令和元年6月25日(火)

  まずは,6月19日(水),神奈川県内において,実刑確定後の収容の際に逃走した人物が,6月23日(日),身柄を確保されたことについて,逃走の間,地域住民の皆様,学校関係者や関係自治体の皆様,全国の皆様に多大な御心配と御迷惑をお掛けしましたことに心からお詫び申し上げます。
  逃走の経緯等につきましては,現在,横浜地検等において,事案の真相解明に向けた捜査を行っているところですが,本件については,公表までの時間等,様々な点について御指摘・御批判をいただいているものと承知しており,これらの御指摘を重く受け止めているところです。
  これらの問題点も含め,検察当局においては,適切な収容の在り方について検証・検討を行うこととしており,私からも徹底した検証・検討を行うよう指示したところです。
  改めて,国民の皆様に多大な御心配と御迷惑をお掛けしましたことに心からお詫び申し上げるとともに,再発防止に向けて取り組んでまいりたいと考えています。
  次に,“社会を明るくする運動”等についてです。
  7月1日(月)から1か月間は,第69回“社会を明るくする運動”の強調月間です。
  毎年7月は「再犯防止啓発月間」でもあることから,“社会を明るくする運動”の強調月間と,「再犯防止啓発月間」の両方の点から,全国で過ちを犯した人の立ち直りを地域で支え,協力の輪を広げていくという働き掛けを進めていこうと思っています。
  そうしたことから,各地でシンポジウム等を開催します。
  例えば7月1日(月)には東京・有楽町駅前広場において,吉本興業所属のタレントや谷村新司さんをお招きしたイベントを開催したいと考えています。
  今年は,更生保護制度が施行されて70周年を迎える節目の年でもあり,是非多くの皆様にお越しいただきたいと思います。法務省としては,犯罪のない社会づくりに取り組む決意のしるしである「幸福(しあわせ)の黄色い羽根」をシンボルとして,“社会を明るくする運動”と再犯・再非行の防止に向けた取組を進めてまいりますので,御支援と御協力をお願いいたします。
  続いて,6月29日(土)に大阪府堺市において,法務省として12回目となる「車座ふるさとトーク」を実施することになりました。
  今回は,門山法務大臣政務官が,「子どもと家庭のSOSを考える~法務少年支援センターと地域との連携による虐待防止の取組~」をテーマとして,様々な立場の方々と率直な意見交換を行いたいと考えています。
  なお,今朝は,閣議前に「犯罪対策閣僚会議(第31回会合)」に出席しました。
  本日の閣議において,法務省案件はありませんでした。

実刑判決が確定した者が逃走したことに関する質疑について

【記者】
 先ほど御説明いただいた,男が収容前に逃走した事件についてお伺いします。今回の事件について専門家から「判決直後に収容すれば今回の事態は防げた」との意見もありますが,制度設計や運用の変更などを検討するお考えはありますか。

【大臣】
 今回の事案について,御指摘のような観点からの御意見をいただいていることは承知しており,重く受け止めているところです。
 冒頭でも述べましたとおり,現在,最高検察庁において,適切な収容等の在り方について検証・検討を徹底的に行うこととなっていますので,まずは,その結果を踏まえ,私としても,必要に応じて適切に対応したいと考えています。

【記者】
 逃走事件の関係で,お伺いします。
 冒頭,大臣もおっしゃっていましたけれども,地元の自治体からは,今回,情報提供が遅かったことを受けて,生命に関わる情報については迅速に提供してほしいという声があり,この後も市長・町長が面会に来ると伺っていますが,改めてその点についてどのように対応されるか,お伺いします。

【大臣】
 今回,地元自治体,地域の方に対する通報が遅かったことは,私も重く受け止めているところです。実態として,時間が掛かったことについて,その原因等についても徹底的に最高検察庁において調査するということであり,それを踏まえて適切な対応を執っていきたいと考えています。こういったことは,横浜地検だけの問題ではなく,全国的にしっかりと対応を執っていかなければならないことと考えていますので,最高検察庁主導でまずはしっかりとした検証・検討を行ってもらいたいと考えています。その上で,私も必要に応じた対応を執りたいと考えています。

【記者】
 今の逃走事案の関係ですが,法務省の方でまとめられている資料によると,自由刑のとん刑者は昨年末時点で26人ということです。今,大臣からお話があったとおり,住民の方々の不安があると思いますが,この26人がどういう人たちなのか,どのような罪名や量刑なのか,また,リアルタイムで一定の時期に,例えば今時点の最新の情報としてどのような状況なのかということを,法務省として分かる資料の範囲で説明されるつもりはありますか。

【大臣】
 現時点で,誰がどのようにとん刑しているかを公表することについては,それが様々な負の影響を及ぼすこともありますから,どういった形で公表すべきかについては,我々も検討しなければなりません。実態についても,最高検察庁にしっかりと検討してもらおうと思っております。いずれにせよ,この点についても検証対象として,どういう形でお知らせをするべきか,逃走した直後はもとより,現状についてどのようにお知らせすべきかということもしっかり検討していきたいと考えています。

(以上)