議案審議経過情報

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項目 内容
議案提出者 内閣
衆議院審議時会派態度 多数
衆議院審議時賛成会派 自由民主党; 立憲民主党・無所属フォーラム; 国民民主党・無所属クラブ; 公明党; 日本維新の会; 社会保障を立て直す国民会議; 社会民主党・市民連合; 希望の党; 未来日本
衆議院審議時反対会派 日本共産党
議案受理年月日 2019-03-05
公布年月日 2019-06-05

要項または提出時法律案

第一九八回
閣第三六号
   放送法の一部を改正する法律案
 放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)の一部を次のように改正する。
 目次中「第八十五条」を「第八十四条の二」に改める。
 第二十条第二項第二号中「及び協会のテレビジョン放送による国内基幹放送の全ての放送番組を当該国内基幹放送と同時に一般の利用に供すること」を削り、同条第十項第三号中「実施方法」の下に「並びに同項第二号の業務に関する料金その他の提供条件に関する事項」を加え、同条中第十五項を第十九項とし、第十四項を第十八項とし、第十三項を第十七項とし、同条第十二項中「規定による」を削り、同項を同条第十六項とし、同条第十一項中「第九項の実施基準が、前項各号のいずれかに該当しない」を「次の各号に掲げる場合に該当する」に、「その実施基準を変更すべき旨の」を「当該各号に定める」に改め、同項に次の各号を加える。
 一 第九項の認可を受けた実施基準が第十項各号のいずれかに該当しないこととなつた場合 その実施基準を変更すべき旨の勧告
 二 協会が第十一項の規定に違反している場合 第九項の認可を受けた実施基準に従い第二項第二号又は第三号の業務を行うべき旨の勧告
 第二十条中第十一項を第十五項とし、第十項の次に次の四項を加える。
11 協会は、第二項第二号又は第三号の業務を行うに当たつては、第九項の認可を受けた実施基準に定めるところに従わなければならない。
12 協会は、第九項の認可を受けたときは、遅滞なく、その実施基準を公表しなければならない。
13 協会は、第二項第二号又は第三号の業務を行うに当たつては、第九項の認可を受けた実施基準に基づき、総務省令で定めるところにより、毎事業年度の当該業務の実施計画を定め、当該事業年度の開始前に、これを総務大臣に届け出るとともに、公表しなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
14 協会は、第二項第二号の業務を行うに当たつては、全国向けの放送番組のほか、地方向けの放送番組を電気通信回線を通じて一般の利用に供するよう努めるとともに、他の放送事業者が実施する当該業務に相当する業務の円滑な実施に必要な協力をするよう努めなければならない。
 第二十四条の見出し中「認定」を「認定等」に改め、同条中「第四号、第五号及び第六号」を「第五号、第六号及び第七号」に改め、同条に次の一項を加える。
2 総務大臣が協会について第九十六条第二項の規定による認定の更新の審査を行う場合における同項の規定の適用については、同項中「第九十三条第一項第四号及び第五号」とあるのは、「第九十三条第一項第四号」とする。
 第二十九条第一項第一号ハ中「の業務」の下に「並びに協会及びその子会社から成る集団の業務」を加え、同号ハ(3)中「損失」を「協会の損失」に改め、同号ハ(5)中「職員」を「協会の職員」に改め、同号ハ(6)中「協会」を「次に掲げる体制その他の協会」に、「集団における」を「集団の」に改め、同号ハ(6)に次のように加える。
    (i) 当該子会社の取締役、執行役、業務を執行する社員(業務を執行する社員が法人である場合にあつては、その職務を行うべき者)又はこれらに準ずる者(ii)及び(iv)において「取締役等」という。)及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
    (ii) 当該子会社の取締役等の職務の執行に関する事項の協会への報告に関する体制
    (iii) 当該子会社の損失の危険の管理に関する体制
    (iv) 当該子会社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
 第二十九条第一項第一号ノ中「ヰ」を「ノ」に改め、同号ノを同号オとし、同号中ヰをノとし、ウをヰとし、ムをウとし、同号ラ中「第二十条第十四項」を「第二十条第十八項」に改め、同号ラを同号ムとし、同号中ナをラとし、カからネまでをヨからナまでとし、同号ワ中「実施基準」の下に「及び同条第十三項に規定する実施計画」を加え、同号ワを同号カとし、同号中ヲをワとし、チからルまでをリからヲまでとし、同号ト中「トに」を「チに」に改め、同号トを同号チとし、同号ヘを同号トとし、同号ホ中「の業務報告書」を「に規定する業務報告書」に改め、同号ホを同号ヘとし、同号ニの次に次のように加える。
  ホ 第七十一条の二第一項に規定する中期経営計画(第七十条第一項及び第二項において単に「中期経営計画」という。)
 第二十九条第三項中「総務省令の」を「総務省令で」に、「第六十四条第一項の規定により協会とその放送の受信についての契約をしなければならない者の意見を聴取する」を「広く一般の意見を求める」に改める。
 第三十九条中第五項を第六項とし、第四項を第五項とし、第三項を第四項とし、第二項の次に次の一項を加える。
3 監査委員は、第四十五条の規定により経営委員会に報告しなければならないと認めるときは、経営委員会を招集することができる。
 第四十三条の見出し中「権限」を「権限等」に改め、同条に次の一項を加える。
2 監査委員がその職務の執行について協会に対して次に掲げる請求をしたときは、協会は、当該請求に係る費用又は債務が当該監査委員の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。
 一 費用の前払の請求
 二 支出をした費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求
 三 負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあつては、相当の担保の提供)の請求
 第四十六条の次に次の一条を加える。
 (協会と役員との間の訴えにおける協会の代表等)
第四十六条の二 第五十一条第一項から第三項まで及び第五十八条の規定にかかわらず、協会が役員(役員であつた者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は役員が協会に対して訴えを提起する場合には、当該訴えについては、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者が協会を代表する。
 一 監査委員が当該訴えに係る訴訟の当事者である場合 経営委員会が定める者
 二 前号に掲げる場合以外の場合 監査委員会が選定する監査委員
2 前項の規定にかかわらず、役員が協会に対して訴えを提起する場合には、監査委員(当該訴えを提起する者であるものを除く。)に対してされた訴状の送達は、協会に対して効力を有する。
 第六十条の次に次の一条を加える。
 (忠実義務)
第六十条の二 役員は、法令及び定款並びに経営委員会の議決を遵守し、協会のため忠実にその職務を行わなければならない。
 第七十条第一項中「作成し」の下に「、これに当該事業年度に係る中期経営計画を添え」を加え、同条第二項中「付し」を「付すとともに同項の中期経営計画を添え」に改める。
 第七十一条の次に次の一条を加える。
 (中期経営計画)
第七十一条の二 協会は、三年以上五年以下の期間ごとに、協会の経営に関する計画(次項において「中期経営計画」という。)を定め、これを公表しなければならない。これを変更したときも、同様とする。
2 中期経営計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
 一 中期経営計画の期間(前項の期間の範囲内で経営委員会が定める期間をいう。)
 二 協会の経営に関する基本的な方向
 三 協会が行う業務の種類及び内容
 四 協会の業務並びに協会及びその子会社から成る集団の業務の適正を確保するための体制に関する事項
 五 受信料の体系及び水準に関する事項その他受信料に関する事項
 六 収支の見通し
 七 その他協会の経営に関する重要事項
 第三章第九節中第八十五条の前に次の一条を加える。
 (情報提供等)
第八十四条の二 協会は、総務省令で定めるところにより、その保有する次に掲げる情報であつて総務省令で定めるものを記録した文書、図画又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られた記録をいう。)を作成し、適時に、かつ、一般にとつて利用しやすい方法により提供するものとする。
 一 協会の組織、業務及び財務に関する基礎的な情報
 二 協会の組織、業務及び財務についての評価及び監査に関する情報
 三 協会の出資又は拠出に係る法人その他の総務省令で定める法人に関する基礎的な情報
2 前項に定めるもののほか、協会は、その諸活動についての一般の理解を深めるため、その保有する情報の公開に関する施策の充実に努めるものとする。
 第八十八条中「第九十三条第一項第六号」を「第九十三条第一項第七号」に改める。
 第九十三条第一項中第六号を第七号とし、第五号を第六号とし、第四号を第五号とし、第三号の次に次の一号を加える。
 四 衛星基幹放送の業務を行おうとする場合にあつては、当該衛星基幹放送において使用する周波数が衛星基幹放送に関する技術の発達及び普及状況を勘案して総務省令で定める衛星基幹放送に係る周波数の使用に関する基準に適合すること。
 第九十六条第二項中「第九十三条第一項第四号」を「衛星基幹放送の業務の認定にあつては第九十三条第一項第四号及び第五号に、移動受信用地上基幹放送の業務の認定にあつては同項第五号」に改める。
 第百三条第一項中「第九十三条第一項第六号」を「第九十三条第一項第七号」に改め、同条第二項中「第九十三条第一項第六号ホ」を「第九十三条第一項第七号ホ」に改める。
 第百四条第二号中「認定」の下に「、第九十六条第一項の認定の更新」を加え、同条第三号中「第九十三条第一項第四号」を「第九十三条第一項第五号」に改める。
 第百十六条第一項中「第九十三条第一項第六号イ」を「第九十三条第一項第七号イ」に改め、同項第一号及び第二号中「第九十三条第一項第六号ニ」を「第九十三条第一項第七号ニ」に改め、同条第二項中「すべて」を「全て」に改め、同条第三項中「第九十三条第一項第六号ホ(1)」を「第九十三条第一項第七号ホ(1)」に、「すべて」を「全て」に改め、同条第四項中「すべて」を「全て」に改める。
 第百六十一条第二項中「第九十三条第一項第六号ホ(1)」を「第九十三条第一項第七号ホ(1)」に改める。
 第百六十二条第一項中「同項第四号」を「同項第五号」に改め、同条第二項から第四項までの規定中「第九十三条第一項第四号」を「第九十三条第一項第五号」に改める。
 第百七十七条第一項第二号中「同条第十四項」を「同条第十八項」に改め、同項第四号中「第二十条第十二項」を「第二十条第十六項」に改め、同項第五号中「、第九十三条第一項第四号ただし書」を「、第九十三条第一項第四号(衛星基幹放送に係る周波数の使用に関する基準)、同項第五号ただし書」に、「適用する第九十三条第一項第四号ただし書」を「適用する第九十三条第一項第五号ただし書」に、「第九十三条第一項第四号ハ」を「第九十三条第一項第五号ハ」に改める。
 第百八十五条第二号中「第十四項」を「第十八項」に改める。
 第百九十一条第一項第二号中「第二十一条第三項」を「第二十条第十三項、第二十一条第三項」に改め、同項第三号中「第四十一条」を「第二十条第十二項若しくは第十三項、第四十一条」に、「又は第六十二条」を「、第六十二条又は第七十一条の二第一項」に改める。
   附 則
 (施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 一 次条及び附則第八条の規定 公布の日
 二 第二十四条、第八十八条、第九十三条第一項、第九十六条第二項、第百三条、第百四条第二号及び第三号、第百十六条第一項から第四項まで、第百六十一条第二項、第百六十二条並びに第百七十七条第一項第五号の改正規定並びに附則第六条及び第十条の規定 公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日
 (準備行為等)
第二条 日本放送協会は、この法律の施行の日(次項及び附則第四条において「施行日」という。)前においても、この法律による改正後の放送法(以下「新法」という。)第二十条第二項第二号の業務のうち、この法律による改正前の放送法第二十条第二項第二号の業務に該当しないものに係る放送法第二十条第九項の認可の申請をすることができる。
2 総務大臣は、前項の認可の申請があった場合には、施行日前においても、新法第二十条第十項及び第百七十七条の規定の例により、その認可をすることができる。この場合において、その認可を受けた実施基準は、施行日において、放送法第二十条第九項の認可を受けたものとみなす。
3 総務大臣は、前条第二号に掲げる規定の施行の日前においても、新法第百七十七条の規定の例により、新法第九十三条第一項第四号の総務省令の制定のために、電波監理審議会に諮問することができる。
 (実施基準の公表に関する経過措置)
第三条 この法律の施行の際現に放送法第二十条第九項の認可を受けている実施基準(前条第二項の規定により同法第二十条第九項の認可を受けたものとみなされたものを含む。)についての新法第二十条第十二項の規定の適用については、同項中「受けた」とあるのは「受けている」と、「遅滞なく」とあるのは「放送法の一部を改正する法律(令和元年法律第▼▼▼号)の施行の日以後遅滞なく」とする。
 (実施計画に関する経過措置)
第四条 施行日を含む事業年度に係る新法第二十条第十三項の規定の適用については、同項中「当該事業年度の開始前に」とあるのは、「放送法の一部を改正する法律(令和元年法律第▼▼▼号)の施行の日以後遅滞なく」とする。
 (中期経営計画に関する経過措置)
第五条 新法第七十条第一項及び第二項の規定は、平成三十三年四月に始まる事業年度から適用し、同月に始まる事業年度より前の事業年度については、なお従前の例による。
2 この法律の施行後新法第七十一条の二第一項の規定により最初に定める同項に規定する中期経営計画は、平成三十三年四月を当該中期経営計画の期間(同条第二項第一号に規定する期間をいう。)の始期としなければならない。
 (認定基幹放送事業者の地位の承継に関する経過措置)
第六条 附則第一条第二号に掲げる規定の施行前にされた放送法第九十八条第二項の認可の申請であって、同号に掲げる規定の施行の際、認可又は不認可の処分がなされていないものについての処分については、なお従前の例による。
 (罰則の適用に関する経過措置)
第七条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
 (その他の経過措置の政令への委任)
第八条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
 (検討)
第九条 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、新法の施行状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、新法第九十三条第一項の認定に係る制度について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
 (電波法の一部改正)
第十条 電波法(昭和二十五年法律第百三十一号)の一部を次のように改正する。
  第七条第二項第四号ロ中「第九十三条第一項第四号」を「第九十三条第一項第五号」に改め、同項第五号中「同項各号」の下に「(第四号を除く。)」を加える。

     理 由
 近年における放送をめぐる視聴環境の変化及び日本放送協会に対する信頼確保の必要性に鑑み、日本放送協会について電気通信回線を通じて放送番組等を提供する業務の対象を拡大するとともに、経営委員会が議決すべき日本放送協会及びその子会社から成る集団の業務の適正を確保するための体制の整備に関する事項を具体的に規定する等の措置を講ずるほか、衛星基幹放送の業務の認定要件を追加する措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。