1. 1 6月27日(ニューヨーク時間),国際刑事裁判所(ICC)締約国会議議長団会合において,我が国の野口元郎国際司法協力担当大使兼最高検察庁検事(前・ICC被害者信託基金理事長)が,ICCの新検察官(2020年に選出予定)候補者の評価を行う新検察官選出委員会の独立専門家(ICCローマ規程締約国の5地域グループから各1名)として選出されました。独立専門家は,同委員会の委員に対し,専門的な見地から助言等を行う役割を担います。

    2 野口大使が,国際刑事法分野における知見と経験を生かして,ICCの新検察官の選出に貢献することは,法の支配の観点からICCを重視している我が国にとって,重要な意義を有するものです。

    3 我が国は,引き続き他の締約国と緊密に協力しつつICCの活動に積極的に貢献していきます。

    【参考1】国際刑事裁判所(ICC)  
     国際社会全体の関心事である最も重大な犯罪(集団殺害犯罪,人道に対する罪,戦争犯罪,侵略犯罪)を犯した個人を,国際法に基づき訴追・処罰するための,史上初の常設の国際刑事法廷。設立条約たるローマ規程は,1998年7月に採択され,2002年7月1日に発効。我が国は,2007年7月17日に加入書を寄託し,同年10月1日に105番目の加盟国となった。2019年6月現在の締約国数は122。裁判所はオランダのハーグに所在。

    【参考2】ICC検察官
     ICC検察官は,裁判所から独立して行動し,ICCの管轄権の範囲内にある犯罪について締約国や国連安保理からの付託等を受理して捜査を開始するするとともに,自らの発意に基づき裁判所の許可を得て捜査を開始する権限も有する。
    ICC検察官は,徳望が高く,かつ,刑事事件の訴追又は裁判について高い能力及び広範な実務上の経験を有し,英語又は仏語に通じる者でなければならない。任期は9年,再選不可。ICC検察官は,締約国の絶対多数による議決で選出される(ICCローマ規程第42条)。現職はファトウ・ベンソーダ検察官(ガンビア出身,女性。第二代ICC検察官)。