令和元年5月14日、安倍総理は、海上保安庁で行われた令和元年度海上保安の日祝賀会に出席しました。

 総理は、挨拶で次のように述べました。

「本日、海上保安の日祝賀会の開催に当たり、内閣総理大臣として一言御挨拶を申し上げます。
 我が国と世界を結ぶ青く美しい海。海は古来より交流・交易の場として、また豊かな水産資源を育む場として我々に大いなる恵みをもたらしています。同時に海は国と国との主張がぶつかり合う場でもあります。その際に最も重要なことは、法が支配する海洋秩序を構築し維持することです。そのために国内はもちろん世界中で活躍しているのが、海上保安庁であり、海上保安庁の皆さんであります。あるときは荒れ狂う海をものともせず、国際法に逸脱した行動に対して毅然(きぜん)と立ち向かい法の遵守を求める。あるときは諸外国の海上保安機関に赴き、法の重要性を説き技術指導を行う。正に海洋秩序の守り人であります。海上保安庁の活動なくして自由で開かれたインド太平洋の実現はありません。
 昨年11月、私がオーストラリア・ダーウィンを訪問した際、白く輝く船体にJAPAN COAST GUARDと書かれた巡視船、えちごの勇姿がそこにありました。乗組員諸君の日に焼けた精悍(せいかん)な姿からは、海賊が出没する海域で哨戒(しょうかい)を行う緊張感、家族と遠く離れた地で実直に任務を果たす使命感、各国の先頭に立って国際連携を推進する責任感など、世界で活躍する海上保安官一人一人の高い士気に触れ、心から頼もしく思いました。
 今月からいよいよ新しい時代、令和が始まります。この新元号は万葉集の梅の花の歌32首の序文から引用されたものです。海上保安庁の徽章(きしょう)もまた梅であります。梅は厳しい冬の寒さを耐え忍び百花に先んじて花を開き、かぐわしい香りを放ち、実を結び、絶えず人々の身近にあるものです。これは正に海上保安庁そのものではないでしょうか。様々な脅威は時を選ばず押し寄せてきます。新たな令和の時代にあっても梅の徽章を胸に、岩並海上保安庁長官以下全職員が一致団結し、荒波を乗り越え平和で豊かな海という実を結んでほしい。
 最後に内閣総理大臣として、海上保安庁が令和の時代にあっても国民の信頼に応え、海を守るという崇高な使命を着実に遂行できるよう、万全を期すことをお約束し、私の御挨拶とさせていただきたいと思います。皆様本日は本当におめでとうございました。」

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