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 笹川会長、そして御列席の皆様、本日は、アフリカ農業と未来についてのシンポジウムで御挨拶することができ、大変うれしく思います。
 まず、日本財団が、ササカワ・アフリカ財団を通じ、30年にわたりアフリカの農家に対し、献身的な支援を行われてきたことに対しまして、心から敬意を表したいと思います。
 アフリカは不毛な地ではない。適切な技術が届けば、アフリカの農家は十分な食糧を生産できる。これは、ササカワ・アフリカ財団設立当初からの強い信念と伺っています。
 現在では、アフリカ諸国の多くが、農業開発に注力しています。ササカワ・アフリカ財団の信念が証明されたと言えるのではないでしょうか。
 今日、急速に発展するアフリカの将来は、夢と希望にあふれる何千万ものアフリカの若者の皆さんの手にかかっています。
 本日のシンポジウムのテーマ「若者の力と農業ビジネス」は、正に時宜を得たものであります。
 私は2013年、アフリカの若者の人材育成のため、ABEイニシアチブを立ち上げました。農業分野を含め、アフリカ54か国1,200人以上の学生が日本の大学院で学び、日本企業で就業経験を積みました。彼らは、帰国後、それぞれの国を牽引(けんいん)する人材として活躍しています。
 イノベーションは、アフリカの農業環境の変革に必要不可欠であり、私は、日本の技術は大きな役割を果たすことができると思います。
 今朝、ササカワ・アフリカ財団が、JICA(国際協力機構)との間で技術協力に関する覚書を締結されたことを、大変喜ばしく思います。
 ササカワ・アフリカ財団のようなNGOがJICAと連携し、現地の農業人材を育成していきます。地方自治体で活躍した農業専門家にも、現地に行っていただきます。そして、2030年までに、米の生産量を今の倍、5,600万トンにすることを目指したいと思います。
 このようにきめ細やかな、そして息の長い支援と日本企業の高い技術力は、アフリカの長期的な発展につながります。そのためには、アフリカ各国政府による日本企業の誘致や農業分野への投資も欠かせません。
 農業を、若者にも、投資家にも、より魅力的な産業に変革していこうではありませんか。
 本日のシンポジウムを実現するに当たり御尽力いただいた日本財団、ササカワ・アフリカ財団、アフリカ開発銀行、並びに参加者の皆さまに心より謝意を表明するとともに、アフリカ農業と未来に関して有意義な意見交換が活発にこの場で行われることを期待いたしまして、私の御挨拶とさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。