冒頭発言

【河野外務大臣】ASEAN関連外相会合,外務大臣就任以来,今回が三回目となります。日ASEAN外相会議では,昨年,友好協力45周年を迎えた日ASEAN関係を推進し,戦略的パートナーシップを強化していくということで一致をいたしました。ASEAN側からは,防災あるいは人材育成,人的交流をはじめとする幅広い分野での協力への期待と謝意が表明されました。北朝鮮,南シナ海といった地域情勢についても日本の立場を発信すると同時にASEAN諸国との連携について確認をいたしました。
 このほか,日米豪の三か国を入れれば,バイの会談10件行い,各国と緊密な連携を確認いたしました。日米豪の閣僚級戦略対話では,北朝鮮,南シナ海を含む地域情勢について議論をし,明日のEASあるいはARFに向けて連携をしていこうということを確認いたしました。以上です。

質疑応答

【記者】日韓関係についてお伺いします。今日の日韓外相会談の関連で,康京和(カン・ギョンファ)長官が,日本が韓国をホワイト国から除外するという方針について強く反発して中止するように求めたと明らかにしています。これについて大臣からはどのように説明をされたのでしょうか。

【河野外務大臣】私からは,旧朝鮮半島出身労働者の問題は極めて重大な問題で,日韓の両国関係の法的基盤を著しく損なっている。韓国政府にしっかりとこの状況を是正してほしいということを申し上げました。特に私からは,それ以外のことについてあまり申し上げておりません。

【記者】確認ですけれども,康京和長官が求めているホワイト国からの除外をやめてほしいということに対しては,特段のお答えはなかったということなのでしょうか。

【河野外務大臣】外務省としては,この旧朝鮮半島出身労働者の問題,これが今の両国関係の中で一番大きな問題ですから,この問題について韓国政府がきちんと対応していただく必要があるということを申し上げました。輸出管理については,これは経産省マターですので,特に私から何か申し上げるということはございません。

【記者】関連で,今日アメリカのポンペオ国務長官が河野外務大臣と短い時間言葉を交わしたと明らかにしておりまして,その中で日韓関係の改善というものに対して期待を示されています。このポンペオ長官とのやりとりの中でどういったやりとりがあったのか,また大臣からどのように説明をされたのか教えてください。

【河野外務大臣】おそらく日米豪の三か国の戦略対話のあと,少し歩きながら話しましたが,メインの話題はハガティ大使の急な離任と,その後継の話でございました。日韓についても一言二言ありましたが,特に何かということはありませんでした。

【記者】今日の日韓外相会談を通じて,日本の貿易通商政策に関する政策の転換というか,変更はあったのでしょうか。ホワイト国を除外するという方針を変更するということはあったのでしょうか。

【河野外務大臣】輸出管理については経産省の主管ですから,経産省におたずねください。

【記者】アメリカが日韓の関係について仲介案を提示したということが取りざたされていますが,日本に仲介案の提示はあったのでしょうか。

【河野外務大臣】全く事実としてありません。

【記者】康京和外相が,GSOMIAについて言及があったというふうに聞いているのですが,それについて大臣から何かお答えになったりとか,安全保障上の理由から,ホワイト国から除外するというような説明もされなかったということですか。

【河野外務大臣】輸出管理については,これは経産省の主管ですから,私から何か申し上げることはありません。

【記者】GSOMIAについては康京和外相からありましたか。

【河野外務大臣】今日,特に私から何か申し上げたということはございません。

【記者】向こうからは言及はありましたか。

【河野外務大臣】先方の発言については差し控えます。

【記者】本日までに,日朝の何らかの接触,事務レベルも含めて接触,会談などはございましたでしょうか。

【河野外務大臣】日朝,様々なルートを通じてやりとりはしております。特にバンコクで何かということはございません。

【記者】この後予定しているということもございませんでしょうか。

【河野外務大臣】この後どうなるかはわかりません。

【記者】ポンペオ国務長官からは,明日の日米韓の会談で日韓問題も何か取り上げるようなsuggestionというのはあったのでしょうか。

【河野外務大臣】特にありません。

【記者】大臣としては日米韓の会談ではどういったことを。

【河野外務大臣】北朝鮮に関する三か国の連携の確認ということだろうと思います。

【記者】康京和長官は,会談後の記者会見で記者団に対して,GSOMIAのほうと連動だと思うのですが,韓日の安保協力に影響があるというようなことをおっしゃっています。GSOMIAのことが発言が出たかどうかは別として,GSOMIAがあることの意義というのを大臣はどういうふうに考えておられますか。

【河野外務大臣】日韓の連携の中で,非常に重要なことだと思っております。

【記者】康京和長官が影響があるとおっしゃるのであれば,日本として韓国に離脱をやめるように呼びかける,そういう考えはありますでしょうか。

【河野外務大臣】これは安全保障上の問題ですから,ほかの問題と混同されることはないというふうに思っております。

【記者】康京和長官はぶら下がりの中で,もしもホワイト国の除外が閣議決定された際には,何らかの対抗措置をとることもありうるというような趣旨の発言をされていますが,どういう対抗措置かは別として,日韓関係がこういうふうになってしまっていることであったり,またその対抗措置の応酬というような形になりかねない事態を今はどのようにお考えでしょうか。

【河野外務大臣】今の日韓両国の問題は,ひとえにこの旧朝鮮半島出身労働者に関する大法院判決が韓国の国際法違反の状況を作り出していることにありますので,韓国政府におかれては,速やかな是正措置をとっていただきたいと思います。

【記者】その是正措置について韓国側から何らかの検討はしているというような状況,何か改善策というものは何か示されたのでしょうか。

【河野外務大臣】今日は特にございません。