2019年7月19日

本日、韓国産業通商資源部から、12日に開催された事務的説明の内容や、その後のメールの送受信などのやり取りについて、再度、事実誤認を含め、記者説明が実施されましたので、事実関係をお知らせいたします。

1.日本の運用見直しの性格について

今回の運用見直しは、国際合意に基づいた輸出管理の不断の見直しの一環として、従来韓国に対して実施してきた優遇措置をやめて、他国と同様の通常の輸出管理上の扱いに戻す内容であり、禁輸措置ではありません。

2.7月12日の事務的説明の内容について

7月12日の会合は見直しの内容を事務的に説明するための場であり、輸出管理当局間の協議の場ではないことを事前に韓国側と合意した上で開催しました。また、冒頭から面談の位置づけだけで30分も議論し、その位置づけを確認して開始しました。

韓国側からは「遺憾の表明、原状の回復と撤回の要請」ではなく、「問題解決」の要請があり、日本側からは、本件は協議するような「問題」ではないため、今回は事実関係の説明を行う旨回答いたしました。

3.韓国の輸出管理制度について

韓国側が通常兵器キャッチオール制度を導入していると主張していることについては承知していますが、韓国側のキャッチオール制度の根拠条文である対外貿易法19条と戦略物資輸出入告示50条は大量破壊兵器関連物品等を対象とすることが明記されており、法的根拠が不明確であると認識しています。

また、執行体制についても、本日の記者説明において「110人あまりの担当人材を配置」と説明していますが、これは、武器そのものの輸出入に携わる人員や民間機関の職員を含めた人数であり、産業通商資源部のウェブサイトによれば、軍事転用可能な民生品の審査に携わる職員数は、貿易保険やダイヤモンドの輸出管理に携わる職員も含めて11名であると承知しています。

4.日本と韓国の二国間の政策対話

二国間の政策対話について、本日、韓国側からは「本年、3月以降に開催することで合意していた」と説明がありましたが、これは、昨年12月18日に韓国側の担当官から、「2019年3月以降でないと開催できない」と一方的に伝えてきたものであり、3月以降に開催することで合意した事実はありません。

なお、昨年12月より前にも、経済産業省からの申入れに対して一度合意した日程を含め、韓国側の事情により日程が延期されてきたと認識しています。日本側からは、政策対話が開催できていないことに対する懸念を韓国側に伝えるなど、繰り返し開催を要請してきました。

また、韓国側は「経済産業省主催のセミナーの場で意見交換をしてきた」と主張していますが、機微情報を扱う政策対話とは全く異なる性格のものであると考えています。

信頼関係のある国の間で、安全保障輸出管理について機微な情報も含めた意見交換を行うことは、実効的な輸出管理を行うための不可欠な要素ですが、本日の韓国側の記者説明を含め、二国間のやり取りの内容について、双方の事前合意なく公開されるような状況が改善されない限り、信頼関係に基づいた政策対話の開催は難しいものと考えています。

その上で、こうした状況を打開するための実務レベルのやりとりを継続していきたいと考えています。

担当

貿易経済協力局 貿易管理課長 岩松
担当者:谷澤、内野
電話:03-3501-1511(内線 3241~3245)
03-3501-0538(直通)
03-3501-5896(FAX)