(令和元年7月23日(火)11:37 ~ 11:53 省内会見室)

【広報室】

会見の詳細

閣議等について

大臣:
冒頭ありません。

質疑

記者:
ハンセン病家族訴訟についてお伺いします。明日の24日にも総理と大臣が原告らと面会するとの報道がありますが、現在どのように調整が進んでいるのかを教えていただけますでしょうか。また、補償に関する協議の場についても、どういうスケジュールをお考えかお聞かせください。
大臣:
ハンセン病患者・元患者のご家族との面会については、引き続き、調整中であり、今朝の段階では、まだ、具体的なコメントは差し控えたいと思います。いずれにしても、まず私が面会して、皆様のお気持ちとご意見をしっかりとお伺いすることが大事だと思っております。そして、お伺いすることが、協議の場のスタートになると考えています。その後の具体的な協議の場の持ち方や日程については、家族の方々のご意見を伺いながら、進めていきたいと考えています。
記者:
日本年金機構で国民年金保険料の未納者情報が入った記録媒体を紛失していたという問題について、事実確認と今後の対応について教えてください。
大臣:
今のお尋ねですが、日本年金機構東京広域事務センター内において、国民年金納付督励業務、この納付督励業務の委託事業者から東京広域事務センターに送付されたDVDの所在が不明であることが判明した、という事案だと認識しています。このDVDには個人情報は含まれていますが、万一の事態があっても個人情報が外部流出することのないよう、必要な措置が施されていたと聞いています。具体的には、政府として奨励している高度な暗号化措置を講じていること、その暗号化されたものの復元は、この業務を行うために特定された極めて少数のパソコンでのみ実施が可能であって、このパソコンで復元された動作記録がないということから、DVDに収録された内容が外部に漏洩することはないと判断しているということでありました。さらに、このパソコンについて、紛失したDVDの内容を復元できなくなるための措置を既に講じており、これによって復元可能なパソコンはなくなっていると聞いております。今回の事案は、今、私が申し上げた通り、DVDに収録された内容が外部に漏えいすることはなく、二次被害もないと考えられます。一方で、DVDの受領後の媒体の管理には問題があったことから、日本年金機構では、同機構の公表基準に基づいて、毎月行っている事務処理誤りとして、本日、公表することとしたものと聞いております。しかしながら、個人情報保護対策は実施してきたものの、今回、DVDの紛失を防げなかったことは誠に遺憾であります。今後、そのようなことがないよう、今回の事案を踏まえて、厚生労働省としても、再発防止の観点から、日本年金機構をしっかり指導していきたいと考えています。
記者:
関連して、この事案について、発覚してからすぐに公表されなかった理由についてはいかがでしょうか。
大臣:
まず、私が申し上げましたが、DVDは、国民年金の納付督励に係るものであると聞いています。そして、本日、その概要が、日本年金機構において事務処理誤りとして公表される予定と聞いております。この詳細については、その際、日本年金機構にお問い合わせをいただきたいと思います。
記者:
地域共生社会に関する有識者検討会の件ですが、先週、断らない相談支援や参加支援等を一体的に備えることが必要と明記された中間報告がとりまとめられましたが、大臣のご所見について伺えますでしょうか。
大臣:
先日、公表された中間とりまとめでは、8050問題やひきこもりなど、様々な問題を抱える方について、断らない相談支援、社会参加の支援、地域住民同士が支え合う関係性、これらの機能を備えた包括的な支援体制の構築を、市町村で積極的に進めていくべき、とされています。この内容は、先日視察でお伺いした、郡山市や豊中市での福祉まるごと支援、就労支援やひきこもりの状態にある方への支援の実践において、一人ひとりに丁寧に寄り添い、それぞれの状況に応じたきめ細かな支援を時間をかけて行っている姿、私が視察した姿とも重なるものであります。私としても、全国的な普及の必要性を感じております。また、中間とりまとめでも強調されていますが、多様な社会参加の実現を支援の中心として捉えることが必要だと私も思っています。郡山市や豊中市の実践のように、福祉の関係者のみならず、地域の商店、中小企業、農業など地域の関係者の連携のもとに、地域における多様な参加の場を作り出していくことが重要だと考えています。この検討会では、この秋以降、年内の最終とりまとめに向けて議論をいただきたいと考えています。これをもとに、制度改正の具体化に向けた議論を進めていきたいと思います。
記者:
年金の財政検証についてなのですが、与党内からも早期に公表するように促す声もありましたが、参院選前に公表することはありませんでした。このことについて大臣の受け止めを教えてください。
大臣:
年金に関する財政検証については、私、前々から申し上げておりますが、財政検証に新たなオプションも用意してありますので、それらをしっかりと踏まえて、そして、作業が終わり次第公表する予定ということに尽きます。これは私が前々から申し上げてきた通りでございます。
記者:
今後、その財政検証を踏まえて、年金の制度改革やGPIFの基本ポートフォリオの策定等色々な議論が進むことだと思うのですが、こうした議論に、例えば、遅れのようなものが出ることは考えられますでしょうか。
大臣:
厚生労働省としては制度改正の議論に資する財政検証をしっかりと行うことが重要と考えております。その意味で、新たなオプション試算等の内容の充実を図って、要は、財政検証本体の試算作業に加えて新たなオプション試算等の内容の充実を図って、鋭意作業を行っていますから、それを踏まえて具体的な制度改正の議論をするわけですから、今、精力的に作業を進めております。
記者:
話題が少し変わりますが、吉本興業が所属タレントの契約をめぐるトラブルがあり、昨日、社長が会見をしました。一連の騒動では、契約書を交わしていないことや、パワハラともとれるような発言が散見されますが、昨日の会見と一連の騒動について、大臣のご所見がありましたらお願いいたします。
大臣:
個別の事案についてお答えすることは差し控えたいと思います。一般論として、職場におけるパワーハラスメントは、働く人の尊厳や人格を傷つける、職場環境を悪化させるものであって、あってはならないことだと考えています。この5月末に、パワーハラスメント防止対策の法制化等を内容とする改正法が成立したところであり、引き続きパワーハラスメントのない職場づくりに向けて尽力していきたいと考えています。
記者:
今月3日に障害等級が引き下げられ、障害年金の支給が停止された1型の糖尿病患者が支給停止は違法として国を相手に大阪地裁で裁判を起こしています。今回2度目ということなのですが、1度目では原告側が勝訴をしたにもかかわらず国は再度支給停止を原告らに通知しています。厚生労働大臣としての受け止めをお願いします。
大臣:
訴状は拝見しておりませんので、コメントは差し控えたいと思います。今後厚生労働省として訴状を確認させていただいた上で必要な対応を検討したいと考えています。ただなお先般の判決ですが、先般の判決は障害の程度の適否自体について判断したものではなくて支給停止処分の通知書に記載した理由が不十分な記載であり行政手続法に違反すると判示されました。そのため平成28年当時の障害の程度の認定結果に基づいて改めて障害等級2等に該当しない理由を丁寧に記載した通知を送付したというところであります。
記者:
参院選が終わって負担と給付含めて社会保障改革全体の議論がこれから本格化するのかなと思うのですが大臣が特に重視されている課題等があれば教えていただきたいのと、政府全体としての議論の進め方として新しい会議を設置するとか大臣のイメージがあれば教えてください。
大臣:
人生100年時代の到来を見据えて、国民誰もが、年齢にかかわらず、心身の状況や希望に沿って活躍することのできる環境を整備するこれが基本的に私は非常に重要だと考えています。すでに厚生労働省においては、「2040年を展望した社会保障・働き方改革本部」での議論を重ねて、改革のビジョンを5月にとりまとめました。要は2040年を展望した改革のビジョン、これを厚労省としてとりまとめたところであります。このような改革を着実に進めていくとともに、社会保障の持続可能性を確保するため、これまで進めてきた給付と負担の見直しについても引き続き検討していきたいと思っております。経済財政運営と改革の基本方針2019では、骨太2020において、給付と負担の在り方を含め社会保障の総合的かつ重点的に取り組むべき政策をとりまとめることとされています。こうしたスケジュールを踏まえ、検討を推進したいと思いますが、どのような場で議論するのかというお尋ねですね。この全ての世代が安心できる「全世代型社会保障」の実現は、様々な省庁の所管分野に関する重要な課題であります。その議論の場については、内閣全体で判断する話であって、私から軽々に申し上げることはできませんが、雇用・医療・年金といった政策を直接厚労省が担っていますからこの直接担う立場から、責任を持って改革を進めていきたいと考えております。
記者:
冒頭のハンセン病の関係なのですけれども、この前の閣議決定された談話でも速やかに補償措置についての検討を始めると言っていました。法改正が必要になると思われますけれども、秋9月に予定されている臨時国会での提出を目指しているとしてよいのかというのが一点、それと大臣先ほど協議の場で話を聞くというところからスタートだとおっしゃいましたけども国会議員団懇談会等でも意見を聞くという動きがあるようなのですが閣法で行くかいわゆる議員立法でいくのかスキームはどうあるべきということを改めてお伺いできますか。
大臣:
協議の場は私も早急に立ち上げて、ご家族の皆様との話を丁寧に伺いながら進めていきたいと考えています。その意味で協議の場のスタート、私がお会いしてお話をお聞かせいただくそれが協議の場のスタートになると考えています。そして補償についても協議の場で協議をするということになると思いますが、ただいずれにしても具体的な協議の場の持ち方や日程については、家族の方々のご意見を伺って、今後検討していきたいと考えております。そして後段のお尋ねですが現時点では、補償の措置をどのように実施するのか等について決まっておりませんが、法律事項になる可能性もあることも考えると、国会等との関係に、議員の懇談会などもありますから、国会等との関係に留意する必要があると考えています。
記者:
留意するとはどういう意味でしょうか。
大臣:
国会の懇談会もありますから、そこは我々国会との連携、どういう形でやっていくのかとそれはしっかりとそこは国会との関係を踏まえながら、留意しながら進めていく必要があると考えています。
 
 

(了)