2019年7月16日(火曜日)
9時48分~9時57分
於:官邸3階ロビー

冒頭発言

おはようございます。今日は私からは特にございません。

質疑応答

韓国向け輸出管理措置

Q: 先週、輸出管理に関しまして、韓国と事務レベルの会合が行われましたが、その結果と今後の見通しについてお願いします。

A: 12日の会合は、韓国側の要望を受けまして、二国間で事務的説明の場として、あらかじめ合意をした上で開催をされました。
この会合では、韓国からの質問に対して、約5時間にわたって日本側から十分に丁寧な説明が行われたわけであります。
また、今後、追加の質問等があれば、電子メールで丁寧に対応させていただくことを先方と確認をしておりますので、今後も先方から問合せがあれば事務的に対応をしていきたいというふうに思っています。
この会合の、まず趣旨については、韓国側が来日する前にしっかり確認をし、かつ、この説明の場の冒頭30分ほどを掛けて、これが説明の場であるということを確認をして行いました。また、行われたやりとりについても、終盤1時間ほど掛けて当事者間で、このやりとりの内容を確認をして、それでお互いにプレスに対して説明をするということを合意をしていたわけでありますけれども、にもかかわらず、韓国側から誤った説明が行われているということは、これは大変遺憾であるというふうに思っています。こういう状況では、次の今後のいろんな意味での信頼関係というものが、少し傷ついてくるというふうに思わざるを得ないと思っています。

Q: 12日の事務会合で、経産省としては、不適切な事案というのは北朝鮮など第三国への不正輸出ではないことを説明しました。韓国側は、北朝鮮の問題ではなく二国間であるという点を含めて、輸出管理は適正であり日本の措置を不当と主張する可能性がありますが、御所見を伺わせてください。

A: まず、それぞれの事案の詳細については、個別の社の取引に関する内容でありますし、また、日本側の輸出管理の執行に支障が生じる懸念がありますので、個別具体的にお答えすることは控えたいというふうに思いますが、今回の対象となった3品目に関する輸出管理の運用見直しに関連する不適切事案は、韓国から第三国への具体的な輸出案件を念頭に置いたものではありませんし、今までもそういう説明は全く行ってきていないわけであります。一度も我々はそんなことを申し上げたことはないわけであります。プレスの皆さんに対しても申し上げたことはありません。
その上で、これら製品分野については、日本が主要な供給国として国際社会に対して適切な管理責任を果たす必要があるということ、そして、この製品分野は、特に輸出先から短期間・短納期での発注が繰り返される慣行があるということ、そして、現に不適切な事案が発生をしているということなどから、我々は運用の見直しをすることになったというものでありまして、この運用見直しが何か不当であるというような指摘は全く当たらないというふうに思っています。

Q: 韓国の文大統領は、昨日、改めて今回の措置について、重大な挑戦であるとか、国際機関の場で検証すべきということを改めて言っていますけれども、これに関してはいかがでしょうか。

A: まず、大統領のおっしゃっていることに、私、大臣の立場で一々反論はいたしませんけれども、2点指摘をさせていただきますと、まず、日本としては当初から、今回の見直しは、安全保障を目的に輸出管理を適切に実施する観点から、運用を見直すものであるということを明確に申し上げています。対抗措置ではないということも、最初から一貫して説明をしてきているわけでありまして、昨日の文大統領の御発言にあるような指摘は、まず全く当たらないということを申し上げておきたいというふうに思います。
国際機関の検証ということを言及されていますけれども、この輸出許可を判断する際の運用については、国際輸出管理レジームの一つでありますワッセナー・アレンジメントの基本指針において、これはもう日本も韓国も含めて、各国のそれぞれの国の法令や政策に委ねられているわけであります。
その上で、それぞれの国が責任を持って実効性のある管理を行うということが、ワッセナー・アレンジメント上、求められているわけでありまして、何か国際機関の、どういう国際機関かよく分かりませんが、国際機関のチェックを受けるような性質のものでは全くないというふうに思っています。

Q: 韓国の関連で、23日からWTOの一般理事会で、この件について韓国側がまた主張すると見られているんですけれども、この件に関して、日本側はその場ではどういった対応をされるお考えでしょうか。

A: WTOの一般理事会というのは、議題を登録すれば誰でも発言ができると、加盟国であれば誰でも発言できます。そういう位置付けの会だというふうに認識をしていますけれども、我々の立場、今回の見直しというのは、WTOで認められている安全保障のための輸出管理制度の適切な運用に必要な見直しでありまして、あくまでも運用上の見直しであります。自由貿易の原則ですとか、G20首脳宣言に反するものでは全くありませんし、WTO違反などという指摘も全く当たらないというふうに考えています。
WTO一般理事会の場で議題になれば、こうした日本の立場について、しっかりと主張、説明を行いたいというふうに思っています。

Q: 日韓に関しての続きなんですけれども、韓国側によると、今回の事務的説明の中で、局長級協議、局長級の話合いも求めてきたようなんですけれども、いわゆる政策対話について説明の続きのQAではなくて、政策対話を今後行う予定というのはありますでしょうか。

A: まず今回の措置は、輸出管理を適切に実施する上での日本国内の運用の見直しであります。この運用の見直しについて、我々は協議に応じるつもりは全くありません。そもそも協議の対象ではないというふうに思っています。もう5時間説明したわけです、我々は。その上で、さらに追加の質問等があるのであれば、メールで対応をさせていただきたいというふうに思っています。
今回、非常に事前に入念に、この説明の場であるということを、会合の趣旨をしっかり両国で確認をし、かつ、プレスに説明するラインも当事者間でしっかり合意をして、今回説明の場というのを我々は設けさせていただきましたが、それでも、事後で韓国側が違うことをおっしゃるわけであります。そういう状況において、二国間の環境、信頼関係ということを踏まえると、政策対話の早期の再開は難しいのではないかというふうに思っています。

Q: 今日、韓国側が三菱重工の資産差押えと現金化の手続を進めるというような話が入ったところなんですが、それについて日本企業への実害が及ぶ可能性があるわけですが、それに対する受け止めはいかがでしょうか。

A: これは当然、日本企業に実害が及ぶべきではないというふうに思っております。この問題については、基本的には外務省で対応していただきたいというふうに思っています。

Q: すみません、事務レベルの会合に関しては、韓国側は原状回復を求めたとして撤回要求をしたという、あくまでそういう立場だと思うんですけれども、それに関してはどうお考えでしょうか。

A: そういった発言は全くありませんでした。
日本側の認識は、7月13日土曜日に記者会見で課長が説明したとおりでありまして、事務的な説明の場として合意をした上で開催をしましたが、韓国側は協議の場と一方的に呼んだ上で、原状の回復と撤回も要請したという説明をしていますが、これは全く事実と異なる主張であります。
こういう主張が行われるようでは、両国の信頼関係が損なわれることになるわけでありまして、大変遺憾でありますし、こういった状況下では、政策対話すらも開けないということになろうかと思います。

 以上

最終更新日:2019年7月16日