(令和元年7月29日(月)16:05 ~ 16:25 省内会見室)

【広報室】

会見の詳細

閣議等について

大臣:
冒頭ありません。

質疑

記者:
先週ですが、ハンセン病の家族訴訟の件で、原告団・弁護団側と厚労省の実務的協議を月内にもというお話でしたが、その後の進捗状況を教えてください。
大臣:
原告団・弁護団から要請のあった、「実務的な協議の場」については、すでに先週、弁護団と厚生労働省事務方との間で補償についての実務的な協議の開始をいたしました。実務的な協議には、厚生労働省からは、健康局の担当課長などが対応しています。先方からの希望によって、開催予定も含め非公開で実施することを前提に協議を行っており、これ以上のコメントは差し控えたいと思います。
記者:
遺骨収集事業について、三点ご質問します。一点目、日米の違いについてなのですが、アメリカの場合はすべての遺骨から検体を採取して鑑定をするという方法をとっていますが、日本は、歯と四肢体だけに絞って鑑定を行っています。なぜアメリカと同じように日本も鑑定ができないのかというのが一点目。二点目ですが、こちらは遺族の高齢化について伺います。検討会議の中でも遺族の高齢化が進むとDNA鑑定が難しくなるとしばしば言及されているわけですが、この現状について厚労省ではどう受け止めていらっしゃいますでしょうか。続いて、三点目、具体的な事案について伺うのですが、平成28年8月から9月にかけてのテニアン島での遺骨収集事業についての件ですが、この件は伊藤久男さんという方が収集にあたられて、その関係者とみられる遺骨が実際に見つかったのですが、当時、歯がないために鑑定が行われずに現地で焼骨に至っています。この場所での作業もその後がいようだと判断されているのですが、その後、今年の6月になって伊藤久男さんの鑑定者の歯が見つかっています。厚労省としては遺族の心情に寄り添って進めるべきだとしていることも踏まえると、誠意ある対応が当時できたのではないかと考えるのですがいかかでしょうか。以上、お願いします。
大臣:
まず、最初のアメリカと日本の話しがありました。国のために尊い命を捧げられた戦没者の御遺骨を我が国に帰還させることは、国の責務であって使命であると考えています。御遺骨を御遺族にお返しするため、平成15年度から、遺留品等を手がかりに御遺族を推定できる場合は、希望する御遺族に対して、DNA鑑定を実施してきました。DNA鑑定に当たっては、遺骨の一部である検体からDNAを抽出し、鑑定を行っています。検体の対象とする部位については、「戦没者遺骨のDNA鑑定人会議」の専門家の意見を踏まえて、決定しています。今般開催された「戦没者の遺骨収集の推進に関する検討会議」には、DNA鑑定人会議の専門家も参加しており、検体についても議論が行われております。DNA鑑定については、来月予定されている検討会議の中間とりまとめも踏まえ、対応していきたいと考えています。さらに、遺族の高齢化が進むとDNA鑑定が難しくなるというお話でありますが、平成28年度から、一柱でも多くの御遺骨を御遺族にお返しするため、記名のある遺留品等が無くても、ある程度戦没者が推定できる場合に、御遺族に対しDNA鑑定を呼びかける試行的取組を沖縄で行っております。しかしながら、これまでのところ、戦没者の身元特定には至っておりません。このような状況を踏まえ、検討会議において、南方等における遺留品等のない御遺骨のDNA鑑定の今後の方向性について、議論が行われました。DNA鑑定については、来月予定されている検討会議の中間とりまとめも踏まえ、この夏を目処に、厚労省として具体的な方針を示す予定であります。お尋ねの事案ですが、個人情報にも関わる個別の事案であるため、私からお答えすることは差し控えたいと思います。遺骨収集は、御遺族の心情に寄り添って進めるべきであり、今後とも、一柱でも多くの御遺骨を収容し、御遺族にお返しできるよう、全力を尽くして行きたいと思います。
記者:
一点目の質問に関連してですが、日米の鑑定についての違いについて伺ったわけですが、違いとして、日本の場合は遺骨の数が多いことやアメリカに比べて予算が比較的限られているというところがあると思います。そうすると、なされるべき鑑定、目指すべき鑑定の適切な実施に影響があるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
大臣:
29年4月からは、歯に加えて、四肢骨も対象としています。我が国では、御遺骨の一部をDNA鑑定の検体として採取後、我が国の慣習に基づく慰霊行事の一環として、残りの御遺骨を現地で焼骨をしています。いずれにしても、検体の対象とする部位については、「戦没者遺骨のDNA鑑定人会議」の専門家の意見を踏まえておりますので、アメリカと日本の対応が異なっていますが、我々は「戦没者遺骨のDNA鑑定人会議」の専門家の意見を踏まえ、決定しているということであります。
記者:
れいわ新撰組の関係でお尋ねなのですが、今回当選されたお二人が障害を持たれていて、国会議員での活動をすることによって、介助費が打ち切られてしまうということに伴って、なんとか介助費をつけてほしいという要望をされていますが、現時点で厚生労働省での対応や方針で決まっていることがあれば、教えてください。
大臣:
国会議員になったことで、重度訪問介護サービスが打ち切られるということはありません。引き続き、居宅での生活に必要な支援について、サービスを受けることは可能です。一方で、国会議員に限らず、障害者の方々の通勤や就労のための介助は、勤務先、今回の場合は参議院ですが、勤務先における合理的配慮の範囲をどう考えるかという課題があることから、現在、公費による重度訪問介護サービスの対象とはしておりません。そうした中で、厚生労働省としても、障害者の方々がより働きやすい社会を目指す上で、働く際に必要になる介助は重要な課題と受け止めております。どのような対応が考えられるのか、様々な観点から検討していかなければならないと考えております。また、今回、どのように対応するのかについては、国会、具体的には参議院事務局において検討されると聞いております。厚生労働省としても、必要な協力を行っていきたいと思います。
記者:
今の質問に関連しまして、必要な協力というのは参議院事務局が検討するとのことでしたが、事務局として例えばどういうところを考えられるのでしょうか。
大臣:
参議院事務局は、重度訪問介護サービスと同様の介助を提供することを検討中のようですが、我々この分野を担っていますから、その観点から今の現行の制度等についてきちんと説明をしていきたいと思います。それを踏まえて、参議院事務局がどういうあり方であるべきかと、これは検討していただくものと考えています。
記者:
基本的には参議院の事務局で、今の制度に基づいて、参議院事務局で合理的な配慮を考えると。
大臣:
重度訪問介護サービスというのはこういうものですよと、それから、合理的配慮は、基本的には事業者が合理的配慮をどう考えるかということ、これが一般論ですが、我々はこういう体系でやっておりますということをきちんと説明させていただいて、情報提供させていただく。それを踏まえて参議院事務局が検討されるものと思います。
記者:
今、省令とかで定めている重度訪問介護の基準などそういったものを見直すことは現時点では考えていないということでしょうか。
大臣:
厚生労働省がこの今の重度訪問介護サービス等を見直すかどうかということとは、私は別問題だと思います。今、重度訪問介護サービスというのをやっているわけですが、これは、こういう趣旨でこういうサービスをやっておりますと、現行制度を説明して、そこを理解していただいた上で、参議院事務局が対応を考えるということだと思います。
記者:
明日いよいよ最低賃金の件が大詰めを迎えるのですけれども、改めて厚労省としてのスタンスですとか期待だったりとかを教えてください。
大臣:
現在中央最低審議会において今公労使の委員の方々に目安額の審議を行っていただいているところでありますから、引き続き真剣な議論が行われることを期待したいと思います。
記者:
今のに関連して最低賃金の方ですけれども、先ほど安倍総理に報告で大臣行かれたと思うのですけれども、その内容について今回全国加重平均1000円をより早期に達成すること、それと地域間格差に配慮すると骨太の方針にありますけれどもその部分に係る部分で報告されたことがあれば教えてください。
大臣:
今年度の最低賃金の審議の状況について状況報告を行ったということであります。今骨太の方針等でも考え方自体は示されていますからそれを踏まえながら今の審議状況について報告をしたということです。
記者:
もう一点だけ別件でお伺いします。先週全国過労死を考える家族の会が厚労省のホームページに掲載されている36協定の届け出記載例について過労死ラインを認める内容になっているので改善してくださいという申し入れ書が来ると思うのですけれども今後の厚労省の対応を教えてください。
大臣:
「全国過労死を考える家族の会」から、厚労省で示している36協定届の記載例について、ご懸念の声をいただいたところであります。記載例は36協定届の記載の仕方や、注意点について解説しているもの、基本的にはそういう性格のものであります。家族の会からご指摘いただいている点は、時間外労働が1か月90時間、80時間という記載例は月100時間未満に限ることや、2か月から6か月平均で月80時間を超えてはならないことについて、解説するためのもの、そして限度時間を超える回数が年6回という記載例は年6回以内に限ることについて解説するためのもの、要はこれは解説するためのものというのが基本的な性格だということであります。いずれにしても時間外労働は必要最小限にとどめるべきものであり記載例にもその旨を明記し、労働基準監督署でもそのように指導を行っています。記載例の考え方は今私が申しあげた考え方ですが今回家族の会からご懸念の声をいただいたので、懸念のない形でわかりやすく周知できるように記載例の表現ぶりについては工夫を検討していきたいと思います。
記者:
先ほど遺骨収集の件で追加なのですけれども大臣日本とアメリカ異なっているということを少しおっしゃられまして大臣の中でもそのような認識をお持ちなんだということが分かったのですけれどももう少しそこを詳しく知りたいのですけれども日本とアメリカ何が違うと大臣考えておられますでしょうか。
大臣:
私が先ほど、日本の考え方を申し上げました。日本の考え方はまず29年4月からは歯に加えて、四肢骨も対象としています。我が国では、御遺骨の一部をDNA鑑定の検体として採取後、我が国の慣習に基づく慰霊行事の一環として、残りの御遺骨を現地で焼骨する、これは日本の考え方で、アメリカはその点が日本とは対応が異なってますがこれはあくまで日本は「戦没者遺骨のDNA鑑定人会議」の専門家の意見などを踏まえて決定しております。これは我が方はDNA鑑定の検体として、採取の我が国の慣習に基づき慰霊行事の一環として残りの遺骨を現地で焼骨して、まあアメリカはその点は違うという認識ですが要は我々は我々の考え方で行っているというこういうことであります。
記者:
日本とアメリカを比べると予算がかなり限られていたりですとかあとご遺族の方のサンプルをほとんど、アメリカと比べるとかなり量が少ないということもあって、かなり制約された条件の中でやらざる負えないかなと思うのですが、その中で端的にお伺いしたいのですけど、なんで日本の遺骨収集がこんなアメリカより遅れているのかということなのですが、大臣そのあたりどう考えます。
大臣:
いずれにしても鑑定体制の充実が必要だと考えています。
記者:
充実といいますと例えばどんなことをやりたいでしょうか。まあどういう問題意識に基づいて充実させるべきだと考えておられますか。
大臣:
もう私の考え方は先ほどのお答えで申し上げたとおりであります。
記者:
予算ですとか遺族のサンプルが限られているということについてはどうお考えですか。
大臣:
検討、鑑定体制の充実が必要だと考えています。
記者:
あとアメリカに比べて遅れているんじゃないかと私は思うのですけれども、そのあたりについて大臣どうお考えでしょうか。
大臣:
我々は「戦没者の遺骨収集の推進会議に関する検討会議」これを行ってそしてDNA鑑定人会議に専門家も参加しておりここも「戦没者の遺体遺骨収集の推進に関する検討会議」で検体についての議論が行われている、DNA鑑定については来月予定されている検討会の中間とりまとめを踏まえ対応していきたいとこれが我々の基本的な方針です。
記者:
そうはおっしゃられても現にアメリカのDPAのと比べると科学的に明らかに遅れを取っていますし、遺族の不満もあると思うのですがそういう現状にあまり答えいただいていないと思うのですが、そのあたりいかがでしょうか。
大臣:
「戦没者の遺骨収集の推進に関する検討会議」でそのあり方については我々検討しておりますから、来月に予定されている検討会の中間とりまとめを踏まえ対応していきたいと思います。
記者:
今の方針で問題ないと考えておられるということなんですか。
大臣:
一言だけ言えばここは議論をする場ではないと私は思っておりますので、今私が申し上げた考え方でこれはつきていると思います。我々の方針はもう既に申し上げたとおりであります。
記者:
議論ではなくて納得いかないのでお聞きしているということなのですけれども。質問に直接お答えいただいてないので。
大臣:
それぞれ納得されるかどうかはそれぞれの判断があると思います。我々はあくまで「戦没者の遺骨収集の推進に関する検討会議」で必要な議論を行っております。以上。
記者:
同じことはご遺族にも言えますか。
大臣:
我々はご遺族に寄り添ってこれまでも国のために尊い命をささげられた戦没者のご遺骨を我が国に帰還させるこれは国の責務かつ使命であると思っておりますし、これまでも平成15年度からは遺留品などを手がかりにご遺族を推定できる場合は希望するご遺族に対してDNA鑑定を実施してきましたし、これまでも様々な検討の中でこの内容の充実をはかってきておりますから我々はこれからもしっかりと取り組んでいきたいと思っております。

(了)