令和元年8月2日(金)

 本日の閣議においては,法務省案件はありませんでした。
 続いて,私から2件報告があります。
 本日,本年6月末時点の特定技能に係る在留外国人数を法務省のホームページにおいて公表します。
 在留外国人数は既に我が国に入国し在留されている方の数ですが,四半期に一度,法務省から定期的に公表することとしている最初の公表になります。
 6月末時点の特定技能1号の在留外国人数は,20人でありました。なお,速報値ではありますが,7月末時点の在留者数は44人であり,1か月で倍増しています。
 また,特定技能に係る申請を行った方及び特定技能への変更準備のため特定活動の在留資格に変更した方といった,特定技能に係る手続を執られた方は,7月末時点で1,100人を超えています。
 さらに,各分野の試験合格者も既に2千人近くにまで達しており,これらを踏まえると,特定技能外国人は今後着実に増加していくものと考えています。
 その他,特定技能外国人の支援を担う登録支援機関も1,526件登録されており,支援の体制も整ってきています。
 今後,国内外での各分野における技能試験実施を強力に推進するとともに,制度について情報提供をきめ細やかに行い,企業等受入れ機関,外国人の方々に積極的に利用していただけるよう努めてまいりたいと考えています。
 2件目は,日本語教育機関の告示基準についてです。
 昨日,日本語教育機関の告示基準を改正し,公表しました。
 今回の改正は,日本語教育機関の質の向上と適正な管理を図ることを目的として,告示から日本語教育機関を抹消する基準の追加等を行うものです。
 今後,この改正後の告示基準を,出入国在留管理庁において適切に運用し,日本語教育機関の適正化に努めてまいります。

特定技能制度に係る在留状況等の公表に関する質疑について

【記者】
 4月から始まった特定技能制度についてですが,従前,地方への偏在を防ぐために,3か月ごとの各地域の在留状況等の公表をするということで,今回,初めての発表で人数が出ました。これに対する大臣の受け止めや展望,また,今後の都市部偏在に対するお考えをお聞かせください。

【大臣】
 特定技能外国人在留者数については,政府全体で制度を積極的に利用していただける体制を確実に整備していくことによって,今後着実に増加していくものと考えています。
 地方への配慮の重要性の認識ですが,地方での受入れに関しては,今後の受入れ状況を逐一把握しつつ,外国人材の大都市等への集中防止対策を実施してまいりたいと考えています。その対策としては,本年6月に取りまとめられた「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策の充実について」,これは昨年12月に取りまとめられた総合的対応策をさらに充実させるものですが,そこにおいて,外国人材と地域の企業とのマッチングを支援するための施策,地方創生推進交付金の活用促進策と外国人材の受入れ・定着に取り組む地方公共団体を支援するための施策が盛り込まれていまして,これらを着実に実施してまいりたいと考えています。

【記者】
 在留者数について,6月末時点で20人,7月末時点で在留者44人と今回発表がありましたけれども,今後5年間で34万人の上限が定められている中で,今回のこの数字,20人,44人について御所感をいただけないでしょうか。

【大臣】
 確かに7月末時点の在留者数は44人ということになっていますが,これは1か月で倍増しており,また,特定技能に係る申請を行った方及び特定技能への変更の準備のための特定活動の在留資格に変更した方といった,特定技能に係る手続を執られた方は,7月末時点で既に1,100人を超えているところです。また,各分野の試験合格者も既に2千人近くにまで達しており,これらを踏まえると特定技能外国人は,今後着実に増加していくものと考えています。この点に関して,今後,国内外での各分野における技能試験実施を強力に推進するとともに,制度について情報提供をきめ細やかに行い,企業等受入れ機関や外国人の方々に積極的に利用していただけるよう努めてまいりたいと考えています。法務省としても,総合調整機能を発揮しながら,政府全体で,試験が実施される分野の拡大を強力に推進していくこととしていまして,制度を積極的に利用していただける体制を確実に整備していきたいと考えています。

【記者】
 今の件ですが,特定技能への特定活動の在留資格に移行した方というのは,これは技能実習生などから変更されたということでしょうか。

【大臣】
 その詳細については,事務方にお問い合わせいただきたいと思います。

東日本入国管理センターにおけるハンガーストライキに関する質疑について

【記者】
 別件ですが,今も牛久の東日本入国管理センターでのハンストが続いています。体調の悪化に伴い,仮放免と再収容を繰り返しているようなのですが,根本的な解決とは程遠い状況のようです。それで,長期無期限収容とか処遇改善を求める申入れが東京弁護士会からも7月1日と7月31日に2回にわたって出されていますし,全国の収容所でも同じような状況が頻発しているような状況もあると思います。自殺事案ですとか死亡事案もあるということで,やはり根本的な見直しというか,長期無期限収容に関する見直しも必要だと思うのですが,それについて大村収容所の見直し検討チームのことも含めて,今後どのような対応を抜本的な見直しとして考えていらっしゃるのか,基本的な考えがあればお願いします。

【大臣】
 まず,基本的な考えとしては,御指摘の施設に収容中の者は,退去強制令書の発付を受けて収容されている者であり,このような退去強制令書の発付を受けて収容している者は,我が国での在留が好ましくない,例えば在留資格を有しないなどの法律上の在留要件を満たさない,あるいは,我が国において犯罪を犯し,長期の懲役刑等の刑罰の適用を受けたことにより,我が国での在留が好ましくないと判断され,退去強制令書の発付を受けている者です。こうした者を,例えば放免するということは,我が国社会において果たして好ましいものかどうかということに関しては,慎重な検討が必要であろうと考えています。
 他方で飲食物を摂取しないということは,被収容者本人の健康上の問題があり,速やかに中止させることが重要です。これにつきまして,被収容者に対し,摂食するよう指導・説得を継続しているところであり,この説得に応じて摂取を再開した者も少なからずいるところです。それ以上に強制的な栄養摂取を行うということは,現段階で直ちには困難というふうに考えていますので,今後とも指導・説得に努めたいと考えています。
 他方でこの入管収容施設の収容は,被収容者が退去強制令書に従って出国することですぐさま収容状態が解かれるという性質の施設です。長期収容というのは,送還の促進によって解消すべきものであると考えています。いずれにしても引き続き入管当局が,被収容者に対し,適切な処遇に努めていくということで承知しているところです。

【記者】
 関連です。大臣はいつもそのようにお答えになるのですが,収容されているその中でも難民性の高い方で難民認定になっていない方ですとか,家族が日本にいる方,それでもちろん刑法に引っかかった方もいらっしゃいますが,入管法の違反だけという方もたくさん収容されているわけです。そういうわけで,今までは仮放免にしても在留特別許可にしてもたくさん出ていた時期もあるわけですし,大臣は2018年2月28日付けの法務省入国管理局長指示に従う形で今のような御答弁をされていると思うのですが,いろいろ是正勧告等も出ておりますし,オリンピックに合わせて在留特別許可,アムネスティですとか,収容の見直しですとか,そういった基本的な見直しというのは今のところされるお考えはないということでしょうか。

【大臣】
 先ほど申し上げたように,退去強制令書によって我が国の在留が好ましくないと判断された方々に対しては,まず我が国の入管法等の関連法規に従って対応するというのが我々の基本方針であるということです。

(以上)