2019年8月15日(木曜日)
10時24分~10時35分
於:記者会見室

冒頭発言

おはようございます。
私から、まず冒頭、1点申し上げたいと思います。

共同通信社のRCEP北京閣僚会合に関する記事

今月3日に中国・北京で開催をされ、私も参加をいたしましたRCEP閣僚会合に関して、共同通信社が、中国の胡春華副首相が基調講演の中で、「名指しは避けながら、日韓問題がRCEP交渉を停滞させることに危機感を示した」と報じているところであります。
しかし、この胡副首相の講演は、明らかに大詰めを迎えましたRCEP交渉全般について述べているものでありまして、具体的にはRCEP交渉について、電子商取引、知財、投資ルールなど各国の間に食い違いはあるが、国の安全保障に関するセンシティブな点をお互い理解し合って配慮しながら、実務的柔軟性に富んだ解決策を見いだすべきという発言でありまして、日本の韓国に対する輸出管理の運用見直しに関する発言と理解できる文脈では全くありません。
この講演は、プレスフルオープンの場面で行われていまして、ここにいらっしゃる皆さんの中でも参加をされていたわけでありますが、どの社もそういうニュアンスで報じたところは全くありません。誰が聞いても、日韓関係に懸念を示したというニュアンスすらもないわけであります。
共同通信社に対しては、事実を歪曲した報道をやめていただくとともに、訂正を求めたいと思います。
先日のRCEP閣僚会合において、韓国が議題と関係のない発言をし、それにやむを得ず私が反論した。これ以外は誰も発言も何もしていないということは、重要な事実でありまして、これを歪曲することはやめていただきたい、訂正を強く求めたいというふうに思っております。
私からは以上です。

質疑応答

韓国の日本向け輸出管理措置

Q: 日韓関係について3点伺います。韓国が12日、戦略物資の輸出手続を簡素化する優遇対象国から日本を除外すると発表しました。そのことに対する大臣の受け止めをお聞かせください。また、このことで考えられる日本経済への影響と今後の政府の対応方針を教えてください。

A: まず、今回の韓国政府の措置についての根拠ですとか理由の詳細、私も記者会見等でのやりとりを見ましたけれども、全く明らかになっていないというふうに思っています。
このため、今の時点では韓国側に対して、我々の担当者の方から実務的に詳細な説明を求めているところであります。
中身の詳細が分かりませんので、日本政府として今後の対応については、今の時点で予断をもってお答えすることは差し控えたいというふうに思っています。
なお、日本経済への影響でありますが、精査する必要はあると思っていますが、私自身も韓国から日本が輸入している品目などをざっと見る限り、与える影響は少ないんではないかというふうに思っていますけれども、いずれにしても、日本経済への影響というのはしっかり見ていきたいというふうに思っています。
従来から申し上げているとおり、輸出管理上の優遇措置というのは各国の責任によって判断をして適用するものでありまして、その運用変更について求めがあれば、日本も韓国には説明をしてきたわけであります。相手国と協議を行って何か決定したり、内容を変更するという性質のものではないわけであります。今回、韓国側は何か協議の可能性に言及、協議をすればというような言及があったわけですが、これは我々は協議する性質のものではないというふうに思っているところであります。
また韓国は、日本の措置に関しては、WTOに提訴するというふうにおっしゃっていたわけですけれども、それはどうされるのかなということも聞いてみたい気持ちはあります。

日韓関係

Q: やっぱり日韓関係についてお伺いしたいんですけれども、このたびの日韓関係、だんだん、すごい感情的な方にも入ってまいりまして、貿易そのものだけでなくて、例えば、韓国の食品メーカーのぬかエキスが日本製だったことが問題にされて抗議行動が起こったりとか、何かカイヅカイブキというヒノキの、これ何か向こう、韓国では日本を象徴するような木らしいんですけれども、それを学校に植えてあったのを、これを別の木にしようかという運動もありますし、「ドラえもん」の上映、映画が延期されたりとか、いろいろ文化面みたいなところにも及んでいるんですけれども、これをどう捉えられて…

A: 今おっしゃっていることは、全て韓国側の動きですね。我々日本政府としては、これは輸出管理上の措置として粛々と手続を行わせていただいている。韓国側から説明の求めがあれば、長時間説明も行ってまいりました。また、国民の視点から見ても、日本では不買運動とか、その手の運動は起こっていないわけであります。これはあくまでも輸出管理制度上の運用見直しを他の分野に影響をさせる、あるいはさせようという動きは、私は決して好ましいことではないというふうに思っています。

Q: 関連なんですけれども、大臣は貿易上の影響がないという一方で、観光客が減少したりですとか、日本メーカーの売上げが減ったりというところの他分野での影響があると思うんですけれども、その点については。

A: ですから、他分野に影響させる、あるいはさせようとする動きというのは、私は好ましいものではない。これは輸出管理上、制度上の運用見直しだということをよく御理解をいただきたいというふうに思います。

韓国の日本向け輸出管理措置

Q: 大臣、関連してなんですが、2点。韓国側と、今回の措置については協議する性質のものではないというふうにおっしゃいましたけれども、日本政府として何らか韓国と協議するという検討は今のところされていないのかという。

A: 全く、この件については協議するつもりはありませんし、我々としても韓国側の措置に関しては説明を求めていくということだろうというふうに思っています。

Q: あともう一点なんですが、韓国側がこういう恣意的な運用をしたとみなした場合、日本側としてWTOに提訴するお考えというのはあるんでしょうか。

A: まだ具体的に中身が、全くあの会見からは分かりません。意味もよく分からないという状況ですので、まずはその確認に努めたいというふうに思います。

韓国向け輸出管理措置

Q: 2点伺わせてください。1点目は、韓国との件なんですが、貿易管理上の対話については、再開する条件については、先般大臣、まず先方のミスリードを謝罪すべきだとおっしゃいましたけれども、その方向性というのは変わっていないということですか。

A: まずは7月12日ですね、説明という、説明の場として合意したことを協議の場と勝手に言い換えたり、我々は当然、説明の場ですから、要請などを受けるつもりも全くないし、そういう場ではなかったわけですが、撤回を要請したとおっしゃったりとか、もうこれでは、なかなか韓国と対話もできないという状況ですから、まずは7月12日のことについて、韓国側が軌道修正していただくことが何よりも重要だというふうに思っています。

Q: すみません、協議というのはその後に、韓国側が言っているような協議というのは、その後の段階…

A: 協議はあり得ません。まずは説明会の、軌道修正をしていただくということが大前提になりますけれども、次のステップとしては、これは局長級の政策対話ですね。輸出管理について長い間開かれてきていない政策対話について、これを再開させるかどうかという判断ということが1つのポイントになってくるんだろうと思っています。

日本経済の動向

Q: 2点目ですが、ちょっと話題は変わって、14日のニューヨーク株式市場、ダウ平均株価が800ドル下落しまして、日経平均も朝方、一時400円まで下がりました。世界経済の先行き不透明さが背景にあると思うのですが、日本としては10月に消費税の増税を予定されていて、現状の日本経済をどのように御覧になっているのか、御所見をお願いします。

A: 日本経済のファンダメンタルズはしっかりしているというのが、これは政府全体の判断だというふうに思っています。当然、消費税上げに関しては十分な対策も講じているわけであります。現に今、住宅や自動車で駆け込みのようなことも起こっていない。ある意味、対策は効果が出ているんだろうというふうに思います。平準化されているということだろうというふうに思いますので、そういった対策をしっかりと執行していくということが何よりも重要だというふうに思っています。

共同通信社のRCEP北京閣僚会合に関する記事

Q: すみません、冒頭の関係でちょっと一言お聞きしたいので、お願いします。
大臣のツイッターも拝見したんですけれども、RCEPの関係で何度かあったんですけれども、先週の段階で、事務方の方にも経緯とかを説明するということで打診しているということを御了解ください。
あともう一点、ツイッターで韓国の輸出管理について、弊社が引用していないというツイッターの書き込みもありましたけれども、ありがたく引用させていただいているので、その辺も御了承ください。

A: それは私も地方紙、共同通信、契約していませんので、一般人の立場で見れませんから、私の確認できる範囲で見たということであります。
共同通信さんがそうおっしゃるんなら、私ももう一つ申し上げますが、MOX燃料の処理費用の計上問題について、これもう1年近く店晒しになっているわけでありますから、この訂正も強く求めたいというふうに思います。

Q: 御指摘の件は承りました。

以上

最終更新日:2019年8月15日