2019年5月14日

2019年4月29日~5月10日にかけてジュネーブ(スイス)において、バーゼル条約(※)第14回締約国会議(COP14)が開催されました(各国政府代表の他、国際機関、NGO等が出席。我が国からは外務省、経済産業省及び環境省の担当官が出席)。

本会議において、バーゼル条約附属書改正、プラスチックごみに関するパートナーシップの設立が決定され、また、E-waste(電気電子機器廃棄物)及び使用済み電気電子機器の越境移動に関する技術ガイドラインも暫定採択されました。

※バーゼル条約(有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約):処分又はリサイクルを目的とした有害廃棄物の輸出入の事前通告に基づく許可制や、必要な書類の携行、不適正な輸出や処分行為が行われた場合の再輸入の義務などを規定。なお、今次COP14は、バーゼル条約・ロッテルダム条約・ストックホルム条約の三条約合同締約国会議の一部をなすものとして開催。

1.バーゼル条約附属書改正等

本会合では、同条約の附属書を改正し、汚れたプラスチックごみを条約の規制対象とすることが決定しました。具体的には、バーゼル条約の対象となる廃棄物の判断基準や範囲を示す附属書II・VIII・IXの見直しに関する議論がなされ、それぞれ以下の通りの決定がなされました。この改正附属書は2021年(令和3年)1月1日から発効されます。

今回の附属書の改正は、「汚れたプラスチックごみ」の輸出を禁止するものではありません。附属書改正の発効以降は、汚れたプラスチックごみの輸出に当たって、輸出の相手国の同意が必要となります。

 

附属書 内容 主な改正内容
附属書II
(条約対象)
条約の対象となる「他の廃棄物」のリスト 附属書VIIIとIXを除くプラスチックごみを追加
附属書VIII
(条約対象)
有害な廃棄物を例示するリスト 廃棄の経路や化学的性質などから有害な特性を示すプラスチックごみを有害廃棄物としてリストに追加
附属書IX
(条約非対象)
条約の対象としない廃棄物を例示するリスト リサイクルに適したきれいなプラスチックごみの範囲をより明確化

また、作業部会を新たに設置することも決まりました。同部会は、プラスチックごみの適正処理に関するガイドラインの改正について検討することとされています。その結果については2020年(令和2年)に開催される見込みの公開作業部会において検討される見込みです。

2.プラスチックごみに関するパートナーシップの設立

プラスチックごみの環境上適正な管理の促進等のため、プラスチックごみに関するパートナーシップを設立することが決定されました。同パートナーシップでは、プラスチックごみの削減等に関する各国の取組状況の情報収集や普及啓発等が行われる予定です。パートナーシップは2020年(令和2年)以降活動を開始する予定です。

3.E-waste及び使用済み電気電子機器の越境移動に関する技術ガイドラインの暫定採択

E-waste及び使用済み電気電子機器の越境移動に関する技術ガイドラインが今次会合において暫定採択されました。同ガイドラインは使用済み電気電子機器を再使用目的で輸出入する際の廃棄物と非廃棄物の識別に関する客観的な判断基準を取りまとめ、輸出入国当局や税関等関係機関による当該輸出入が適法に行われているかどうかの判断に資する指針を提供するものです。

担当

産業技術環境局 資源循環経済課長 福地
管理官:根津 担当者:中谷、早田
電話:03-3501-1511(内線 3561~4)
03-3501-4978(直通)
03-3501-9489(FAX)