2019年6月25日(火曜日)
10時03分~10時13分
於:記者会見室

冒頭発言

大阪出張

おはようございます。私から最初に1点申し上げます。
諸般の事情が許せば、27日からG20サミットが開催される大阪に出張いたします。今回の出張では、G20の機会に併せ各国から集まる閣僚との協議を行って、二国間関係の強化に努めます。
特に、ロシアとの首脳会談には、ロシア経済分野協力担当大臣として同席をするとともに、ロシア側関係閣僚との協議も行う予定であります。
私からは以上です。

質疑応答

デジタル経済に関する国際的ルール作り

Q: 1点お尋ねいたします。今、冒頭、大臣からもありましたように、今週末に行われるG20大阪サミットにおいて、日本政府はデジタル経済のルール作りに関する「大阪トラック」の首脳間合意を目指していると思いますが、これについて見通しですとか期待について大臣のお考えをお聞かせください。

A: G20大阪サミットの機会にデジタル経済、特にデータ流通ですとか電子商取引に関する国際的なルール作りを進めるための「大阪トラック」を開始すべく、関係国と現在、調整を行っているところであります。G20サミットと併せて、良い成果が出せるよう取り組んでいきたいというふうに思います。
関係国とは鋭意調整中でありますが、その状況についてはコメントは控えさせていただきたいと思います。

中東情勢

Q: トランプ大統領が日本と中国を名指しして、各国がホルムズ海峡を通る船について自国で防衛するようにということをツイッターで投稿されています。その件についての大臣の受け止めと、あと本件に関連して、国務省の高官がG20でもホルムズの安全を議題化したいということを言っているという報道もあります。それの受け止めもお願いします。

A: まず現時点でタンカーの運航を始めとして、日本のエネルギー安定供給には全く影響が生じていないという認識であります。引き続き高い関心を持って情勢を注視して、必要に応じて関係省庁や関連する日本企業と連携してまいりたいというふうに思います。
G20では、先日のエネルギー・環境大臣会合ではエネルギー安全保障についてしっかりと議論が行われ、閣僚声明にも盛り込まれました。首脳でどういう議論が行われるかというのはまだ始まっていないわけでありますから、予断を持って申し上げることは控えたいと思います。

再生可能エネルギー導入拡大に向けた送電線増強

Q: 再生可能エネルギーの関係なんですけれども、風力発電など再生可能エネルギーの導入拡大に向けて、各地で送電線が足りないということが問題になっています。特に再エネの資源が多い北海道では電力需要や人口が減少して、今後、送電線への大規模な投資ができなくなるような事態も想定されていますけれども、経済産業省としてどのような対策を講じていくお考えでしょうか。

A: 北海道は、非常に風力を始めとする再生可能エネルギーの適地であるわけであります。再生可能エネルギーの導入拡大にも資する北本連系線の更なる増強ということについては、5月16日に開催された審議会において、更に30万キロワットを増強して、90万キロワットから120万キロワットにすることと、そしてその費用について、北海道だけではなくて全国大で負担をしていくという方向で合意が得られているところであります。
さらに、今後、我が国の電力系統を再生可能エネルギーの大量導入などの環境変化に適応した次世代型ネットワークへと転換をしていくため、国としても託送制度の見直しなど、必要な系統投資が行われる環境整備をしっかりと行っていきたいと考えています。

送電線の接続工事費

Q: 関連しますが、先週、秋田の再エネ事業者が空き容量が不足しているとして払った送電線の工事費の返還を求めて東北電力を提訴しましたけれども、今後、全国的に広がる可能性もあるかもしれませんが、送電線整備の在り方について。

A: 報道は見ておりますけれども、これは電力会社と再エネ発電事業者との間の個別の紛争事案でありますので、国としてのコメントは控えたいと思います。
一般論として申し上げれば、送配電事業者に対しては従来から再生可能エネルギーの系統接続に関しては、発電事業者に対して丁寧な説明を行うよう求めているところであります。また、接続工事費用の負担については、ルールに基づいて適切に対応するよう求めているところであります。

日露経済協力

Q: 大阪でのロシアとの協議に関連して伺いたいんですが、ロシア側の、例えばオレシュキンさんなどは日本との経済協力でもっと踏み込んだものが必要ではないかという意見を示しているようです。外交強化、経済を絡めて協議する難しさがあると思うのですが、大阪でどのような課題があって、どのように協議を進めていくお考えでしょうか。

A: オレシュキン大臣とは、ずっとこの8項目の協力プランの具体化に連携・協力して取り組んできたわけであります。その結果、8項目の協力プランについては、今年初めの段階で170件を超える民間プロジェクトが生み出されて、その約半数で具体的なアクションも開始されているところであります。
私としては、引き続きオレシュキン大臣との間で知恵を出し合いながら、両国がウィン・ウィンとなる形で8項目の協力プランを含む日露経済協力を進展させていきたいというふうに思います。そのためにも、オレシュキン大臣とは大阪でじっくりと話をする時間を持ちたいというふうに思っています。

J-Startup事業

Q: 別件なんですが、財務省の予算執行調査が今日、発表になりまして、経産省の所管のJ-Startupについて、支援先が大企業や資金調達可能な企業になっているんじゃないかという指摘がありますけれども、大臣として受け止めを。

A: これは毎年恒例となっている財務省の予算執行調査において、研究開発型スタートアップ支援事業について調査が行われて、今後の改善点、検討の方向性が財務省としての見解として示されたというわけであります。
具体的には、支援対象企業について、有望なシーズを有していながら民間から資金調達が難しい層などに重点化すること、そして補助金や委託費による支援だけではなくて、出資や低利貸付などの資金繰り支援といった支援方法も検討すること、事業状況を適切に評価できる目標・指標を設定することなどが指摘されているところであります。
こういった指摘も踏まえて、来年度概算要求に向けて、J-Startupへの支援をより良いものにしていきたいと思っています。

石炭火力に関する国際合意

Q: G20の首脳会議で石炭火力への対応を、どういう国際合意を目指していくかということは、パリ協定の今後のステージアップにとっても大事だと思うんです。経産省は、エネルギー基本計画で非効率な石炭火力についてはフェーズアウト等も、その方針を目指すというようなことを書いていますけれども、経産省としてはどうでしょうか。石炭火力への国際合意の対応というのは、どんな方向を目指すんでしょうか。

A: これはもう、首脳会合はやってみないと分からないわけでありますので、今の段階で首脳会合でどんな議論が行われるか、予断を持って申し上げることはちょっと控えたいと思います。

日産・ルノーのアライアンス

Q: 本日、日産の株主総会が開かれます。ルノーが一時棄権するという動きもありましたけれども、今回の株主総会に対して大臣の所感をお願いします。

A: これは個別の民間企業の具体的な経営・人事・組織に関することについて、政府としてコメントする立場にはありませんが、一般論として申し上げると、日本のコーポレートガバナンス改革の推進というのは極めて重要な政策課題だというふうに思っています。
今般の委員会の設置も含めて、日産の特別委員会が示し、そして株主総会で議決されようとしているこのガバナンス改革というのは、国際的に見ても、グローバルスタンダードで見ても、極めてレベルの高いコーポレートガバナンス改革だというふうに思っています。日産にとってもなかなか大変な、厳しい改革になるんだろうというふうに思います。この日産におけるガバナンス改革が着実に進展することを強く期待をしています。
また、日産・ルノーのアライアンスの競争力の維持・強化に向けた具体的な進め方については、関係する当事者が十分納得する形で議論が進むことが重要だというふうに思います。
今日、ニュースで映像を見ましたけれども、スナール会長も極めてにこやかな感じで来日をされているなということを感じたところであります。

以上

最終更新日:2019年6月25日