2019年6月18日(火曜日)
10時12分~10時24分
於:記者会見室

冒頭発言

おはようございます。私からは特に今日はありません。

質疑応答

G20持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関する関係閣僚会合

Q:冒頭2点あります。順番にお尋ねします。
先週末に行われたG20エネルギー・環境大臣会合について、レジ袋の有料化ですとかエネルギー安全保障など議題は多岐にわたりましたが、会合を終えての率直な感想をお願いいたします。

A:今回初めてG20の持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関する関係閣僚会合を開催をいたしました。途中では、かなり激しいやりとりもありましたし、取りまとめがかなり難しいなと思われる局面もあったわけですが、最終的には、コミュニケをしっかり発出をし、かつ3つのアクションプランにも合意することができた、非常に成果が大きかったというふうに思っています。
パリ協定などの気候変動を始め、各国の利害が対立することが多い分野なわけでありますけれども、20カ国それぞれ二人ずつ大臣が出てきている中で、一致したメッセージを発出できたということは、極めて画期的だったというふうに思います。
特に、日本発のコンセプトであります「環境と成長の好循環」という、このコンセプトを共有できたということ、また、これも日本が主導して主張してきている水素ですとかカーボンリサイクルといった、イノベーションによるエネルギー転換ということ、そして、これも今、日本が世界的に広めていこうとしている省エネのベンチマークとも言える「WelltoWheel」の省エネベンチマーク分析を進めていくことで一致できたということ、そして、また今、エネルギー安全保障が非常に深刻な問題になってきているわけですけれども、このエネルギー安保に関しても懸念の共有ができたということで、非常にいろいろと成果が大きかったと思っています。
レジ袋の有料化についても、私の方から会議の場で言わせていただきました。今回、会議で複数の国から指摘があったのが、イノベーションはもちろん重要なんだけれども、イノベーションだけで、やはり気候変動対策はできない、やっぱり人々の行動変容こそが重要であるという指摘がありました。そういう意味で、日本が率先をしてレジ袋の有料化をやることによって、人々の行動変容を進めていこうとしていることに関しても評価の声が聞こえたところであります。
もう一つ、ちょっと長くなりますけれども、やはり今回一番大きかったのは、このところいろんな国際会議、例えば昨年11月のG20のブエノスアイレスでのサミットですとか、あるいは今年5月初めのG7環境大臣会合、この2つの会合では、パリ協定を含む気候変動の箇所については、完全にアメリカがシングルアウトされているという状況、アメリカ以外の国々でという感じになっていたわけであります。
また、私も参加した5月中旬のOECD閣僚理事会では、結局、気候変動をめぐって合意ができなくて、その結果、ほとんど多くの記載が議長声明になったという形でありました。
今回の軽井沢会合では、米国を取り残さず、米国もしっかり取り込んだ形で、そしてEUも納得した形で、20カ国全体でパリ協定にも言及をしながら全ての国がアクションにコミットしていく点で一致ができた、ここが私は非常に重要なポイントであったというふうに思います。貿易問題だけではなくて、気候変動対策も含めて世界が割れていこうという動きがある中で、アメリカも含んだ形で気候変動の部分も含めて声明をまとめられたというのは、一番私としては大きな成果だったんではないかなというふうに思っています。

ジャパンディスプレイ

Q:2点目をお伺いします。
ジャパンディスプレイについてお尋ねします。
支援を表明していた台湾のTPKホールディングスが、支援離脱の見通しとなりましたけれども、経営再建に不透明感が強まっていると思いますが、大臣の受け止めをお願いします。

A:JDIが6月17日、出資予定者の1社から離脱する旨の通知を受けたことなどについて、適時開示をしたことは承知をしているわけでありますが、現在、引き続き関係者において、出資に向けたぎりぎりの調整が行われているというふうに認識をしておりまして、政府としては、あくまでもその状況を見守りたいというふうに思っています。

Q:関連で、JDIの関連なんですが、工場の一時停止など現場の従業員の方などからは、職がなくなるのではないか不安だという声も上がっていますけれども、従業員に対する対応に関してJDIにどういうことを求めますか。

A:JDIが6月12日、希望退職の募集を行う予定である旨、適時開示をしたわけでありますが、人員削減などの構造改革を実施するに当たっては、まずは労働関連法令の遵守が当然のことでありますし、その上で従業員、地元など関係者にしっかりと経営方針や構造改革の必要性などを説明をして、地域経済への影響にも配慮するなど、丁寧な対応を行うことが重要だというふうに考えています。
今、全国的にも有効求人倍率は非常に高く、雇用環境がいいわけであります。昨日、テレビ朝日さんが放送されていた地域に関しても、白山工場周辺でも、聞くところによると有効求人倍率は2倍以上という状況だそうであります。
もちろん、その処遇とか条件とかいろんな問題はあるわけですけれども、きっちり地元と連携をしながら丁寧に対応をしていって、きっちりと、万が一退職される方がいたとしても、再就職等のケアを丁寧に行っていくことは重要ですし、行える雇用環境に今あるんだろうというふうに思っております。

レジ袋有料化

Q:G20の会合で大臣が表明されたレジ袋有料化を4月1日にもという話ですが、4省による省令改正では、環境省が外れているわけですね。環境省との調整は進んでいるのでしょうか。また、最終判断というのは、どの段階で誰がするのかというのは。

A:これは、もともとレジ袋有料化は、私は省令改正できちっと対応するのが最も迅速に対応できる、今のプラスチックごみの問題を見ているにつけ、やはりできるだけ早い対応の方がいいのではないかということで、省令での改正を申し上げてきたわけであります。
このレジ袋に関する省令については、容器リサイクル法の省令ということになるわけですが、これは経産省と、またリカーストア等があるという意味で財務省、あるいは生鮮食品を扱うお店ということで農水省、そしてドラッグストア等ということで厚労省、この4省共管の省令であります。これで対応するのが最も迅速だというふうに思います。環境省は協議官庁となっているわけであります。
それぞれ共管する省庁と協議官庁である環境省とも、今後しっかりと調整をしていきたいというふうに思います。具体的な制度化の在り方については、関係省庁でよく連携していきたいと思います。できるだけ早く関係省庁の議論をする場の立ち上げを、こちらから提案をしていきたいというふうに思いますし、その協議の中では、当然、産業界、特に中小、小規模の小売店の配慮をどうするかとか、国民各層もどういうふうに受け止められるか、そういった御意見は丁寧に受けながら、しかし、スピーディーに検討を深めていきたいというふうに思っています。

中東情勢とエネルギー供給

Q:ホルムズ海峡の件で1点お伺いしたいんですけれども、アメリカのシャナハン国防長官代行が、1,000人追加派兵を中東にするという話があるのですけれども、それでまた軍事緊張が高まるのではないかという懸念が指摘されている中で、日本のエネルギー供給や、そういった面に何か影響があるか、そういった新たな懸念が出てきたか、そういったコメントを教えていただけたらと思います。

A:今回の事案があった中東地域は、これは一般論になりますけれども、世界のエネルギー供給を支える重要な地域でありまして、そこでの航行の安全確保というのは、日本及び国際エネルギー市場にとって極めて重要でありまして、高い関心を持って注視をしているところであります。
日本政府としては、今回の事案を日本の平和と繁栄を脅かす重要な事案として深刻に受け止めておりまして、船舶を危険にさらす、こうした行動を断固非難をしてきたところであります。こうした認識は、G20各国とも共有をし、閣僚声明にも盛り込ませていただきました。
引き続き、日本のエネルギー安定供給に万全を期していきますけれども、今回の事案によって問題が生じるというようなことはないというふうに認識しています。

Q:関連してなんですけれども、エネルギー安保の関連で、今回のG20のコミュニケでもエネルギー源とか調達ルートの多様化の重要性というのが盛り込まれましたが、今回それを受けて、日本のエネルギー調達はどのように議論を進めていくのか、中東への依存はどうするのか、大臣の御所感をお願いします。

A:共同通信さんの御質問にお答えする前に、共同通信に対しては、昨年9月の「事実上、MOX再処理を断念」とする記事について、重ねて訂正を強く求めたいと思います。私が会見で申し上げるのも13回目になる。もういい加減にしていただきたいと思います。
当初の記事では、エネ庁の担当課に取材をした上で「断念」と書き、逆に、今年3月の記事では、担当課に取材もせずに「料金転嫁」と書いている、全く矛盾をしているわけであります。丁寧な取材を求めつつ、不適切な記事の訂正も重ねて申し入れたい、求めたいというふうに思います。
その上で申し上げますけれども、エネルギーの安定供給というのは、別に今回の事案にかかわらず、不断に努力を続けていかなければいけないわけであります。特定のルートに依存する体質を改善するという取組も、政府はこれまでも行ってきているわけでありますので、その方向で継続をしたいと思っています。

以上

最終更新日:2019年6月19日