(令和元年8月27日(火)11:19 ~ 11:35 省内会見室)

【広報室】

会見の詳細

閣議等について

大臣:
では、私の方から冒頭申し上げます。一つは、「自殺予防週間」の実施についてであります。自殺対策基本法では、9月10日から9月16日を「自殺予防週間」と位置付けており、啓発事業を広く展開することとしています。10代の自殺は長期休暇明けに急増する傾向があることから、今年度においては夏期休暇中から、相談や支援につながるよう、集中的な啓発活動を行っています。本日の閣議で、各閣僚に自殺対策に対する協力を依頼いたしました。悩みを抱えた若い方は、1人で悩まずに周りの方に相談してください。厚生労働省においても、LINEなどのSNSや電話での相談窓口を設けており、この期間にはインターネットのバナー広告やYouTubeの広告を用いて相談を呼びかけています。こちらにも、ぜひ相談してください。身近な人の変化に気づき、じっくりと耳を傾け、支援先につなげ、温かく見守るという一人ひとりの意識と行動も、重要です。この週間を通じ、国民お一人おひとりが、自殺対策について、理解と関心を持っていただけるよう取り組んでいきたいと思います。次に、厚生労働省統計改革ビジョン2019の策定についてであります。先日、一連の統計問題を踏まえて設置された厚生労働省の有識者懇談会より、「厚生労働省統計改革ビジョン2019の策定に向けた提言」を受けたことを踏まえ、本日、厚生労働省の統計改革の羅針盤となる「厚生労働省統計改革ビジョン2019」を策定いたしました。同ビジョンの着実な実施を通じて、一刻も早く、国民の皆様からの信頼を回復し、「統計行政のフロントランナー」と呼んでいただけるよう、統計改革をはじめとした厚生労働省改革を成し遂げてまいる所存であります。私からは、以上です。

質疑

記者:
就職情報サイトのリクナビについて、学生の同意を得ずに内定辞退率の予測を販売していた問題について、個人情報保護委員会が是正勧告を出しましたが、それについての大臣の受け止めと、他にも多くの就職情報サイトがあると思うのですが、個人情報の取り扱いについて、聞き取りや注意喚起をされるお考えはありますか。
大臣:
昨日、個人情報保護委員会がリクルートキャリアに対して、個人情報保護法の違反により勧告及び指導を行い、公表したことは承知しております。個別の事案の状況についてのお答えは差し控えたいと思いますが、一般論として申し上げれば、募集情報等提供事業者にあたる「リクナビ」等の求人サイトや労働者を募集する企業については、職業安定法等に関する違反が認められた場合には、厚生労働省として、厳正に指導等を行うこととなります。労働施策を所管する厚生労働省としては、個人情報の取扱い等の観点のみではなく、就職活動を行う学生の不安にも目配りしながら、必要な対応を行っていきたいと思います。また、他の就活情報サイトに対する調査については、一般論として申し上げれば、個別事案に係る職業安定法等の違反について、しっかりと事実関係の確認を行った上で、必要な対応を行うこととなると考えています。
記者:
昨日、若手チームから業務改善についての緊急提言が出されましたが、多岐にわたって要望事項等ありましたが、大臣のご所見を伺わせてください。
大臣:
厚生労働省の全ての職員が、自身の健康や家庭生活に十分配慮しながら、活き活きと仕事ができる環境を作っていく。これは、国民の期待に応えられるような厚生労働行政を展開していくためにも、大変重要なことだと思います。私も厚生労働省改革を行うにあたっては、実際に最前線で頑張っている若手の皆さんの意見を是非聞きたいということで、若手の皆さんに議論をし、提言をしていただきました。今回の若手チームの提言は、組織として真剣に受け止め、夏に立ち上げた事務次官を長とする「厚生労働省改革実行チーム」で、具体的対応を検討するよう指示しました。概算要求などにも、厚生労働省の業務改善に資する項目を盛り込んでいきたいと思います。また、若手チームを、正式に改革実行のための組織として位置づけて、改革の具体策について、若手の皆さんと一緒に考えていくこととしています。貴重な提言をしていただいたと思っています。
記者:
二点お伺いしたいと思います。先ほど、お話のあったリクナビの関連ですが、厳正に指導を行う話だとか、事実関係の確認を行うという話がありましたが、具体的にいつ頃までに、いつ頃を目途にこういったことを実施されたいというお考えなのかということが一点目です。二点目は、別の話なのですが、ロシアの遺骨収集の関連です。遺骨収集の問題について、調査中ということですが、その他、南方のパプアニューギニアで収集された日本の鑑定人が日本人と判断し作成された鑑定書を見ると、子どもの遺骨が混ざっているとの指摘があります。日本人ではない可能性があるという指摘をどのように受け止めていらっしゃるのかということ。また、今後ロシアと同様に調査するなどの対応は取られるのかについて伺いたいと思います。
大臣:
リクナビの件ですが、一般論として申し上げれば、個別事案に係る職業安定法等の違反について、しっかりと事実関係の確認を行った上で、迅速に必要な対応を行うことが重要だと考えています。労働施策を所管する厚生労働省としては、個人情報の取扱い等の観点のみではなくて、就職活動を行う学生の不安にも目配りしながら、必要な対応を行っていますが、これは、早急に今私が申し上げた取組み、対応を早急にやっていきたいと思います。次に、パプアニューギニアの遺骨収集の件ですが、遺骨収集においては、原則として、遺骨の形質の鑑定のために、相手国政府に要請して、現地の専門家の同行を求めているところであります。また、平成30年度以降は、全ての遺骨収集について、日本からも、日本人の骨の形質に詳しい鑑定人が同行し、鑑定体制を強化しており、その鑑定結果に基づき、日本に御遺骨を送還しております。なお、個々の事業の具体的内容については、事務方にお尋ねをいただきたいと思います。
記者:
本日年金部会で財政検証が5年ぶりに公表されることになります。5年前に比べて公表時期が大幅に遅れましたけれどもまずこのことに対する受け止めをお願いします。この後この遅れが今後進める年金制度改革に影響があるとお考えかお願いします。
大臣:
財政検証の公表を意図的に遅らせたということは全くありません。今回の財政検証では、今後の制度改革の議論に資するため、さまざまな試算を行い、オプション試算の内容の充実を図りました。そしてさらに今回は複数のオプションの組み合わせ等の試算も行っております。今回の制度改革の議論に資する、より良い検証を行うために、前回よりも時間を要したものであることをご理解いただきたいと思います。財政検証で今回財政検証を行いましたから、これは制度改正の議論、これは9月から動き出しますが、その意味で制度改正の議論にきちんと対応すべく丁寧な作業を行って今回の財政検証を公表したということであります。
記者:
別件なのですけれども、先ほど若手チームのお話がありましたけれども、その中で厚労省の冷房の設定温度が高くて熱中症になっているという話もあるようなのですけれども、自治体によってはむしろ設定温度を下げることで効率性が上がっているという議論もあります。今日は心なしか涼しい気もするのですけれども今後何か大臣ご対応されることはありますでしょうか。
大臣:
私もあの報告書を読んでそして昨日も若手の皆さんと議論をしました。今回の報告書で力強く感じたのはそういう状況の中で若手の皆さんが厚生労働行政に意欲とやりがいを持って志を持って臨みたいというお話をいただきましたが、非常に私はこれからの厚労行政を担う若手がそういう思いでいるということは大臣としても力強く感じました。そして提言の中では今のお話の設定温度、皆さんも暑い思いをしていると聞いたことがありますけど、なるほどこれはどうなのかなと思うような事項もありました。個別の事項については厚生労働省改革実行チームで具体的対応を検討していきますが、運用改善などすぐにできることは迅速に取り組みを進めたいと思います。
記者:
毎月勤労統計をめぐって大阪府で不正調査が発覚しました。全都道府県にも不正の有無の点検を求める通知を出していますけれどもこれの給付への影響というのはどういうふうに考えていらっしゃいますか。
大臣:
先週、毎月勤労統計を担当する大阪府の2名の統計調査員が不適切な事務処理を行っていたことが、大阪府で公表されました。そして厚生労働省としては、この報告を踏まえ、直ちに集計作業を行い、昨日、6月分の確報と合わせて、平成26年1月以降の数値についても公表いたしました。結果として、「きまって支給する給与」では、マイナス17円からプラス10円、要はマイナス0.007%から0.004%の影響がでています。常に正確性を求められる政府統計について、今般の事案が発生したことは、大変遺憾に思うとともに、このような事態が繰り返されることのないよう、全都道府県に対して、念のため、同様の事案がないか点検を依頼したところであります。そして保険給付への影響については、大阪府の不正事案だけであれば、大きな影響はないものと思われますが、全都道府県の点検結果を踏まえ、しっかりと精査し、必要な対応を行っていきたいと考えています。
記者:
上野政務官の件で、一部報道で外国人労働者の在留資格の申請をめぐって上野政務官の口利き疑惑が報じられていますけれども、その後政務官は報道後登庁されていることもなく、政務の事務所の方にも姿が見えないのですけれども、厚労省として把握していること及び政務官の説明責任について大臣としてどうお考えかお聞かせください。
大臣:
お尋ねについては、上野政務官の一議員としての政治活動に関する報道であると承知しておりますが、私から答弁することは控えたいと思いますが、いずれにしても、政治活動については、一人ひとりの政治家が、国民に不信を持たれることのないように、常にみずからが襟を正し、説明責任を果たすべきものと考えています。
 

(了)