冒頭発言

【河野外務大臣】外務大臣として9年ぶりのモンゴルの訪問をいたしました。実質は今日1日というたいへん短い日程でしたけれども,自由とか民主主義といった普遍的価値を共有するモンゴルとの「戦略的パートナーシップ」を深める有意義な訪問にできたのではないかと思っております。

 午前中のツォグトバータル外務大臣との会談に関しては,会談後の共同記者発表で申し上げたとおりでございます。
 その後表敬させていただいたバトトルガ大統領,フレルスフ首相との間でも,両国の幅広い協力関係を深めていくことについて一致をし,特に私からは新空港が順調に,早期に開港できるように協力をお願いしたところでございます。

 午後はフレルスフ首相とともに,日本の無償資金協力で開設されました日本モンゴル教育病院のオープニング式典に参加をいたしました。この病院が両国の絆の象徴となる,そんなふうに発展してくれればいいなと思っております。モンゴルの人材育成について,これからも日本はしっかり協力をして参りたいと思います。

 夜はウランバートル郊外のゲルで外務大臣とかなり長時間,食事を食べながらざっくばらんにいろんな話をすることができました。もうツォグトバータル大臣とは二度訪日をしていただき,インドでもお目にかかり,様々な場面でもお目にかかっております。非常に日本とモンゴルのいい関係を一緒に作っていきたいというふうに思っております。私からは以上です。

質疑応答

【記者】本日の外相会談では拉致問題の早期解決に向けた,緊密な連携を改めて確認されたと思いますが,特に安倍総理が条件をつけずにキム委員長と会談する意向を示されているということを踏まえた上で,今後,どのような連携を図っていけそうでしょうか。

【河野外務大臣】北朝鮮の問題につきましてはかなり時間を割いて,相当突っ込んだやり取りをやらせていただきました。日朝首脳会談については,まだ決まったことはございませんが,様々なルートでやりとりをしております。モンゴルを始め,様々な国々と連携をしながら,日本の拉致問題についてもですね,チャンスを逃さずしっかりと解決に向けて一歩踏み出せるように努力していきたいと思っております。

【記者】イランとアメリカの関連のことですけれども,タンカーの攻撃の事件の後ですね,アメリカ側はイランがやったんだと,イラン側は我々ではないという形で,非難の応酬,さらには関係国に対して外交的な駆け引きが活発化していますけれども,そのあたり日本としてはどのように対応していこうというふうに考えてらっしゃいますか。

【河野外務大臣】今関係する国々と情報共有,情報交換をしているところでございます。特にこのホルムズ海峡は日本の原油,あるいは天然ガス,大きな部分をここに依存しているわけでございますので,ここでこのような事態が続くことは日本のエネルギー安全保障にとっても大きな問題になりますし,日本だけでなく国際経済にとっても大きな障害となりますので,こうした行為を非常に強く非難をしたいというふうに思っております。まずしっかりと関係国と情報共有をしながら,何が実際に起きたのか,そこをしっかりと見極めて対応を考えていきたいというふうに思っております。

【記者】関連になりますけれど,今の情報共有というところですけれど,アメリカ側が証拠となる映像とかいろいろ出していますが,日本として改めて,ちゃんと裏付けになる,要はアメリカの主張として裏付けとなるような証拠を日本側に提出するようにというようなことは求めているのでしょうか。

【河野外務大臣】様々な国々といろんなやりとりをしております。外交上のやりとりを公にすることは今の時点では差し控えたいと思います。

【記者】G20大阪サミットではですね,まもなく開催されるということで多くの国がG20大阪サミットに参加されると思うんですが,そういった中で今回のイラン情勢について関係各国と意見交換する可能性があるのか,もしするのであれば日本としてどのようなコミットをしていく,主張をしていくと考えてらっしゃるのでしょうか。

【河野外務大臣】まず現実にこのホルムズ海峡でどういうことが起きたかということをしっかりと現実を把握することが先だというふうに思っております。

【記者】関連で情報収集ということですが,情報交換という意味ではアメリカが一番だと思うのですが,現時点でアメリカの主張について同調するような状況ではないということでしょうか。

【河野外務大臣】先ほどから申し上げているように,関係する国々と情報共有をまずしっかりやっていきたいと思います。

【記者】本日の日本国内での事件なんですけれど,大阪の吹田市で警官が刃物を持った男に襲撃されて実弾入りの拳銃を奪われるという事件が発生しました。これは付近の住民の方の不安があることはもちろんですけれども,外務省としては近くG20サミットが控えている中でこういった事件が発生したということになると思いますが,この事件に対する受け止めと今後の政府の対応についてお聞かせください。

【河野外務大臣】一刻も早い犯人の検挙,事件の解決を望みたいと思います。G20についてはこれまでも万全の警備ができるよう体制を整えてきているところでございますので,問題が起きないようにしっかりと警備してまいりたいと思います。

【記者】「徴用」をめぐる問題ですけれど,明後日が仲裁委員会の委員を任命する期限に一つなると思います。現時点で韓国側はどのような形の反応を示しているのか,あれば教えてください。

【河野外務大臣】韓国にはこの請求権協定に則った仲裁のプロセスにしっかり応じてくれるよう強く期待を申し上げたいと思います。

【記者】今回のこの「徴用」をめぐる仲裁委員会の関連に関しては,二国間の協定になるかと思います。一つのかたちとしては向こうが出してこないのであれば期限を引き延ばすことも考えられると思いますが,今の段階で,期限を迎えた段階で向こうが任命してこなかった場合,どのようにするかお考えはありますか。

【河野外務大臣】韓国側がしっかりと請求権協定に則った仲裁のプロセスに応じてくるものと思っております。