1. 1 本31日,阿部俊子外務副大臣及び岸輝雄外務省参与(外務大臣科学技術顧問)の出席の下,「科学技術外交推進会議」の第10回会合が開催されました。

     冒頭,阿部外務副大臣から,科学技術外交推進会議がこれまでに提出したSDGsに関する2本の提言平成29年5月12日平成30年5月28日)を踏まえてG20開発作業部会で作成された「STI for SDGsロードマップ策定のための基本的考え方」が,G20大阪サミットにおける「大阪首脳宣言」の附属文書に採択されたことを述べ,岸科学技術顧問及び科学技術外交推進会議の貢献に謝意を表しました。また,TICAD7に向けて科学技術外交推進会議から提出された提言を踏まえ,TICAD7を科学技術イノベーション人材の育成への貢献やSATREPS等のグッドプラクティスをアピールし,アフリカとの科学技術イノベーション分野における協力を強化する機会とすべく取り組んでいく旨述べました。

    2 岸科学技術顧問から,今年度の活動概要(TICAD7に向けた取組,日本のSTIに係る対外発信の取組,ネットワーク構築に資する取組)を紹介しました。また,今後とも積極的に活動していくところ,委員や関係者の協力を引き続きお願いしたい旨述べました。

    3 狩野次席科学技術顧問から,本年の4月1日に次席顧問としての職務を嘱託されて以降の科技外交の提言,発信,ネットワーク構築に係る活動内容と今後の予定について説明をしました。また,今後もライフサイエンティストの知見を活かして岸顧問の補佐と科学技術外交の推進に注力したい旨述べました。

    4 総務省から,G20貿易・デジタル経済大臣会議の結果概要が紹介されました。

    5 以上を踏まえ,出席者の間で,科学技術外交の視点から取り組むべき課題等について活発な議論が行われました。

    [参考1]外務省参与(外務大臣科学技術顧問)
     平成27年9月,外務省参与(外務大臣科学技術顧問)として,岸輝雄東京大学名誉教授が任命された。外務省参与(外務大臣科学技術顧問)は,外務大臣の活動を科学技術面でサポートし,各国の科学技術顧問・科学技術分野の関係者との連携強化を図りながら,各種外交政策の企画・立案における科学技術の活用について外務大臣及び関係部局に対し助言を行う。

    [参考2]「科学技術外交推進会議」
     
     平成27年12月,岸田文雄外務大臣(当時)は,科学技術の各種分野における専門的な知見を外務省参与(外務大臣科学技術顧問)の下に集め,我が国のトップ外交やハイレベル国際会議を含む各種外交政策の企画・立案過程に活用するため,「科学技術外交アドバイザリー・ネットワーク」を構築することとし,その一環として,科学技術外交の関連分野における学識経験者に対し,「科学技術外交推進会議」の委員を委嘱した(現在,委員は岸顧問含め18名)。

    [参考3]SATREPS(Science and Technology Research Partnership for Sustainable Development:地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム)
     開発途上国の研究者が日本の研究者と共同で研究を行う3から5年間の研究プログラム。国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)並びに国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)と独立行政法人国際協力機構(JICA)が共同で実施している。(1)日本と開発途上国との国際科学技術協力の強化,(2)地球規模課題の解決と科学技術水準の向上につながる新たな知見や技術の獲得,これらを通じたイノベーションの創出,(3)能力構築を目指すもの。