正を行うことは、年金の給付水準を確保する上でプラスであることが確認されました。高齢者就労や短時間就労など就労の変化を年金制度に反映することで、老後生活の基本を支える機能をより確かなものとしていく努力を進めていく必要があります。今回の財政検証の結果を踏まえ、今後、社会保障審議会年金部会においてご議論いただき、次期通常国会への法案提出を目指していきたいと思います。いずれにしても、国民の老後生活の基本を支える公的年金の役割がしっかり果たせるよう、精力的に検討していきます。
記者:
先ほど概算要求の話しがありましたが、今回、社会保障の自然増が5300億円という近年では低い水準におさまったと思うのですが、そのことについての大臣の受け止めをお聞かせください。
大臣:
概算要求においては、年金、医療等のいわゆる自然増を5300億円上乗せして要求していますが、骨太方針2019を踏まえ、年末までの予算編成過程において、社会保障関係費の伸びを「高齢化による増加分」に相当する伸びにおさめることを目指して調整することになります。具体的にどのような項目で、どのような水準におさめていくのか現時点で決まっているものではなく、今後、予算編成過程において検討・調整していきます。いずれにしても、社会保障制度が将来にわたり国民の生活を支えることができるよう、重点化・効率化を図りつつ、必要な予算が確保できるよう取り組んでいきたいと思います。
記者:
先ほど年末に向けて厳しい折衝が予想されるとおっしゃっていましたが、5300億という発射台は例年に比べると少し低いという気がするのですが、それでもなおこの後削っていかなければならない厳しい折衝が待ってらっしゃるということですか。
大臣:
先ほど言いましたが、年末までの予算編成過程において、社会保障関係費の伸びを「高齢化による増加分」に相当する伸びにおさめることを目指して、これは骨太方針2019を踏まえて、調整することになります。そして、具体的にどのような項目で、どのような水準におさめていくのか現時点で決まっているものではなく、今後、予算編成過程において検討・調整していくということであります。
記者:
上野政務官の辞任についてお尋ねしたいのですが、先日の報道段階では一議員の政治活動に関する報道なのでというふうにおっしゃっていましたが、厚労政務官という責任ある立場である上野政務官が説明責任を果たさないまま辞任した形になったことについて、大臣のお考えをお聞かせください。
大臣:
8月28日に、上野政務官から、辞任したいとの申出があり、閣議において、職を免ずることが決定されました。上野政務官からは、今回の報道にあるような事実はないが、ご迷惑をおかけしていることから、辞職したいとの申出があり、私もその意向を尊重しました。いずれにしても、前回も申し上げましたが、政治活動については、一人ひとりの政治家が、国民に不信を持たれることのないように、常にみずからが襟を正し、説明責任を果たすべきものであります。
記者:
今の上野政務官の関連なのですが、事実はないというようなことが上野政務官からお言葉あったということなのですが、事実がないのであればどうして説明責任を果たさないかということは大臣から政務官側にはお伝えになっているのですか。
大臣:
私からは上野政務官について、今申し上げましたように説明責任をしっかり果たせるように、繰り返しは避けますが、説明責任をしっかり果たすようにと言ってきました。そして上野政務官からは、しっかり対応しますという話を聞いておりました。ですから、いずれにしても政治活動については、一人ひとりの政治家が、国民に不信を持たれることのないように、常にみずからが襟を正し、説明責任を果たすべきものであります。説明責任の果たし方については政治家本人が判断すべきものであると考えています。
記者:
現時点では説明責任を果たしていないと思うのですが、不信を持たれていることもまぎれもない事実だと思います。今の大臣のお言葉からすると今後説明責任を果たすことは期待しているというかやはり果たすべきだというお考えでしょうか。
大臣:
繰り返しは避けますが既に申し上げたとおり説明責任を果たすべきものであってこれは政治家本人が判断すべきものだと思います。
記者:
もう一点同じ件なのですが、その政治活動は政治活動だと思うのですが、前厚労政務官という立場でしかも技能実習生の職種のあり方検討チームのトップもやられていて労働行政の担当でもあったわけですね。その労働行政に関してこうした行為を行った、こうした行為に疑念を持たれていることについては大臣どのようにお考えですか。
大臣:
繰り返しになりますが、そこはしっかりと本人が説明責任を果たすものだと考えます。
記者:
今週末に愛媛県でG20の労働雇用担当大臣の会合があると思うのですけれども、そこで大臣としてどのような議論をしてどのような成果をおさめたいか考えをお聞かせください。
大臣:
今回のG20労働雇用大臣会合においては、「人間中心の仕事の未来」を全体テーマとし、「高齢化への対応」、「ジェンダー平等」及び「新しい形態の働き方」について議論を行います。G20が高齢化を課題として本格的に取り上げるのは、本会合がはじめてであります。世界で最も高齢化の進んだ日本の経験を共有しつつ、高齢化に対応した労働政策のあり方について、G20共通の方向性をとりまとめたいと考えています。また、これまでも継続して議論されてきたジェンダー平等について、特に今回は「家事、育児、介護等の負担による時間的制約」の男女間格差に着目して、その格差の縮小について議論を行います。このような議論を踏まえた大臣宣言をとりまとめ、人間中心の仕事の未来の実現に向けて国際社会に力強いメッセージを発信したいと考えています。
 

(了)