1. 1 7月10日,モザンビークの首都マプトにおいて,日本政府が同国のニアッサ州国立公園に,ワシントン条約の「ゾウ密猟監視(MIKE:Monitoring the Illegal Killing of Elephants)プログラム」を通じて建設を支援した,野生動物法執行センターの引渡式が行われました。この引渡式には,池田敏雄駐モザンビーク日本国大使が出席したほか,モザンビーク政府からムテンバ国家自然保護局長を始めとする政府関係者が出席しました。

    2 ニアッサ国立公園は,世界で最もゾウの密猟が行われていた場所で,2011年以来,生息していたゾウの7割が密猟され,ゾウの生息数が激減しました。このプロジェクトの実施で密猟監視センターと象牙の保管庫が建設されたことにより,これまで行われていた密猟取締り業務の拡大が実現し,より効果的なゾウの密猟対策の実施に貢献することにつながります。日本政府は本件プロジェクトに対し,109,000米ドル(約1,220万円)を拠出しました。

    3 野生動植物の違法取引は,喫緊のグローバルな課題です。日本政府は,国際犯罪組織等による残虐な行為からゾウを保護するとの大義に深くコミットしており,ゾウ生息国における密猟対策への支援を重視しています。今回のモザンビークにおける支援も,そうしたコミットメントの一環です。日本政府は,ワシントン条約に基づく貿易規制の着実な実施及び国際社会のパートナーとの緊密な協力を通じ,ゾウを含む野生動植物の違法取引対策に関する国際的な取組に引き続き貢献していきます。

    [参考]野生動植物の違法取引対策に関する日本政府の最近の取組

    (1)ワシントン条約の「ゾウ密猟監視(MIKE: Monitoring the Illegal Killing of Elephants)プログラム」を通じ,日本政府は近年,本件モザンビークでの案件に加えて,ジンバブエ(6万ドル,2016年)及びウガンダ(5.5万ドル,2018年)における密猟対策プロジェクトに対してそれぞれ無償資金を拠出。

    (2)2018年10月,阿部俊子外務副大臣は,英国・ロンドンでの「第4回野生動植物の違法取引対策に関する国際会議」に出席し,(ア)日本の国内象牙取引管理を引き続き厳格に実施すること,(イ)生息国におけるゾウの密猟対策支援を推進すること,(ウ)野生動植物の違法取引対策に関する国際社会との連携を強化することにコミット。上記(イ)の新たな具体策として,モザンビークでの本件支援の実施を表明。

    (3)2019年2月,マレーシア政府税関職員等を対象とした,野生動植物の違法取引対策に関する能力構築セミナーを,マレーシアにおいて日本と英国の共催で開催。