令和元年7月30日、安倍総理は、総理大臣官邸で北方少年少女(北方領土元居住者の3世・4世等の中学生)による表敬を受けました。

 7人の少年少女が、それぞれ北方領土への思いを語った後、総理は、次のように述べました。

「今日はようこそ、総理官邸にお越しいただきました。ただいま、皆様から、ひいおじいさん、ひいおばあさん、おじいさん、おばあさんの思い、また、北方領土についての皆さんの思いを伝えていただきました。
 この問題は残念ながら、戦後70年以上解決されていない問題であります。2016年に私のふるさとである長門(ながと)においてプーチン大統領と会談を行い、新しいアプローチ、つまりお互いの国民が理解を深める中において平和条約を締結していこう、正に領土問題を解決して平和条約を締結していこうという基本的な考え方で、一致したところであります。
 そして、昨年末に、プーチン大統領と、1956年の共同宣言を基礎として平和条約交渉を加速させるということで一致したわけであります。
 新しいアプローチの中において、今年の8月に航空機による墓参を行うことで調整中であります。これは元島民の皆さんも、大変お歳を召す中においてなるべく楽なかたちで四島を訪問できるということでロシア側も受け入れてくれたことでありますが、そういうことを重ねていきたいと思っています。
 また、私のふるさと長門で首脳会談を行った際には、元島民の方の手紙をプーチン大統領にその場で読んでもらったわけでありますが、切実な思いが伝わったのではないかというふうに私は期待しているわけであります。
 また、四島における共同経済活動、これは正にお互いが協力して様々なことを成し得ていく中において、平和条約の重要性をお互いが認識するということのための重要なことなんですが、今年の秋において、ごみ処理の、そして観光についての分野においての試験的な取組を行うことにおいても合意をしているところでございますが、こうしたことを進めながら両国の国民が領土問題を解決して平和条約を締結することの重要性について理解を更に深めていきたいと思いますし、またプーチン大統領との間においても、私たちの手でこの問題を解決するということは大統領と一致をしているところでございますので、更にこの問題を解決するまで、平和条約締結交渉を促進するために更に全力を傾けていきたいと思います。その中で、皆様が行っている活動というのが極めて重要なことであります。日本国民自体が領土問題、平和条約について関心をもっていろいろなことを知ることがとても大切なんだろうなとこう思います。皆様のそうした活動、これからも是非続けてもらいたいと思います。どうもありがとうございました。」

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