2019年7月24日

経済産業省は、各地域の経済動向を把握するために、各地方経済産業局が四半期ごとに行っている地域経済産業調査の結果を取りまとめました。

【今回の調査結果のポイント】
全体の景況判断は、前期から据え置き、「一部に弱い動きがみられるものの、緩やかに改善している」としました。
地域別の景況判断は、近畿、中国で上方修正し、その他の地域は据え置きました。

1.地域経済産業調査について

各地方経済産業局が管内の企業等に対して、業況、生産、設備投資などの地域ごとの経済動向を把握するために四半期ごとにヒアリング調査等を実施し、その結果を集約・分析しているものです。

  • 調査期間:5月31日~6月28日
  • 調査対象企業数:775社

2.全体総括

一部に弱い動きがみられるものの、緩やかに改善している(→)
生産は、中国など海外経済減速の影響等により、電子部品・デバイスがスマートフォン関連などで弱い動きがみられるものの、輸送機械が高水準、生産用機械が底堅く推移しています。設備投資は、受注増加に向けた生産能力増強や人材不足解消のための省人化投資等で増加傾向が続いています。雇用は、有効求人倍率が高水準で推移しています。個人消費は、一部に弱い動きがみられるものの、高額品は引き続き好調です。

3.各地域の概要

【北海道】緩やかに持ち直している(→)
生産は、石油製品の生産体制の見直しなどにより、やや弱い動きとなっています。個人消費は、飲食料品の堅調な動きなどから持ち直しています。観光は、ゴールデンウィークで国内客は好調なほか、インバウンドは引き続き堅調です。

【東北】一部に持ち直しの動きがみられるものの、足踏み状態となっている(→)
生産は、電子部品・デバイスがスマートフォン関連で弱含んでいるものの、生産用機械が半導体関連を中心に底堅く、輸送機械が持ち直しており一進一退です。個人消費は、自動車や高額品に動きがみられましたが、全体としては足踏み状態となっています。

【関東】緩やかに改善している(→)
生産は、引き続き国際情勢の影響等もあり電子部品・デバイスが弱含んでいるものの、輸送機械の需要が堅調であるなど一進一退で推移しています。雇用情勢は着実に改善する一方で、人手不足が継続しています。個人消費は、業態間の差異は伴いつつも緩やかに持ち直しています。

【東海】改善している(→)
生産は、電子部品・デバイスは減少しているものの、主力の輸送機械が高水準で推移しています。個人消費は、コンビニエンスストア、ドラッグストアなどが堅調であることから、緩やかに持ち直しています。

【北陸】一部に弱い動きがみられるものの、改善している(→)
生産は、電子部品・デバイスでスマートフォン向けが減少しているものの、化学や生産用機械を中心に高水準で推移しています。個人消費は、スーパー、ドラッグストアなどで飲食料品を中心に堅調な動きがみられ、持ち直しています。

【近畿】緩やかに改善している(↗)
生産は、海外経済の影響を受けるも内需が堅調で底堅い動きがみられます。個人消費は、インバウンドが好調を維持し、国内向けにも高額品や高付加価値品が堅調で、緩やかに改善しています。

【中国】一部に弱い動きがみられるものの、緩やかな持ち直しの動きとなっている(↗)
生産は、電子部品・デバイスなど一部に弱い動きがみられるものの、自動車の新型車の本格生産開始等により緩やかな持ち直しの動きとなっています。個人消費は、高額品のほか、花見需要や改元にちなんだ飲食料品などが好調で緩やかな持ち直しの動きとなっています。

【四国】持ち直しの動きに足踏み感がみられる(→)
生産は、電気機械等で一部に弱い動きがみられるなど弱含みで推移しています。個人消費は、気温が高めに推移し季節商品に影響がみられたことから持ち直しの動きとなっています。

【九州】横ばいとなっている(→)
生産は、自動車が堅調に推移する等、横ばい傾向です。個人消費は、改元、ゴールデンウィーク効果はありましたが、全体としては横ばいとなっています。

【沖縄】改善が続いている(→)
観光客数の増加、個人消費の堅調さを背景に改善が続いています。また、設備投資も持ち直しています。

※前回調査時の景況判断と比較して、上方に変更の場合は「↗」、変更がない場合は「→」、下方に変更の場合は「↘」としています。

関連資料

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地域経済産業グループ 地域経済産業調査室長 後藤
担当者:福島、美留町、岡田

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